「関心」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
親や上司、先生や経営者は、子供や部下、目下の者に関心を持たなければならない。子供や部下は、小遣いをもらうことや、評価を上げてもらっても、そんなことはすぐに忘れる。それよりも、自分に関心を持ってくれている。そう思うほうが、やる気が出るものだ。
昔、ある貴族の子供が悪いことをした。名門と言われるその家系では、家庭教師を付けられ、厳しい教育がされていた。しかし、その子の親は、子供に関心を持っているように見えず、子供は親が自分を見てくれるように、悪いことをわざとしたのだ。家の恥となるようなその行為を親は激しく叱責したが、結局のところ、子に関心を持たず、他人任せにした親の責任だったのだ。その名門を没落させたのは、その子供ではない。子供に責任はないのだ。だから子供なのだ。子供に正しい道を歩かせられなかったのは、親の責任である。
ある経営者の話だ。その人は従業員にムチ打って馬車馬のように働かせる人だったので、従業員の間ではとても嫌われていた。そして、本人もそれを知っていた。だけれど、その人は「せっかく雇ってやっているのに、恩知らず」と従業員が悪いと思っていた。
経営者も感謝されなければやはり寂しい。従業員達からの感謝を買えないだろうか?そう思って、従業員達への人気取りに賞与を支払ったそうだ。本人は結構気前よく出したつもりでいた。
しかし、その時は従業員達はありがたがり、ニコニコしていたが、3日も経つとそんなことは忘れ、また暗い表情で嫌々仕事をするようになってしまった。あんなに大金を払ったのに、3日も感謝が持たないとは!この従業員達はなんと恩知らずどもの集まりなのか!その経営者はそう嘆きました。
結局、その経営者は人心を理解できず、会社を倒産させてしまった。その責任は経営者にある。その経営者は、感謝して欲しいと思うだけで、従業員達への感謝も関心もなかったからだ。
一人ひとりに家族がいて、何歳の子供がいる。男の子なのか?女の子なのか?誕生日はいつなのか?学校に入学するとお金がかかるな?小さい時には病気になりやすいな?この従業員は親が介護になって大変だな。そういう、一人ひとりに向き合った「関心」がないから、みんな暗い顔でつまらなそうに働いていたのだ。そんな会社が、お客様を喜ばせるような良い仕事ができるわけがない。その会社が生き残る道理もない。結果はおのずと見えていたのだ。その経営者が、従業員一人ひとりに「関心」を持たなかった時点で。
人が怒りを覚えるのは、相手のことを知らないからだ。自動車運転でロードレイジが起こるのは、相手が見えない。相手を知ろうとしないからだ。相手に関心がないからだ。
トロトロ運転しているおばあさんに「判断力の遅い!ばあさんは免許取り上げろ!」と怒るのは、その人に関心がないからだ。それがあなたの母親だったら、あなたは同じことを言うだろうか?
相手に「関心」を持つ。自分を知ってもらうには、まずは相手を知ろうとしなければならない。相手に感情という武器をぶつける前に、相手に「関心」を持って、相手の立場で物事を考えたいと思う。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ