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身長を伸ばす科学的な方法とは?

みなさん、こんにちは~!
数ある記事の中から、ご覧いただきありがとうございます!新薬開発/薬剤師のからすまです。今日は「身長を伸ばす科学的な方法」について解説します!
<世界の平均身長>
下記は各国の19歳男女の平均身長が一覧になったものです。日本は121位で「男性が172.1cm、女性が158.5cm」です。身長の伸びに影響する因子は、①遺伝②栄養状態③ホルモン④気候など色々知られています。アフリカや東南アジアなどの発展途上国は、平均身長が低く、これは満足いく栄養を食事から摂取できていない可能性が考えられます。実際に、高度成長期以降、日本の平均身長は大きく伸びました。これは、食の欧米化(肉や乳製品)、洋風化(畳より椅子に腰かける習慣がついた)等が要因として考えられます。現在は、中国や韓国にて、平均身長が伸びてきています。

<成長ホルモンと身長>
成長ホルモンは、脳の視床下部から脳下垂体前葉に指示が送られ分泌されます。①成長作用と②代謝の作用があります。この①の成長作用こそ、筋肉の成長や骨の伸長作用があるのです。

成長ホルモンは、大人でも分泌されています。では、何故大人になってからは、身長は伸びないのでしょうか?それは、骨の末端にある「骨端線」が大人ではなくなっているためです。(骨端線閉鎖といいます) 成長ホルモンは骨芽細胞を増殖させますが、骨端線にはこの骨芽細胞が沢山存在しています。

<牛乳で身長が伸びるのか?>
「骨の成分はカルシウムであるため、カルシウムを多く含んでいる牛乳を飲むことは、身長を伸ばすことによい。」と昔からよく言われます。もちろん、カルシウムも重要ですが、最も重要な栄養素は、タンパク質です。先述の通り、高度経済成長期、日本は食の欧米化が進み、「動物性たんぱく質」を多く摂取するようになり、平均身長を伸ばす一つの要因となりました。タンパク質は、骨の材料となりますし、成長ホルモンの分泌にも必要です。

<身長を伸ばす効率の良いよう法>
色んなサイトや参考書を拝見し、下記方法を提案させて頂きます。
①    質の良い十分な睡眠をとる。
成長ホルモンは日内変動があり、睡眠中に沢山分泌されます。よく「寝る子は育つ」と言いますが、それは科学的にも理にかなっています。
②    立っている時間やジャンプする回数を増やす。
骨は、「縦方向の負荷→休息→成長」というサイクルで伸長します。姿勢よく座る事や、バスケやバレーボールのようなジャンプが良く発生する競技などが良いかもしれません。私の友人では、ストレッチで関節を伸したりしている方もいました。
③    十分な栄養を確保する。(タンパク質やカルシウムなど)
食事から得られる栄養は非常に重要です。身長の観点からは、特に動物性たんぱく質とカルシウムです。両方を効率よく摂取できるのは、やはり牛乳かもしれません。苦手な方は、マルチビタミン系のサプリメントでもいいと思います。逆に、糖質オフ/カロリーオフといった栄養素を削ったダイエットは、身長を伸ばすことには逆効果と言えます。
<成長ホルモン分泌不全症AGHD>
サッカー選手のリオネル・メッシがこの病気を患っていることで有名ですが、AGHDは、成長ホルモンが十分に分泌されず、成長や代謝に影響が出る病気です。治療は、人工の成長ホルモンを体外から皮下注射する治療薬が承認されています。では、大人の方で成長ホルモン製剤を投与すると、身長は伸びるのでしょうか?答えはNoです。理由は、大人ではもう骨端線が閉鎖してしまっているので、成長ホルモン製剤を投与しても、もう伸長が伸びることは期待できません。

本日は以上となります。お忙しいところ、ご覧頂きありがとうございました! 
からすま

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