「日本株」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
日経平均はこれを書いている10日の前日終値で2万8,214円だ。ニューヨーク・ダウは3万2,151ドル、現在のレートで1ドル143円として換算すると、459万7,593円だ。実に163倍もの開きがあることが分かる。なにも円安だけが関係しているわけではない。20年も前からこの状況は変わらない。少しずつ水をあけられてきたわけだ。
ではドイツのDAXを見ると、1万3,088ユーロだ。現在のレートで1ユーロ143円として換算すると、187万1,584円だ。こちらも実に66倍もの開きがあると分かる。いかに「日本株」が安いかが分かると思う。
株価が安いということは、どういうことなのか?日本企業の価値が低いということだ。発行済株式数×株価を時価総額と言って、企業価値の算出に使う。実際にその金額プラスアルファでの売買となるのだ。TOBなどで公開買い付けになるのは、分散されている株主から、現在の価格よりも高くするので買い取ります。というアピールなのだ。
では、なぜ日本株が安いのか?所説あるけれど、私見では最低売買株単位が大き過ぎることだと思っている。単元株式数と言って、1票の議決権を得る株式数を会社がそれぞれ決めることが出来る。その単元株式数は、株主に株を売却する時の最低株式数のことだ。
日本の多くの会社は1,000株で一口。つまり議決権の1票を得る単元株式数にしている。例えば、株価が100円の会社であれば、1,000株からしか購入できないので、1,000株買うとしたら、10万円必要になるのだ。株価が1,000円を超えれば、取引最低額は100万円を超えてしまう。庶民に投資が遠い世界であった理由だ。このように、投資をするには100万円単位の余剰金がなければ出来ない。そのような環境が、国民の投資を妨げていたと思う。そのため、個人マネーが集まらず、日本の株価は低迷を続けたのだと思っている。
現在は、東京証券取引所では、最低売買株単位の取引最高額を、20万円を下回るように指示している。しかし、守られていないのが現状だ。
例えば、トヨタ自動車は単元株式数を100株にしているが、前日の終値で2,078円なので、1口買うのに、20万7,800円かかることになる。実際には10株単位にしなければならないわけだ。
他には、「すき屋」を展開するゼンショーホールディングスの単元株式数は、100株だ。株価は3,525円だから、こちらもアウトだ。
他には、ユニクロを展開しているファーストリテイリングの単元株式数は、100株だ。ところが株価は、83,280円だから、1口買うのになんと、832万8,000円必要なのだ!これでは一個人が買うことは到底できない。このレベルだと1株単位で買えなければならないわけだ。
つまり、企業側は議決権を得る株主が増えることを嫌っているわけだ。それは、昭和の時代に「総会屋」と言われた株主総会荒らしがいたことから、このような習慣が残っているのだと思う。しかし、もう時代にも合わないのだから、1株単位にすべきだと私は思う。
例えば、アメリカのアップルやテスラなどは当然1株単位で買えるので、個人が気軽に購入できるのだ。だから、欧米人は誰もが銀行預金をせずに、投資をしている。
利息の付かない銀行預金をせっせとしているのは、日本人だけだ。確かに、バブル崩壊までの1997年までなら、それも良かったのだが、もう20年以上も前の話だ。時代が変われば、やり方も変えなければならない。成功体験からの脱却が出来ないと、人も会社も生き残れないわけだ。私の好きなダーウィンの言葉で締めよう。
「最も強い種が生き残るわけではない。最も賢い種が生き残るわけではない。最も環境に適応した種が生き残るのだ」
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ