「人を動かす」
第1,283回
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
人は頑固な生き物だ。他人に命令されて動くことはない。説得されることもなければ、論破などされれば憎くなるだけだ。お願いをされたら、なめてかかるだけだし、他人の思うようになど動きたくない生き物だ。
しかし、人は集団を形成し、組織活動を行わなければ、自分一人ですべてを自給自足しなければならなくなる。そんな原始的な生き方では、人類の発展はあり得ないし、現状維持すらかなわないだろう。だから、「人を動かす」ことは極めて重要な仕事の一つである。
あるセールスマンの話しです。とても重要な商談がありました。相手の社長にようやく会えることになり、自社商品を買ってほしいと思っていました。しかし、その社長はとても口うるさい人で、セールスマンを撃退するのが趣味で有名でした。だから、どんな提案をしたら良いのか?セールスマンは悩みました。
商談当日、そのセールスマンはお応接室に通されると、自社の提案はせずにまずは、その素晴らしい応接室を誉めたのです。ところが社長はこう言いました。
「ふんっ!下らぬおべっかだ!今日は何をしに来たのか早く言え!」
「はい、実はうちの商品は〇〇なのですが、今日はそんな話しはしないことにしました。」
「なぜだ?お前はわしに物を売りつけに来たのではないのか?」
「いいえ、会社の命令はそうですが、今日はそんなつまらないしはしたくないと思っていました。」
「では何しにここに来たのだ?」
「はい。今日は折角〇〇様にお会いできるので、有名なコレクションの絵画を見せていただけないでしょうか?」
「何!どこの馬の骨かもわからん奴に、わしの秘蔵品を見せるわけがないだろ!」
「はい。そう言われると思っていましたので、この写真をご覧ください」
セールスマンはスマホを取り出すと、数枚の写真をスライドさせて、社長に見せました。
「ほう!たいしたレプリカじゃないか?これをどうした?」社長が言いました。
「はい。実は我が家のリビングでございます」
「なに!〇〇(画家)や〇〇(画家)もあるじゃないか!レプリカとはいえ、君すごいよ!」
「ありがとうございます。つきましては、社長所蔵の〇〇の実物を見せて頂ければ幸いでございます。以前、雑誌の記事でご購入されたのを拝読しましたので」
「良いだろう!来たまえ!地下室じゃ!」
すっかり意気投合した二人は、とても楽しい時間を過ごしました。そして社長は言うのでした。
「〇〇君。君は見所のある若者だ。また近々遊びに来なさい。そうそう、君の会社のパンフレットを置いて行ってくれ、何を買うかそれまでに決めておくよ」
こうしてこのセールスマンは、非常な太客を手に入れ会社も儲かりました。更に、友人として、この社長と絵画談義をするという栄誉を得たのでした。社長もマニアックな話しを深く話せる友人が出来て、とても喜んだのです。
ある大学教授助手が、教授の論文発表の助手をしていました。教授はある公式を間違えて発表してしまいましたが、発表内容の大枠には関係がない些細な間違えでした。ところが、気になった助手は、そのことを教授に指摘してしまいました。
「教授その公式は〇〇ではないはずですが?」
「ああ、私は言い間違えたかな?」その時は教授はそう言いましたが、後日その助手は別の部署へ飛ばされ、閑職に追いやられて、研究を続けることが出来なくなってしまいました。
相手が間違えていようが、どうであろうが?指摘するには時と場所を選ばなければなりません。自分が正しい!という自己満足を押し通すことにより、他人の自尊心を傷つけてしまっては意味がありません。
この助手は、指摘した先に何を求めていたのでしょうか?きっと何も考えていなかったのでしょう。目の前の間違いだけを見て、修正することしか考えていなかったのです。研究すべきは、人の心だったということです。
人と話すときは、その人自身のことを話題にせよ。まずは相手に興味を持ち、質問を投げかけよう。そして、その内容を深彫りしていこう。そうすると、自然と相手のことに親近感がわき、あなた達は自然と親友になれるのだ。
自己重要感(D・カーネギー著)を与えることこそ、「人を動かす」最大の方法なのである。望む結果を得るためなら、あなたは自分の下らぬプライドを捨てる必要があるのです。その先に、互いの利益があるのなら、そんなものは捨ててしまえば良いのです。
自尊心より、相手の自己重要感。経営者は常にこれを念頭に置いて言動を考慮すべきなのです。それが「人を動かす」ということです。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
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シンジ