「PDCA」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
よく、組織はPDCAサイクルを回せと言われますが、どういうことだかご存知でしょうか?「Plan」「Do」「Check」「Action」の頭文字だということは皆さんもご存知でしょう。「計画」を立てて「実行」し、「チェック」をして「次のアクション」を考える。らしいですね。では、この4つの内容は、誰がやるのでしょうか?
・「計画」は会社の未来のための仕事なので、従業員にはできません。経営者が行うことですよね。従業員と相談しても、最終的な決断は経営者ですね。
・「実行」は従業員が行えばいいことです。苦しゅうない。やってたもれ。逆に経営者が手を出すと、ろくなことがない。
・「チェック」は別の従業員がチェックすることも大事ですが、経営者が見ているよ!という状況が大事で、不正の機会を与えないためにも、経営者が行うべきです。
・「アクション」はチェック結果、どのような方針にするかを決断するので、経営者の仕事です。
なんと4分の3が経営者の仕事じゃないですか!忙しいわけですよ!これに実務の「Do」まで手を出したら、過労死です。皆さんも従業員にアピールしましょう。経営者はPDCAの4分の3仕事をしているんだから、「実務の実行」だけはよろしく頼むよって。
PDCAを回すといっても、二次元的に平面で回しては、同じところをグルグル回るだけ。要するに堂々巡りで、何の成長も発展もありません。PDCAは、立体的にらせん階段のように回していくのが正しいそうです。上手い表現を考えた人がいるものですね。つまり、最初の計画から→実行→チェックまで行き、次のアクションは、元の計画に戻るのではなく、せっかく手に入れた計画と実行の差を分析し、更に成長を目指すアクションにして、階段を昇った計画にするのだそうです。
まあ、言うのは簡単ですが、きっと皆さんもそんなことは知っていると思います。ただ、それを行うのが難しい。最初は意気揚々と始めますが、結局だんだんと先細りし、いつの間にかやらなくなる。そんなご経験があるのではないでしょうか?少なくとも私はいつもそのような結果に終わります。号令をかけて始めたはいいが、次第にやることを忘れ、号令をかけたことも忘却の彼方に。そうなると、従業員たちは「また始まったよ!言ってるだけで、どうせやらねーよ!」と、指示をテキトーに流すようになってしまいます。誠に残念ですが、そのような従業員が悪いのではありません。悪いのは経営者なのです。どうしてか?それは、「チェック」が出来ていないからです。
大抵PDCAがまわらなくなるのは、「C」にあります。計画はあくまで計画なので不正確でテキトーに進めてOKです。「A」で修正していけばいいのですから。この世に完璧な計画などないので、そこに時間をかけることは無駄です。それなのに「C」をしないで、「P」(指示)と「D」(実行)を繰り返して、PD、PDとやっているので、従業員の実行することが増えて疲弊し、「もうこの経営者の無策には付き合えない!」となってしまうのです。ですから、一番重視しなければならないのは、「いつ、誰が、どのようにチェックをするか?」を計画段階から決めておくことだと思います。そうすれば勝手に次のアクションがしたくなるものです。PDCAが回らない最大の障害は経営者によるチェックの甘さだったと、私は思います。皆さんはどう思いますか?
企業のPDCAサイクルを回すには、チェックが大事です。それでは、実際に、全部の仕事をチェックできるかっていうと、「そんなに暇じゃない」。当然ですよね。大事なのは、チェックしている振りだと思います。
例えば、「経理はお前に任せた!」ではなく、きちんと社長はチェックしているらしいぞ?と思わせなければなりません。そのためには毎月チェックしている振りが必要です。「預金残高が先月より何で減っているの?売掛金の回収漏れはない?」「借入金の返済回数は残り何回になった?」と知っていてもあからさまに聞くのです。そう言われた経理担当は汗をぬぐいながら、回答するでしょう。それが不正会計の「抑止」というチェックにつながるのです。印鑑もメクラで押すのではなく、内容を読んでいる振りをして、少しわかりやすい質問をするのです。そうすると、担当者は「社長はきちんと見ているかもしれない」そう思うことで、不正や手抜きができなくなるのです。
お客様へ提出する商品やサービスも1点ずつ経営者がチェックなどできません。ただ、チェックしているぞ!ってパフォーマンスだけでも必要です。例えば、すでに管理職がチェックしている仕事を、「この納入個数は何個だっけ?」「納期は明日だったよな?」と分かりきっていることを口に出して確認すると、「やべ!社長ちゃんと見てるよ!気抜けねーなー」と、ちょいと緊張感が走ります。
ですが、わざと個数を間違えて従業員が引っかかるかどうか試したら、良い意味での緊張感は二度と得られず、従業員との化かしあいになってしまいます。もしくは、抜き打ちでチェックをするのも、社内が暗くなるだけなのでやらないほうが良いです。つまり、経営者によるチェックはフィードバックがないことが前提で、従業員の仕事が正しいことが前提のチェックになるのです。そんなバカな!と思われると思いますが、上に立つ者のチェックとは、そういうものだと思います。それなのに、間違いがあった場合は、責任は経営者にあるのです。経営最高責任者CEOである上に、「だって社長もチェックしたよね?」と従業員には言うことができるのです。この時に、決して従業員を叱ってはなりません。まずは、お客様にどう対応するかが一番重要です。
経営者がチェックをしていれば、社内で犯人探しなども行われず、お客様への対応という、重要な失敗のフォローに従業員の目を向けられるからです。経営者は、そのうえで、次に失敗しないためにはどうするかを従業員と話し合い、次の方針(Action)を決めて指示するのです。そして、それをまたチェックする。それの繰り返しが、PDCAを回すことだと思います。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ