「接客」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 接客業は向き不向きがある。当然、訓練で変えられるが、突然は変われない。車の点検にディーラーへ行ったら、いつもの営業マンではなく、整備作業者に対応をされた。いきなり、お勧めの洗浄や部品交換などを説明された。言いたいことは分かるし、マニュアル通りに行っているのもわかる。だが、何を言っているのか?よくわからないし、説明がスムーズじゃない。こちらはイライラしながら話が終わるのを待った。私は必要なものをすぐに決めて、すぐ作業に入ってもらった。心の中で「何で現場の人間が出てくるんだよ!」と毒づいた。
 しばらくすると、同じ作業員がワイパーの取り換えが必要だってことを説明し始めた。結論から言って欲しいのだが、取り替えるべき理由をくどくどと説明を始め、断られることが前提のように話し始めたので、私は話を遮った。
「ワイパーが錆びているのは知っている。根元から全部取り替える必要があるのは分かっているから、まずいくらするのか教えてくれない?」
 その作業員は見積書を持ってきていたので、それを見せながら、またくどい話を始めた。
「ゴムの方はすでに取り換えたのですが、部品がないので今日発注して・・・」
「だから、まず値段を教えてよ!」

見積り書を見ると値段が二つ書いてある。

「この上の段が金属本体の値段でしょ?」
「ハイそうです」
「じゃあこの2段目は何?」
「明日には部品が届くと思いますので、もう一度ご足労頂いて・・・」
「だから、この値段は何の値段なんですか?」
「ああこれは、ワイパーは2個ありますので・・・」
「ああ!左右で長さが違うから値段が違うんですね?」
「ハイそうです」
「じゃあいいよ取り替えて。お金は今日払うけど、明日以降はすぐに来られないから、来週の日曜10時に着ていいですか?」
「ハイわかりました」

予定時間近くになった時に、私の担当の営業マンが来た。

「ちょっと悪いけど、あの現場作業員は接客に向いてないですよ!」
「ああ!申し訳ございません」
「相手の時間を奪うのが最も良くないって言ってるでしょ!何で向こうの説明が終わるまでこちらが待たなきゃならないの?まず、事前お見積りの内容を説明させてください。と言うべきですよね?」
「申し訳ございません」

私はワイパーの取り換えについて説明をした。

「ワイパーを取り換える必要性や、今日は出来上がらないという言い訳を言いたくて、こちらが聞いている値段について全く応えようとしない。要するに、決められた内容を話すことに集中していて、臨機応変な相手に合わせるということが出来ていないんですよ。何でこんな不向きな人を前に出したの?」

と聞くと

「現在、お客様と現場が接することで、お客様により安心してもらおうと、店長の提案で現場の人が接客を始めたところなんです」

「そのアイデアは否定しないけれど、人には向き不向きがあるのだから、きちんとロープレして、育てたうえで表に出した方が良いですよ。これじゃ、安心どころか不安になりますよ!相手の話など全く聞かず、自分の言いたいことを言っているだけじゃないですか!」
「全くその通りです。ご指摘ありがとうございます。注意しておきます」

 やれやれ、接客は想定外のことが起こりやすい。臨機応変にそういう対応が出来ないような者が前に出ると、結局は会社のイメージを壊してしまうものです。お客様の顔が見えることも大事だけれど、礼節がない人を適当に前に出せばどうなるか?まったく不愉快な思いをさせられただけですよね。
 みなさんは接客をする時に、話を傾聴していますか?質問に答えるより、自分の言いたいことを優先していませんか?折角覚えたセリフを言いたい気持ちは分かるけれど、言うことよりも、伝えることが重要です。相手に聞く姿勢がないのに、言うべきことを言ったと安心してしまうような接客は、迷惑千万。気をつけたいものですね。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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