「インボイス制を利用する」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 インボイス制度の開始まで残り10日だ。騒ぎ立てている人もいるが、納税していない方に問題がある。インボイス制度を否定する人は、ほぼ無納税者だ。だから、私はとてもフェアーな方法だと思っているので、全事業者が適応すべきだと思っている。ただ、これ以上税金を取るのは、間違いだから、税金の使い方を見直して、国民に還元すべきだと思っている。消費税を取るのであれば、社会保険料を安くすれば、個人事業主にも適応していくことが可能だ。政策に対して良い部分と悪い部分を明確に切り分けていくべきと思う。いまのままでは、国民から搾り取っているだけだ。すでに干からびて、もう絞れないところに来ていることに気づくべきだ。

 今回のインボイス制度。 サラリーマンには関係なく、個人事業主でも対企業ではない個人向けビジネスの商店などは関係がない。
 簡単に説明すると、株式会社が売上を上げるのに使用した仕入や経費が、納税事業者からの購入になっていない場合は、仕入税額控除を認めません。つまり、企業側の消費税の納付額が多くなってしまう。という制度になります。
 新たに課税するというような内容ではなく、インボイス請求書として認められていない請求書やレシートは、経費として認めません!という制度だ。
 そこには、消費税率と消費税額と日付を入れて、適格事業者(納税事業者)である証明のT番号も記載されていなければならない。弊社はすでに適応しているのだが、大手企業でもまだレシートにT番号が記載されていないところが目立つ。残り10日で適応できるのか?かなり心配だ。その場合、利用する店を選ばなければならなくなる。お勘定の際にT番号のないレシートでもめることもありそうだ。そのうち、店の看板にT番号が入るようになるのだろうけれど。
 例外として、公共交通機関や自動販売機、質屋、郵便切手などはインボイスの適応がなくても経費として認められることとなっている。

 例えば、我が社の売上が1,000万円だった場合。消費税は10%なので100万円になります。しかし、仕入れている物や家賃など経費として支払った金額の消費税は、100万円から差し引くことが可能です。例えば、家賃が100,000円の場合、消費税は10,000万円だ。年間で120,000円の消費税の支払いです。そこで、大家さんが適格事業者だった場合、この120,000円は大家さんが納税するので、二重取りを防ぐために、我が社の消費税から120,000円を差し引くことが可能です。そうすると、我が社の納税は100万円から12万円を引いた880,000円になります。
 ところが、大家さんが不適格事業者、つまり納税を行っていない場合には、我が社の納税が100万円になってしまう。大家さんには消費税額を支払っているのですから、企業としては二重取りされることになります。そんなことは許せませんよね。
 企業としては2つの対応策があります。1つは適格事業者と取引をする。つまり、納税をしていない事業者は仕事を失うことになります。
 もう一つは、消費税額分の値下げ交渉です。10%の値下げがあれば、企業としては納税額が増えても帳尻があうので気にしない。というところもあるでしょう。下請け法的な問題など、別の問題はありますが、今回は考慮しません。
 国としては、どちらに納税してもらっても、まったく困らない。むしろ、いままで納税していない個人事業主が多くいたことが問題なのです。消費税はすべての国民に平等に納税されるべき税金なのです。それを免れている事業者にテコ入れした制度が、今回の「インボイス制度」だ。
 この制度は益々厳しくなっていくだろう。個人事業主が個人向けに行っているビジネスにまでテコ入れがされるのは間違いない。
 例えば、いままで個人向けのピアノのレッスンを行っていた先生は、いままで消費税を納税したことはないだろう。つまり、10%多くの収入を得ていたともいえる。どのような方法になるかは定かじゃないが、今後は確定申告時に、所得税以外に消費税が課税されることになるだろう。だが、現在は何も問題はない。
 例えば、個人事業主のピアノの先生が、生徒さんに11,000円の支払いを求めていたとしても、生徒としては、11,000のうち1,000円が消費税なのかどうかは?確定が出来ない。先生に聞いたときに、「消費税は取っていませんよ!」と言われれば、それで終了だ。今後の国税庁の動きには興味がある。

 さて、ここからが本題だ。早速インボイス制度を利用してみました。我が社は法人格なので、事務所の家賃に消費税を取られている。一般家庭は消費税は免除だ。だから、大家さんが適格事業者かどうかを確認した。もし不適格事業者である場合は、移行措置として、消費税の納税を3年間は8%に出来るので、家賃にかかる消費税額を8%にしてもらう。その後更に3年は5%にする交渉をしようと考えた。
 そうすれば大家さんは、いままで通り納税の義務はない。要するに、我が社としては家賃の消費税が安くなるというメリットがあるのだ。やらない手はない。
 大家さんに問い合わせ、その旨文章をお送りしたところ、驚いたことに大家さんは適格事業者登録をするという回答をしてきた。なんとフェアーな決断だろう!私は正直驚いた。
 我が社の入るマンションは1階のみが法人用であり、3部屋しかない。2階より上はすべて個人向けの賃貸マンションだ。つまり、消費税を取っていないのだ。1階の3部屋分だけ消費税を取っていて、長年納税をしないで来たのだろう。ところが、今回のことできちんと納税をするという判断とのこと。誠に立派なことだと感心した。交渉に色々ともめることを予想していたので、かなり肩透かしを食らった思いだ。

 いずれにしろ、納税はフェアーに行わなければならない。しかし、消費税は売上に対して10%も課税されるのだ。ビジネスモデルにもよるが、ほとんどの企業では法人税23.2%の方が高いと思っている方が多いが、すべての経費を引いて当期純利益の手前で決定される法人税額の方が小さいことの方が多い。しかも、赤字では納税の必要がない。
 日本企業の7割が赤字と言われる現在、法人税は伸びないだろう。国の税収を上げるには、消費税が一番効くのだ。事業者としては、消費税の廃止を望むところだが、廃止が出来ないのなら、社会保険を減額すべきだと思う。いずれにしろ、国はお金を集めることばかり考えて、集めたお金の使い方がまったくなってない。
 インボイス制度を導入するなら、それに見合ったインセンティブがなければ、適格事業者は増えないだろう。個人事業主が今後どうなっていくのかは注目だ。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

いいなと思ったら応援しよう!