「お金について」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
みなさんお金は好きですか?うん。嫌いな人はいないでしょう?では、そのお金って何のことでしょうか?えっ!お金って現金でしょ?「円」ですよ。と思われたと思います。でも、その「円」の実態って、なかなかつかめないと思うんですよね?
例えば、Aさんがコンビニで1,000円札で買い物をしました。その後にBさんが1万円札で買い物をしたおつりとして、先ほどAさんが出した1,000円札が使われたのを、Aさんが「それは私の1,000円札です」ということはあり得ませんよね?お金の所有権は、それを持っている人のものですから。盗んだとしてもです!
また、Cさんが銀行に現金で10万円預金をしました。でも手元のお金が思ったより少ないことに気づき、すぐに1万円をおろしたとしても、Cさんの手元には、先ほどCさんが渡したお金と全く同じ番号の1万円札が戻ってくることはありませんね。それでも同じ1万円の価値であることを誰もが知っているから、それをとがめる人もいなければ、気にする人もいません。お金の価値って何でしょうね?
お金って、呼び名もいろいろありますよね?「金」(かね)、「金銭」(きんせん)、「銭」(ぜに)、「通貨」(つうか)、「紙幣」(しへい)、「貨幣」(かへい)、「お札」(おさつ)、「硬貨」(こうか)・・・このような仕組みを考えたのは誰なんでしょうかね?シルクロードのどこか農耕文化の地域が、発祥ではないか?と予測ができますね。
なぜなら、大昔にお金を考えた人は、物と物を交換するには、運ぶのも大変だし、交換する前に腐ったり、傷んだりと、毀損(キソン)してしまうこともあります。また、収穫期はいいですが、他の時期には交換するものがありません。そこで、お金というものを考え付いたのだそうです。ということは遊牧民ではないことだけは確かです。頭がいい人がいたものですね。
その後、そのお金は誰が発行したのか?というところが重要になってきました。食料と交換できるお金が、最初は貝殻であったりすれば、海へ行って貝殻を集めてこれば、誰でもお金が発行できるからです。それでは信用は得られませんよね。そのため、発行元を現す印などが発達していったのでしょう。通貨を発行するのに、最初はみんなの穀物を集めて保管する倉庫の管理人が、穀物の価値と同じだけのお金を農民に渡していたのだそうです。その管理人の信用で、お金が発行されていたのですね。
やがて集落や村という単位がどんどん大きくなり国が出来ると、国を治める国王の信用で通貨が発行されるようになり、他国との為替が発生するようになったのだそうです。国の信用は、経済だけでなく、軍事力も含めて考慮されるのは今も同じですよね。穀物倉庫を守るには軍事力が必要ですからね。お金は、信用がなければ、その価値は全くなくなるのです。
そこで、国家間で信用の高さが異なるために為替というものが発生してしまいます。それに物価というものが合わさるので、その国の生活水準などがわかりにくいことから、ビックマック指数が使われます。うそのような話ですが、その国でビックマックがいくらで買えるかを求めて、為替との差額を見る指数です。ちょっとふざけているようですが、とても真面目な指数なんです。最新情報ではありませんが、都市別平均年収だとスイスのチューリッヒ(因みにスイスの首都はベルンです)が一位で、ニューヨーク(米国の首都はワシントンです)が6位。東京が8位でした。ですが、ビックマック指数だと日本が一位です。日本が円高でビックマックを一番安く買える、ということになるようです。安くてよかったではなく、やっぱりデフレなんだ!という確認ができますよね?給与も上がらないわけです。
お金を借りるのなら、当然銀行などの金融機関となります。私の記憶では、小学校で習う銀行システムの話は、私達の預金を集めて、それを企業に貸すことによって銀行は利息を得るというビジネスモデルだったと思います。しかし、現実はこの通りではありません。「えっ!違うの?」と思った方は間違っていません。建前上は、学校で習ったことに間違いはありません。しかし、実際には、銀行は集めた預金を貸し出しているわけではありません。紙幣に名前があれば、私が預けている紙幣が、銀行の金庫に入ることもなく、企業に貸し出されていることもないことが分かると思います。実際には、銀行が企業にお金を貸し出したことによって、預金が生まれているのです。実に分かりにくいですね。
銀行が現金を持っており、それを貸し出すというのはイメージでしかありません。実際には、融資先の企業の通帳に金額を記載するだけで、現金は1円も動きません。当たり前のことのように感じますが、これが「信用創造」というもので、銀行がこの世に存在していない現金を「信用」によって発行しているようなものなのです。うん、頭がこんぐらがってきた!
例えば、A銀行がB企業に1億円の融資をした場合、現金を実際に金庫に入れるのではなく、預金通帳に1億円を記載するだけですよね。融資先の企業に現金を持っていくのではなく、預金通帳に記載した瞬間、預金が生まれているのです。預金を貸すのではなく、信用によって貸すことで、預金が生まれているのが現実です。ですから、銀行は返済能力のある借り手さえいれば、無限に貸し出しを行なうことが出来るのです。
現実的にも100万円を機械で数えるのには約1分かかります。1,000万円なら10分、1億円なら100分です。10億円なら1,000分です16時以上かかります。100億円なら10,000分かかる計算になります。時間にして167時間!約1週間休みなく数えなければ、100億円を数えられません。国際的な取引は何兆円ものお金が動くのに、お金を数える時間が足りない!なんて洒落にもなりませんよね。
学校で習った銀行システムに例えてみます。例えばAさんが銀行に10万円を預金したとします。銀行はその10万円のうち、9万円を誰かに貸そうとします。Aさんが預金をおろすことを想定して1万円保管しておいたのです。そこにBさんが9万円かして欲しいと言ってきました。銀行はちょうど手元にあった9万円をBさんに貸し出しました。Bさんは現金を持ち帰りたくないので、自分の口座に9万円をいれてもらいました。すると銀行口座には、Aさんから預かった10万円とBさんが預けた9万円の合計19万円があることになります。現金は10万円しかないのに、おかしなことになりましたよね?このように、お金は「信用創造」により錬金術のように増えていると言えるのです。つまり、負債が増えれば増えるほど、経済を流れるお金が増えていく仕組みなのです。
それでもわかりにくい場合は、最初の農耕民族の話で説明します。穀物生産者の地主は、小作人を雇ってパンの材料の小麦を育てさせます。その賃金は、秋の収穫の前に支払われます。つまり、秋の収穫を見込んで、先に「負債」をして、労働者に賃金を払い、秋の収穫で負債を返済するのです。順序は「負債」が先になるのです。従業員への給与も同じですよね。一人前に育つ前に、労働契約の賃金を払い続け、お金を払って教育をしますよね。結果的に、時間をかけて返済してもらうことになるのと同じです。お金は、負債から始まり、将来の不安を避けるため、「余剰」を持つために更に「負債」を行うのです。不作の時を見越して、穀物を倉庫に「余剰」することを覚えた人類は、「負債」というシステムを考えついたことにより、経済発展をとげたと言えると思います。
個人が「借金」(負債)をするのは、非常に危険なことだと考えるのは間違いないですが、会社や国が借金をすることとは、根本的に意味が違います。経済の規模が膨らむと考えた方が正しいです。信用創造を理解していない人が、国の借金が多いと言っているのです。
会社はむしろ無借金経営などすると、自己中心的な会社となってしまいます。世の中の経済とのつながりを維持するためには、借金は進んでしなければなりません。金利なんて気にしなくていいのです。銀行は、返済実績を見て企業にお金を貸しています。どれだけ巨大な企業でも、借金返済の実績がなければ、借りられる額は小さくなりますし、保証や担保など非常に面倒になります。実績を積み上げ、無保証無担保で借りられる額を増やすのが正しい経営の在り方です。そして、借金と同額以上に現金を持っていれば、実質的無借金経営が可能になるのです。現実的に無借金の場合、「まさか!」に備えることが出来ません。金利は保険料と思えば、かなり格安な保険料だと思います。国や会社は是非、借金をしましょう。
因みに、日本では複利計算をきちんと教えてくれませんし、実用しないのですぐに忘れてしまいます。だから72の法則だけ覚えておきましょう。72÷金利=お金が2倍になる年数です。例えば、金利が3%の貯金(いまではありませんが)をした場合、72÷3=24年後にお金が2倍になる年数になるのです。
日本人はお金の話は「きたない」とか、「そんな話をするもんじゃない」という風習があった。確かに、百姓は自分の分をわきまえ、金もうけに目がくらまないよう。汗水たらして、田畑を耕せ。という意味では、江戸時代までは正しい文化だったのでしょう。ですが、いまは支配的な君主もいなく、一人ひとりが自由にお金と向き合うことが可能な時代です。時代に合わせて、お金との付き合い方も考え直す方が良いですね。
逆に現代では、通帳に記載される金額だけを見ているだけでは、お金のありがたみが分かりません。帯封をした100万円の束を見たことがありますか?触ったことがありますか?そこでビビッてしまう人は、それが器です。でも、誰でも最初はビビりますよ。ですから、慣れればいいのです。パフォーマンスとして、会社のお金を1,000万円程現金でおろして、経理をしている奥さんにでもお盆の上にのせて、従業員に見えるように持ってこさせるのです。みんな目の玉ひん剥いて見るから。触らしてあげてください。そして、「借金したから、給与はきちんと払うからね。みなさんが頑張ってくれれば、この借金も返せますよ!」と言って、ちょっと焚き付けてみて下さい。従業員の目の色が変わりますから。そしてすぐに、奥さんに銀行に預けに行ってもらうと、「社長の奥さんは、何か重要な仕事しているな!」という気分になるのです。結構いけてるパフォーマンスだと思いますよ。
子供にも、高校以上は学校の授業料は現金で手渡しして、自分で振り込ませた方が良い。そうすると、自分の授業料は一生忘れません。そして、無駄遣いできなくなります。現金で教えた方が良いこともあるってことです。長くなるので、今日はこの辺で。
最後に、いま大河ドラマの主人公になっている渋沢栄一氏の言葉で締めくくらせていただきます。
金儲けを品の悪いことと考えるのは、根本的に間違っている。しかし、儲けることに熱中しすぎれば、確かに品が悪くなる。金儲けにも品位を忘れぬようにしたい。富を成す根源は何かといえば、仁義道徳である。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。
(渋沢栄一の「論語(道徳)と算盤(金儲け)」より)
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ