「冷静の美徳」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
山にのぼってガスに包まれて、どちらに行ってよいのやらわからなくなったときは、まず立ちどまり休息し、場合によっては穴を見つけてそこにこもって、体力の消耗を防ぎつつジッとガスの晴れるのを待てという。
そう言われているからそうしようと思うのだが、やっぱりウロウロして傷だらけになって、気力も衰え体力も衰えて、ついには倒れてしまう。
不安だからである。ジッとしているのが何とも不安でたまらない。冷静を失った心には、次々と悪い考えばかりが浮かんできて、ジッとしていたらそのまま死んでしまうような不安にかられる。そのうちに幻想のとりこになって、聞こえもしない音が聞こえ、ありもしない道が見えてきたりする。
「冷静ほど大事なことはないのである」
人間についての美徳がいろいろ言われるけれど、冷静もまた大切な美徳である。とくにこんにちのような乱れた世相になってきたら、これが人間の第一番の美徳として強く求められてくる。お互いにこの徳を、どこまでも高めることができるか。大事な時である。
松下幸之助さんの「道をひらく」より抜粋しました。短い中に強い力が込められた文章だと思います。ここから読み取れることは、人は「思考」こそが重要であり、「感情」に流されてはいけない、ということではないでしょうか。
トイレットペーパーがなくなるらしい?という情報から心配だという「感情」が優先され、事実ではない情報に踊らされた結果、本当にトイレットペーパーがなくなってしまった。これは、「意見」という不確定情報が「事実」に差し替わった例ですね。どこに事実があるかを考えず、感情的になり疲弊して、遭難した後に怪我をする、悪くすると死んでしまうのは、冷静に考える力がなかったからだと、松下幸之助さんは言っているのだと思います。
ビジネスにおいても同様ではないでしょうか?「どこそこの会社が不渡りを出したって!」「それじゃ、取引停止だ!貸倒れになってしまう!」
確かにお金の回収ができなくなるのは大変な事態です。ですが、その情報が正しいかどうかをまず考えたいところです。自分に余裕があれば、お金を回収することよりも、今までの付き合いを鑑みて、ギリギリまで待ってあげよう、自分も同じ立場になったら、誰にでも泣いてすがりつくに違いない。そう冷静に考えることもできるはずです。
パニックになると人は思考が停止してしまいます。冷静さを保って、思考を止めないようにしたいものですね。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ