「お願いをする」

第1,282回
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 人は命令したら反発し、説得したら嫌われて、論破しようものなら恨まれる。そしたら、もう「お願いをする」以外にないじゃないか?
 自分の意見を通すために、人は色々な方法を試みる。そして、波風の立たない方法として「お願いをする」という方法に行きつく人は多い。

 例えば、反発する従業員がいたとする。仕事は出来ないし、言われてことはしない。何でもすぐに忘れる。叱っても、脅しても、命令してもダメなので、社長はお願いをしてみることにした。
「A君、明日は遅刻しないで来てくれるかな?1本早い電車に乗ってください」
「はーい」
 A君は心の中で、乗る電車まで指定すんなよ!何様のつもりだ!と毒づいた。そして、次の日の朝、意図的に間に合う電車の2本後の電車に乗って来て、堂々と遅刻をしたのだ。
またある時、社長がA君に仕事を頼んだ。
「A君、このB社の仕事を明後日までにお願いできますか?」
「はい」
 社長はA君の返事を了解したと思い込み、そのまま忘れてしまった。2日後、社長はA君に確認をした。
「A君、例の件で来てるよね?チェックしてからお客様に提出するから見せてくれない?」社長が言うとA君はきょとんとして言った。
「えっ!何のことですか?」
「一昨日頼んだB社の仕事だよ!やってないの?」
「あっ!忘れてました!」
「なに!今日中に提出だぞ!C君、Dさん手伝ってくれ!最優先だ!A君はもうやらなくていい!」
 車内はてんやわんやの大騒ぎになって、手分けして仕事をすることになってしまいました。まったくA君はダメな奴でしょうかね?確かに社会人としての自覚も責任感もないですよね。でも、もっと大きな問題があります。何だか分かりますか?

 社長はA君の返事を了解と思い込んでしまったのです。A君の「はい」は「はい聞こえました。日本語の理解は出来ましたが、仕事の理解は出来ていません」という言葉が言外にあったことに気づかなければならなかったのです。だって、いつも仕事のできないA君が、一度言っただけで理解しているわけがないのです。
 仕事内容を逆質問し、理解度合いを測らなければならなかったのです。でも、忙しさに忘れてしまったというのは、マネージメントとしては痛恨のミスです。これ、私もよくやるミスなんです。きっとこんなミスをする人は多いと思いますよ!
 結局、「お願いをする」だけではなめられて終わりなのだ。だから、お願いですべての人を動かすことなど出来はしないのである。そして、きちんと叱責しなければならないのです。ハラスメントなど気にしていたら仕事にならない。相手の人格ではなく、仕事を叱るのです。どこが仕事になっていないのか?どういう仕事が悪い仕事なのかを伝えなければならないのです。そして、それを素直に聞き入れない者は、もう辞めてもらう以外にないのです。
 ビジネスにおいて、「お願いをする」なんて甘い方法は通じません。それは家族や友達に対して行うことです。ビジネスにおいては、後がない状況を知らせ、四の五の言わせず、やる以外の選択肢がないことを示すのも、上司の役割なのです。だからこそ、懲戒免職というカードは、必ず必要なのです。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

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シンジ

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