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モノづくりの力で、モノづくりの国を一番に。
はじめに
こんにちは、コーディング試験サービスを提供している、株式会社ハイヤールー代表の葛岡(@kkosukeee)です。本記事は、2024年11月19日に開催された、Startup CTO of the year 2024の登壇内容をところどころ補足しながら記事に起こし、本番では伝えきれなかった思いを執筆したいと思います。本記事を通して少しでも弊社のミッション、目指している世界観が多くの人に届けられますと幸いです。
登壇背景
弊社はミッションに ”日本をもう一度、『モノづくり』で一番へ。” を掲げています。現代においての『モノづくり』はソフトウェアエンジニアリングであり、世界を見るとビッグテック企業が業界を独占していますが、日本はかつて製造業というモノづくりを通して一番になった国です。
日本は製造業においても、二周目で世界一になりました。例えば自動車産業ですが、フォード、シボレー等の米国メーカーが産業を独占していた中、日本企業の高品質低価格での製造技術によって、今ではTOYOTAやNISSAN等の日本メーカーが産業を牽引しています。
今では世界と大差をつけられましたが、私はソフトウェア産業においても日本が二周目で一番になるチャンスは大いにあると考えています。仮に一周目はビッグテックが率いる米国が独占しても、二周目は日本企業が産業を牽引する可能性があるということです。
代表の私自身、エンジニアとしてモノづくりの現場でキャリアを積んできました。私は心からこの職を愛しています。そしてこの職を通して少しでも日本経済に貢献できれば良いという思いで、エンジニアリング力の底上げをするべく会社を作りました。そんな我々の思いが少しでも多くの人に届けたいという思いがあり、本イベントはまさに直球ド真ん中ストライクだったため、即応募することを決めました。
ピッチの内容
ミッション
弊社は ”日本をもう一度、『モノづくり』で一番へ。” をミッションに掲げている設立約4年のスタートアップです。創業メンバーは全員エンジニアで、2024年11月現在、社員数は約15名程です。ここで指す「モノづくり」はソフトウェアエンジニアリングのことであり、かつて製造業で一番になった日本を、ソフトウェアエンジニアでもう一度一番にするという思いが込められています。
会社設立背景
会社を起こすきっかけとなったのは、私自身のバックグラウンドでした。私自身決して誇らしい学歴ではないですが、最終学歴は中卒です。中学卒業後、世界一周の旅を終え、エンジニアを志し独学で英語・数学・コンピューターサイエンスを全て独学しました。自分は極端に自身を追い込める性格なので、この時期は勉強を詰め込み過ぎてメンタルを崩して心療内科に通うほど死に物狂いで勉強をしました。高校から大学までの7年間のギャップを埋めるためにはそれほど詰め込んで勉強をする必要がありました。
ようやく自分でモノも作れるようになったと感じたタイミングでiOSアプリをリリース、これで手に職だと思い就職活動を始めました。ですが現実は応募要件にはエンジニア経験年数や、大学以上の資格を求める企業ばかり。応募以前に、学歴フィルタにより応募する資格がないという現実に直面しました。
絶望的になっている傍ら、あるスタートアップ企業からスカウトをいただき話を聞くことになりました。面接には書類等の提出は一切なく、何が出来るかを自分の作ったアプリを下にカフェでお話しました。その後数回面接を実施し、無事入社が決定しました。
このスタートアップ企業の勇気ある意思決定に私の人生は救われました。私がこれまで何をしてきたかではなく、何が出来るかを評価してくれたのです。ですが、現実は学歴や職歴によってフィルタがかけられてしまい、日の目を見ない才能が多くあるのが現状です。この現実を変えたいという思いで始めたのが株式会社ハイヤールーでした。
エンジニア採用プロセスの課題
学歴・職歴といったバイアスによって評価されてしまう問題の根幹にあるのは国内のエンジニア採用プロセスです。エンジニア職は専門職であり、職務内容は一般職とは大きく異なります。その一方、まだまだ採用方法は科学されておらず、一般職同様、応募時に書類を提出し、その後数回の面接を実施し採用するケースが国内では多く見られます。
そして多くの候補者が入口の書類選考、もしくは私のようにそれ以前に応募要件を満たしていないという点でフィルタがかけられてしまい機会を失っているのが現状です。私はこれに対して、企業が本当に見るべきポイントは学歴・職歴ではなく、スキルと考えます。ですが現状の採用方法ではそれが実現できません。
そこで海外企業のエンジニア採用プロセスを見てみます。ビッグテックを代表とする米国のテック企業の選考プロセスでは、まずはじめにコーディング試験を行い、その後現地に訪問し丸一日コーディング試験といった、スキル中心のプロセスを実施している事がわかります。
このプロセスでは書類が占める情報の重要度は国内程高くなく、実際に書類のプロセスにおいても提出は最後に求められ、その後コーディング試験の結果等をまとめ採用の意思決定がくだされます。実際に私もGoogleとFacebook(現Meta)の選考を受け現地に訪問した際は圧倒されました。
国内ではそもそも受ける資格がない、一方ビッグテックは自分でも受けられた、このギャップはなんだ?と自問自答しながら課題感を更に調べる中、日本企業でも海外企業でもエンジニア採用において重要視している点は技術力とコミュニケーション能力であることがわかります。ですが国内企業の多くは学歴・職歴といったバイアスによって採用をしてしまい、結果ミスマッチが生じていることのが現実です。
このミスマッチですが、弊社調べではエンジニアを採用する企業の8割以上が経験しており、一件あたりにかかるコストは500万円-700万円にものぼることがわかっています。
採用ミスマッチ、経験したことある人はわかると思いますが、採用する側もされる側も誰も得しませんよね。まさに社会の損失だと考えています。このミスマッチの問題をまずは解決したいという思いで始めたのが、ビッグテック水準の採用を誰でも簡単に行える、コーディング試験サービスのHireRoo(ハイヤールー)なのです。
HireRooの紹介
HireRooでは一次選考の足切りから二次選考の見極めまでが全て一気通貫で行えます。足切りとしてのアルゴリズム課題や、実務システムを開発する実践課題、更にシステム設計を行う設計課題まで、様々な観点で候補者を評価することができます。
また、オンラインテストならではの不正検知に関しても、弊社独自の特許技術を駆使して高い確率で検知します。その他成果物に至るまでの過程や、Google/ChatGPTの履歴も全て後から参照が可能です。
ライブコーディング機能を使うと、一次選考の足切りでは評価が難しい、思考プロセスや、コミュニケーション能力といった、ソフト面のスキル評価が可能となります。一次選考の足切りでコーディング力等のスキル面を、二次選考のライブコーディングソフト面を評価し、徹底的にミスマッチを防ぎます。
なぜ実現できるのか?
このような難しいプロダクトを形に出来るのは、我々自身がエンジニアとして高いドメイン知識を持ち、かつ高い技術を持ち合わせているためです。例えばプロダクトデモにある、オンラインIDEや、システム設計の描画ツール。これらは全て弊社が独自で一から開発したものとなっています。
これらの開発は非常に難易度の高い開発となっていましたが、弊社の何より原理原則を遵守するカルチャーと、必要であればツールを使うだけでなく、作る姿勢の徹底により、これらが実現できました。これにより、受験時の候補者の細かなシグナルを拾うことが可能となり、より高精度なスコアリングを実現しています。
また弊社ではAim Highというバリューがあり、プロダクトチームの姿勢として、圧倒的なプロダクトを作るという志のもと、日々仕事に取り組んでいます。顧客に価値を届けることが出来るのであれば、難易度の高い技術開発に腰を据えて挑戦できるというの弊社の高い技術力を実現している背景の一つです。
開発組織の生産性
その他、弊社では技術コミュニティーへの貢献や、技術発信に関しても積極的です。過去にはアドベントカレンダーの実施や、数百名規模の勉強会を何度も開催してきました。
そしてこの難易度の高いプロダクトの開発、技術コミュニティーへの貢献、これらなんと全てたった5人の少数精鋭のエンジニアで行ってきました。この高い組織の生産性の裏側を支えるのが、弊社自慢の開発基盤のzoo(ズー)です。この基盤によって、コードは全てモノリポで管理されており、開発・検証・リリースまでが全てCI/CDによって自動化されています。
また弊社では、設立当初からマイクロサービスアーキテクチャを採用しています。この背景にあるのは、開発者自信が技術選定や、機能開発における細かな独立した意思決定を行うことが目的です。初期フェーズではシステムが組織より大きい状態である一方、中長期的に良い意思決定になると判断しました。
このようにして、開発から技術コミュニティー貢献に至るまで、高い生産性を実現し、顧客に最速最短で価値を提供しています。
これまでとこれから
このソリューションですが、ご好評いただいており、スタートアップ・メガベンチャー中心に約150社程の企業に導入いただいております。サービスを開始した2022年から2年強、多くの企業様のエンジニア採用において活用されてきました。
またビジネスとしてもMRR、選考数いずれも右肩上がりで推移しており、2年前の前調達時と比較するといずれも8.6倍、17.6倍の成長となっています。
今後の展望としては、コーディング試験のみならず、エンジニア採用の深刻な課題の一つである人材不足の課題を解決します。課題解決のアプローチとして、採用が寡占している実績のあるエンジニアを対象とするのではなく、コーディング試験で培ったスキル可視化をもとに、隠れた才能を発掘し企業の採用に繋げるソリューションを来年の3月にリリース予定しています。
このソリューションを通して、学歴や職歴を前提とした採用ではなく、スキル中心の採用を実現し、私のような学歴・職歴のないエンジニアに輝く機会を与えることが出来ると私は信じています。
このようにして、スキル可視化を軸に選考プロセスから、母集団形成、そしてその先には社内人材評価や教育・育成へとソリューションを展開していくことで、エンジニアの『正当』な評価を実現し。モノづくりの国日本をもう一度、モノづくりで一番にします。
ミッションに隠された思い
これまで、我々のモノづくりを通してどのようにミッションを達成するかに関してを説明しましたが、実は弊社のミッションにはもう一つのミッションがあります。もう一つのミッションとは、エンジニア起業家をもっともっと増やしたいという、代表の私自身の強い思いです。
私は日本からグローバルテックが生まれるためには、プロダクトこそが真の差別化要素と考える、プロダクトバックグラウンドのある、エンジニア出身の経営者がもっと身近に増えるべきだと考えています。各地でセールス部隊を立ち上げてローカライズするのは大変ですが、圧倒的なプロダクトを作ることが出来れば国境は用意に越えます。ビッグテック企業のプロダクトはそのようにして世界に浸透しました。
また背景として、国外のビッグテック企業には、コンピューターサイエンス専攻の、いわゆるモノづくりバックグラウンドが多い経営者が多いのも偶然ではありません。その一方、国内企業の創業者のバックグラウンドにおいては、まだまだエンジニア出身は稀です。私自信、エンジニア出身の起業家として、ここに強い課題意識を感じています。
これまでにもある通り、我々ハイヤールーは根っからのモノづくり集団です。私はメルカリが大成功し、その轍をたどり日本でもスタートアップブームが加速したのと同様に、エンジニア出身の作った会社が大成功することで、轍を作り、その轍をたどりエンジニア出身の起業家がもっともっと増えると考えます。そしてその轍を作るのは、モノづくりの集団である我々ハイヤールーです。
そしてその先には、エンジニアにとって、転職同じくらい、『起業』という選択肢が身近になる未来があると私は信じています。その更に先には、かつてモノづくりで一番になったこの国日本が、もう一度モノづくりで一番になる未来があると私は心の底から信じています。そんな未来の第一歩を歩むため、ハイヤールーは日々挑戦を続けています。
伝えたかったこと
我々は”日本をもう一度、『モノづくり』で一番へ。”という壮大なミッションを掲げています。そして本気でその壮大なミッションを達成できると考えています。本イベントを通してより多くの人にメッセージを届け、我々の大胆な挑戦を応援いただきたいその思いで当日は全力でピッチを行いました。
本ピッチを通して伝えたかったことは、第一にエンジニアという職は素晴らしい職であり、無限の可能性を秘めているということ、そしてその無限の可能性が日の目を見ないことがあまりにも多いということです。これは社会の損失であり、モノづくりの可能性を過小評価しているということに値します。まず私はこれを変えたい、そうして日本と世界の差を少しでも埋めたいと考えています。
第二に、その無限の可能性は企業内に収まらないということです。素晴らしいアイデアと少しの勇気があれば起業は出来ます。本イベントのテーマである「沸騰」するほどの熱量がないと乗り越えられない壁はいくつもあります。ですが仮に失敗したって誰かに笑われるわけでもないし、人生かけて費やした時間は生涯の財産になります。そしてなにより、大人になってそこまで本気になれるコトがあるだけでも素敵じゃないですか?スタートアップは大人の青春なんです。これが本ピッチで伝えたかったことです。
さいごに
ピッチの結果は残念ながら自分の力不足で優勝はできませんでした。ですが自分としてはピッチに至るまでの過程で、ボードメンバーからのフィードバック、一緒にピッチを作り上げた谷合からのアドバイス、そしてなにより、フルリモートで全国各地から会場に集まってくれた社員のみんなが私のピッチに魂を乗せてくれ、弊社のバリューの1つである「Pull Together」を体現できた数日間でした。
ハイヤールーは現在設立約4年の会社です。事業フェーズも一つ前に進み、採用は全方位積極採用中です。コーディング試験事業はもちろんですが、今回も簡単に紹介した新規事業の立ち上げメンバーも積極募集中です。もし本記事を読んでいただき少しでも事業、会社に興味を持っていただけましたら以下の募集一覧より応募、または私のX宛(@kkosukeee)にDMいただけますと適宜返信させていただきます。
https://herp.careers/v1/hirerooo