「これからの儲け方」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
今日は簡単な会計の話しです。とても単純な内容だし、バランスシートも関係なく、損益計算(P/L)の初歩だ。4つの損益分岐点を面倒な計算式を使わずに、小学生でもわかるようにしただけだ。ただ、通常の決算書にはこのような書き方はしない。なぜなら、決算書は税金をいくら納めるか?という視点で書かれているから。税務視点と経営視点は異なるということだ。では計算機を使って確かめてみよう。
① 800円で仕入れて、1,000円で売っている商売があったとします。昨年は10,000個販売しました。売上が1,000万円で、変動費が800万円、粗利が200万円、固定費が200万円だった場合、営業利益は0円です。この会社で利益が残るように改善をします。
② 仕入先の協力メーカーに泣きつき、800円の仕入れ値を700円にしてもらいました。同じ10,000個販売が出来れば、売上は同じ1,000万円で、変動費が700万円になります。粗利が300万円、固定費が200万円だった場合、営業利益は100万円です。
③ 従業員の給与を下げて、経費をカットし、50万円のコストカットに成功した。売上は1,000万円で、変動費が800万円、粗利が200万円、固定費が150万円になるので、営業利益は50万円です。
④ がんばって販売を強化しました。25%もアップして、12,500個を販売しました。その際の残業代などは増えていないものとして計算します。売上は1,250万円で、変動費が1,000万円、粗利が250万円、固定費が200万円で、営業利益は50万円です。25%UPも販売に努力して、利益はわずか50万円です。
⑤ 売値を値上げします。10%上げて、1個1,100円にしました。売上は1,100万円で、変動費が800万円、粗利が300万円、固定費が200万円で、営業利益は100万円です。
最初の①利益「0」と比べ、②の仕入れ値を下げると、非常に効果があることが分かります。企業は外への支払いが多過ぎるってことだ。ただし、協力メーカーを泣かせては意味がない。より良い契約を結ぶなど見直す。
固定費の見直しをした③は、給与を下げてしまうので、従業員がついてこない。そこまで苦しんでも、利益はわずか50万円しかUPしない。あえてやる必要があるのか疑問。
販売をがんばる④は、25%もアップして、12,500個を販売したのに、得た利益はわずか50万円だ。売上は増えるけれど、ほとんど儲からない。忙しいだけのビジネス音痴だったということだ。
日本企業は涙ぐましい努力で、毎年コストカットをして来ました。②のように支払いを渋ってきたのです。それでも、人口が増えている間は、販売量の④が自然に増えていたため、給与も少しですが上がっていったのです。ところが、人口増加が止まったとたん、給与が増えなくなりました。次に、カットできるコストがなくなりました。あとは肉を断ち、骨を断つのみです。③の時代ですね。そこに明るい未来は見えますか?
これからの儲け方は、⑤の「値上げ」です。これ以外に中小企業に生き残る道はありません。値下げが出来るのは、コストリーダー圧倒的なシェアNO1を持っている企業のみです。それ以外の会社が値下げをすると、死を早めるだけです。
これからの儲け方は、いかに高く売るかの勝負です。いかに値上げの理由を考えるかの勝負です。どこまで値上げしてもお客様がついてくるのか?見極めが楽しみですよね。「これからの儲け方」よく考えてみましょう。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ