「他人は関係ない」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 人は往々にして、他人と自分を比較してしまう。そして、自己肯定感を消失し、自信を無くしていくのだ。

 私は学生の頃、陸上部に所属し、マラソンをしていた。小学生の頃から足が速く、水泳も出来て、頭はバカでも、体育の授業はいつも模範演技をする位に得意だった。だから、自己肯定感を満たすために、ただそれに打ち込んだ。と言っても、元々不真面目なので、あまり練習をしなかった。小さな学区ではそれでも良かったが、大会の範囲が広がるとすぐに、自分より早い者が多くいて、すぐに挫折した。
 だが、それは根本的に間違っているのだ。そもそも、私は他人と競争しているつもりだったが、自分に負けていたのだ。昨日より、いまの自分が1秒でも早くなるように、自分に向き合って努力すべきだったのだ。それが、他人に振り回され、結局続けることが出来なかったのだ。それは、私自身の弱さが原因だ。当然、当時はそのことには気づかず、ただ現実から目を背けて、逃げていた。そもそも「他人は関係ない」というのに。

 仕事では、厳しいノルマが課せられることが良くある。同僚たちと競わされ、毎月売上成績をグラフにして貼りだされ、悔しい思いをする人もいる。
 工場の夜勤をしていた時に、そのような会社で働いていた。小さな電子部品を組み立てていたのだが、良品の個数を競い合っていた。
 そうすると、不良品になった部品を再調整すれば、良品になると分かっているのに、捨ててしまった方が、早く次にかかれる。一度の入れられる機械の個数は決まっているから、不良品を捨てて、新たに機械に全数セットしたほうが早いのだ。タコ焼きの生焼けをすべて捨てて、もう一度全個数やり直すようなものだ。材料費が増えて仕方ない。でも、競っているのは良品の個数だけだ。こうなると、社内はギスギスしていく。
 まず、新人教育などしなくなる。ベテランは自分の技術や勘を後輩に伝えることはなくなり、人が頻繁に辞めるようになる。会社側は人を募集していれるが、教育がなされないから、また辞める、の繰り返しだ。当時はバブル期なので、人を募集すればすぐに来たし、材料費もジャブジャブ使っていたのだろうけれど、この会社ヤバイよなと思っていた。
 この会社も、「他人は関係ない」という基本を考えず、社内で無戦略に競わせてしまったことが良くないのだ。このやり方じゃ続かないだろうな?と思いつつ、私は会社を辞め、欧州へ旅立った。帰国した時、その会社が倒産したことを後輩から聞いたが、まったく驚きはしなかった。
 一人ひとりが、お客様の顔を想像して、良い仕事をしようとせずに、社内だけを見て数字の競争に走ってしまった。「他人は関係ない」ってことを理解していなかったのだ。
 しかも、個数や売上などを競って、なぜそれが必要なのかを説明しなかったということが、最も良くないことだ。この責任はすべて経営者にある。なぜ個数を増やすのか?なぜ売上を増やすのか?そうなるとどうなるのか?どういう状態が理想なのか?そのようなビジョンもなしに、目先の数字に惑わされると、他人と比較してしまうことになる。

 あなたの年収は、他人と比較したいものですか?それが低かった場合、あなたはどうしたいのですか?それが高かった場合、あなたはどうしたいのですか?私は全く気にしない。聞かれれば、自分の年収も答えられるし、人の年収なんて聞く気もない。
 いま自分が不足なく生きており、そこそこ楽しければ、過剰にお金も要らないし、物への執着も減らせば良いだけです。不足を嘆かず、足るを知ること。幸せの第一歩はそこにある。だから、「他人は関係ない」のですよ。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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