「ヘビ」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
皆さんは「ヘビ」についてどれ程の事を知っているだろうか?漢字で書くと「蛇」だ。アダムとエバに知恵の実を与え、エデンの園から追放され、その際手足を失った?爬虫類であり、セキツイ動物である。基本的に自分よりも小さな動物を食し、その種類は問わない。大きければ人でさえ食べてしまう。毒を持っており、その毒を利用して獲物を取るタイプと、全身の筋肉を利用して獲物を締め殺すタイプに分かれる。
本来、人はヘビを恐れるものである。それは遺伝子が過去にヘビにかまれ亡くなった先祖がいて、危険を知らせる情報を遺伝子として受け継いでいるからだという。それにひどく獰猛なイメージも強い。何でもかみつく、ヤクザ的なイメージである。
ヘビは嫌われ者の総称だ。その姿からして気分の良くないものであり、表面の鈍く光るウロコも恐怖をあおるものであった。光沢のあるウロコはぬれている様に見える。ぬめりを持っているように感じる人も多い。だが、実際は全く濡れていない。それに、変温動物のせいか触ると非常に冷たい。ひんやりと気持ちいい。
ヘビは1ヶ月程食さずとも生きて行ける体を持っており、獲物があれば腹の中の獲物を吐き出して、次の獲物を捕る習性がある。吐き出した獲物は又、後で食べるのである。一度口の中に入ってしまうと、窒息してしまい、獲物は呼吸困難ですぐに死ななくても、そのまま意識が無くなり寝てしまう。そして、ゆっくり溶かされていくのだ。だから、一度口に入れた獲物も、もう一度後でゆっくり食べることができる。彼らには、味という概念がない。火を入れて調理するのも、人だけである。それが野生の生き方なのであろう。
しかし実際は、獲物を得られる事は少なく、いつも空腹を抱えているのである。そして変温動物である為、1年のほとんどを地中で寝て暮らすのである。夏の暑い時期だけ活発になり、夜になると獲物を求めて森を徘徊するのである。基本的には夜行性だが、昼間も直射日光を避けて水辺などへ現れる。狭いところを好み、パイプのようなものがあれば、前後見境なく入って行く。そして、バックすることを知らないため。そのまま前にワナがあっても、前に進むのがヘビの習性なのだ。
目はあまり良くなく、人に比べればほとんど見えない。それを補う為にセンサーとして舌を出す習性がある。この舌をうごめかす動作が、余計に人を不快にさせ、恐怖を募らせるものなのである。
舌は口を閉じていても出せるようになっており、舌を噛み切ってしまう事は無い。アゴにはちょうど良い穴があいているのである。
舌の中央先端は2又に分かれており、狭い範囲だが自分の前方と少し左右を感じられるようになっている。逆に言うと、ヘビは後ろが見えない。真後ろから頭を叩いても、叩かれるまで気がつかないのであるから、おかしい。
通常はヘビを捕まえる時は、しっぽを引っぱるような事はあまりしてはならない。ヘビの背骨は柔軟で、しっぽの先めがけてすぐに180度反転して牙をむくのである。先にも言ったように、ヘビは後ろが見えない事を利用して後ろから頭を踏みつけるか、木の棒で頭を地面へ押しつければそれでいい。あまり怒らせる前に、素早く行う事である。
頭さえ押さえてしまえば、この国に住むヘビで恐ろしいものは無い。毒があってもなくても、子供の力にすら遠く及ばない小さなヘビの種類しかいないからである。ただ、気をつけなければならないのは、ヘビの存在を見失わない事である。そして注意さえしていれば、それ程恐ろしいものではない。大抵の人はその知識が無い事から、ヘビにかまれる事が多い。ヘビとて人が怖いのである、追いこむからかみつくのである。
河原の石に腰かけようとして、石の隙間で直射日光を避けていたヘビに、手や足をかまれる人は多い。まず見て回り、石をけって動かし、何もいない事を確かめなければならない。水辺は様々な生き物昆虫が集まる場所である。ジメジメした石の下には多くの生命が繁栄している。石を動かそうと石の下へ手を入れて、手をかまれた人も多く見た。
又、足首程度の低い藪には決して真っ先に入ってはいけない。必要が生じた場合には、まずは棒であたりを叩きながら、ヘビが逃げる時間を作ってあげる事である。自分よりも大きな生き物を怖がるのは、生物の本能である。草刈りをする人が、逆にヘビを真二つにしてしまう時もあるのである。
知識が無いことから人を傷つけたり、知らない人から怒られたり、人は間違いを多く犯すものである。傷つきやすい人が逃げるあいだ、少し待ってあげるだけで、人と人の関係はもう少し良くなるのに、それに気付かない人が何と多い事か。
子供の頃、山の中に忘れ去られたような集落に住んでいた。周りは山と川だけで、ボール遊びするような広場はない。遊び場はいつも山の中だった。そのころ友人と、ヘビの林を探検した事がある。そこは、昔に植林された針葉樹の林で、黄色くペンキを塗った板に赤いペンキで「まむしに注意」その下にヘビのイラストまで書かれた立札が昔から不気味に立ち続けていた。その立て札の効果は抜群で、実際そこに入って行った者は一人もいない位であった。
その場所は、私達が良く遊ぶ山の奥にあり、広葉樹の険しい崖が山道を隔てて、針葉樹の林にかわっている場所だ。その林の一番奥にその立て札は立っていた。
その林は隣の崖の延長である為、当然斜面にある林である。300mm四方程しかないが、下から上まで針葉樹が茂っている為、下は昼間でも暗くジメジメしており、針葉樹の朽ちた枝が積み重なり、ヘビが住むには格好の場所であった。その林の横の山道を上まで登りきると、「はだしの家」と呼ばれている山小屋がある。その後山道は小川の水源である沼へ曲がって、下って行くのである。
私達は「はだしの家」のある頂上まで別の山道を使って登ってきて、明るい山頂から少しずつヘビの林を下る事にした。そうすると最後に立て札に行きつく事が出来るからである。
何がいるやら分からないヤブの中を、棒で地面を叩いて人間のいる事を示しながら進むのは実に恐ろしいものがある。ヘビも人が怖いのだが、こちらも怖い。突然かみつかれるかもしれない。上から落ちて来るかもしれない。考え出すと怖くて足がすくんでしまう。実際森で遊んでいても、ヘビは人を恐れて隠れている為、見つける事は稀である。その気にならなければ、毎日見るものではないのである。しかし。見る目を持っていれば。1日に何匹も見つかるものなのだ。
その日はそれ程暑い日ではなかった事もあるが、実際にはヘビは2匹しか見る事は出来なかった。しかもマムシではなく、ヤマカガシとアオダイショウであった。立札はこけおどしだったことが分かった。子供は残酷で、いままで多くのヘビを殺してきてしまった。どんなものでも、子供の興味にはかなわないのだ。毒ヘビでさえね。
この国に居るヘビは、南国の島にのみ居るハブを除けば基本的に毒ヘビと恐れられているのはマムシだけである。しかし、私が子供のころヤマカガシにかまれて死亡した人がいる事件があった。奥歯にのみ毒が隠されていたのである。それからは、この国で一番多く生息しているヤマカガシも警戒されるようになったが、個人的には警戒する必要を感じない。
ヤマカガシの特徴は、首の回りが赤い事である。 アオダイショウは毒がないが2m程になる大きなヘビで力も強い。ネズミ等哺乳類を食べる事から、昔から民家に住みつく事もあった。シマヘビはアオダイショウにシマ模様が入った様なものであり、模様がきれいで色も様々である事が特徴である。黄色に黒い縞模様。緑色に黒い縞模様などがいる。
これらのヘビは皆基本毒ヘビではない為、上から見た頭の形は卵型である。ハブとマムシのみ、逆三角形をしており、両ほほに毒袋がある。しかし、あまり知られていない毒ヘビが居る。見た目も毒へビだとは分からない。ジムグリと言って、その名の通りほとんど地中で生活しているヘビである。アカジムグリと言うものもいる。小さく細いのだが、毒はマムシ並みにあるのだから恐ろしい。めったに見る事はないが、かなり注意が必要である。全身の赤いアカジムグリは見た目ですぐにわかる為、見たらまず逃げる事をお勧めする。普通のジムグリは色が茶色で枯れ葉の保護色で見にくい。ヤマカガシだと思われがちだが、実はこの小さなヘビが恐ろしい事を知っているものは少ない。これがこの国のヘビの種類だと思う。少なくとも私は他に知らない。
宅地などに住んでいるとめったに見ることはなくなってしまったが、子供を連れてレジャーに行かれた方は、それなりにご注意いただきたい。今日はビジネスに関係のない、懐かしい夏の思い出を書いてみました。良い夏休みをお過ごしください。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ