「固定長期適合率」
第1,314回
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
今日も会計の話しです。普通の人は全く知らない話です。「固定長期適合率」を知っている人がいたら、ビックリです!
固定長期適合率とは、企業の設備投資が妥当かどうかを表すための指標で、自己資本と固定負債の合計に対する固定資産の割合を求めます。
固定長期適合率=固定資産÷(純資産+固定負債)
要するに、設備投資をした固定資産は、借りたお金と元々持っている純資産を足した金額より多くなってないか?を見る指標です。つまり、100%を上回っていると、過剰投資。もしくは投資した設備で、十分に儲かっていないということです。製造業であれば必須の指標になりますね。店舗を持つビジネスも同様です。
当然、設備投資をしたばかりの時は厳しいでしょう。ですが、耐用年数の半分を過ぎても、数字が改善しないと、お金を貸している銀行はあまり良い顔をしません。
しかも、この指標は銀行による企業の格付けの指標に入っているのです。ですから、この比率で点数を付けられているということです。その結果によっては、次の融資が降りない可能性もあるのです。
例えば、借金をして新しい工場を建設したけれど、10年経っても十分に儲かっていないと、「固定長期適合率」が高い状態になってしまう。そういう経営者が、「新たな設備を入れ替えて生産性をアップする予定です」などと言ってきても、融資は下りないのです。
例えば、トヨタは91%とかなり高めです。固定資産は工場なので不要ではありませんので仕方ないです。ということは、借金が多すぎるということです。25兆円の負債ですから、まあ多すぎますよね!自動車メーカーで優秀なのはスバルです。50%しかありません。負債は1兆円あるので、それ以上に儲けをため込んだ純資産が大きいのです。一番安定している会社です。日産も以前に工場閉鎖などをしたせいでしょうか?54%と良い数字を出しています。
JALもかなり高めの85%ですね。航空機は所有すると高額なのでリースが多いと思います。負債は9,600億円と小さいですが、何より純資産が小さい。一度経営破綻しているので、仕方ないでしょう。ANAは74%で純資産も負債もすべてJALより一回り多いですね。
日立86%とパナソニック84%はホンダ83%並みと、少し高めですが、安定していますね。ところが、ソニーは114%と固定資産に押しつぶされそうな勢いです。ソニーの特徴はP/Lは極めて良いのですが、B/S的にはいつ潰れてもおかしくないほど数値が悪いです。かなり病気が進んでいると言えるでしょう。上場しているので、株式で資金が集まりますが、この数値で中小企業なら末期癌といったところです。
飲食業ではサイゼリヤが58%と良い数字を出しています。対して、すかいらーく118%はかなりヤバいですね。調べていませんが、ファランチャイズより直営の実店舗が多いと予想できます。
ユニクロを展開しているファーストリテイリング44%は極めて良い数字です。ですが、この数値はだいたい中の上といったところだろうと思っています。ざっと調べた中で最強は任天堂の22%ですね。あらゆる財務で任天堂が最も倒産しそうにない会社です。
株を買うときにも、「固定長期適合率」を考慮して長期的視点を持ってみるのも良いと思います。色々な会社を調査してみるのも良いと思います。
そして何より、自社の「固定長期適合率」をなるべく小さくしていくことを考えましょう!100%を超えている場合は、負債が増えれば数値は小さくなりますが、それでは本末転倒です。是非、純資産を積み上げて「固定長期適合率」を下げるようにしましょう!
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
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シンジ