ホークス 有原航平 獲得の感想
とんでもないお年玉をまだまだ用意していました。
1/6深夜、ホークスは元TEX傘下3Aラウンドロックの有原航平投手と3年約15億円の契約合意に至ったと報道がありました。
昨年11月にFAとなって以降、ホークスと阪神などが獲得に名乗り出ていましたが、ホークスが争奪戦を制した形となりました。
2020年オフにポスティングシステムを利用し、レンジャーズと2年620万ドルの契約でMLB挑戦した有原でしたが1年目からメジャーへの適応と肩の動脈瘤という珍しい疾患にも悩まされ、わずか10試合の登板に終わると同年9月には早くもDFA。今季は開幕マイナーで迎えると8月にメジャー昇格、8/22に勝利を挙げるも9/10のTOR戦で4回途中11失点と大炎上すると翌日に2度目のDFAに。
2年間でメジャーでの登板はわずか15試合にとどまり、防御率は7点代と悲惨な結果に終わっていました。
米球界残留かNPBの復帰か去就が注目されていましたが、日本に戻る選択をとりました。
ホークスの先発事情
昨シーズンのホークスは13人の投手が先発を経験しました。
中心だったのは
選手名 先発数 イニング 勝敗 防御率
東浜巨 23先発 136回 10-6 3.11
石川柊太 23先発 136.1回 7-10 3.37
千賀滉大 22先発 144回 11-6 1.94
大関友久 15先発 100.1回 11-6 2.93
C.レイ 16先発 100回 5-6 3.96
和田毅 16先発 81回 7-4 2.78
この他、武田翔太、杉山一樹らが前半戦を、シーズン終盤には板東湧悟、奥村政捻が先発として起用されていました。ここからチーム最多のイニング数を稼いだ千賀滉大、途中からリリーフ起用だったものの100イニングを稼いだレイが退団。先発で好投していた武田翔太、奥村政捻がケガで離脱と先発陣は2023ウィークポイントの1つでした(当社比)。
オフの契約更改時には中継ぎの藤井皓哉、森唯斗、椎野新が先発転向に意欲を見せていました。
現有戦力でローテ有力なのは
東浜巨、石川柊太、大関友久、板東湧悟の4枠でしょう。
ベテランの和田もローテーション候補ではありますが、年々イニングを稼げなくなってきており、年間通しての活躍を求めるのは酷な話。
残り1,2枠を適性が未知数な先発転向組の3人と新加入のガンケルで争うものだと思っていましたが(ここでもファンはお腹いっぱい)、実績のある有原が参戦したことにより一気に競争は激化の様相を呈しています。
有原の現状は?
有原は2021年こそ前述のケガと手術の影響でMLBで40.2回、マイナーでも11.2回しか投げることはできませんでしたが、2022年はMLBで20回、マイナーで74回と2021年比でイニング自体は投げれているようで、ケガの影響はないのかもしれません。
不安材料
有原の不安材料は大きく2つ。
出力不足と本拠地とのミスマッチが考えられます。
出力不足
有原のストレートの平均球速は92.0マイル(約148キロ)、スピン量もNPBのストレートの平均が2200回と言われている中で、有原もNPBの平均程度しかありませんでした。
有原の速球系の指標はMLBではスピード、回転数ともに平均以下であり、MLBレベルで通用しなかった原因である可能性が高いと思われます。NPBにおいても近年は出力の重要性がフォーカスされており、平均程度の出力しか出せない有原がNPBでも圧倒的なパフォーマンスを残せるのかは疑問符のつくところです。
本拠地とのミスマッチ
有原の不安材料のもう一つが被弾率の高さです。
有原の1試合あたりの被本塁打率が2021年は2.31、2022年は1.22ででした。
昨年のMLBの平均が1.1だったので昨年はかなり良化していますが、それでも打球角度の指標である被バレル率はMLB平均の6.7を大きく上回る10.0(2021年は13.9)と被弾、長打を打たれるリスクは高い投手と思われます。
NPB時代も2017年にリーグ最多の21本を献上しており、テラス席のある本拠地PayPayドームとの相性は良くないかもしれないのかもしれません。
ちなみに2021シーズンの有原は4-seamの投球割合が全体の3割を占めており、旧種別の被弾数も最多の4本でした。皆さんもご存知の通りホークスの聖正捕手である甲斐拓也はストゴリストレート偏重のリードをとる傾向があり、単調になった場合は恐ろしいこと結果となる可能性があります。
有原に期待すること
欲を言えば2016,2019年並みの活躍をしてほしいですが、まずは年間安定してイニングを消化することを期待しています。平たく言えばイニングイーターですね。(イニングイーターに年平均5億?)
健康体であれば年間150イニングは稼げる投手であり、昨年も酷使した上に複数人の先発転向組がいる中継ぎ陣への負担を減らす活躍が最低ラインとなるでしょう。
具体的には先発として20試合以上の登板&150イニング以上
防御率は2点代を期待したいですが、実際問題3点代半ばくらいに落ち着くと予想します。
来季のホークスの守備陣は順当に行けば内野が中村晃、三森、栗原、今宮、外野は近藤、牧原、柳田と平均以上の守備力は有している可能性が高いため、以下に課題である被弾数を減らすかが重要になってくるかと。こればかりは聖捕手ホークスバッテリーの課題のため、チーム内での対策が重要です。
最後に
有原の獲得を持って一連の大型補強のクライマックスな感じはしています。
打線の核となる強打者
先発投手
絶対的なクローザー
足りなかった捕手のデプス
投じた額には賛否両論あるかもしれませんが補強ポイントは決して間違っていませんし、球団の本気度も伺えます。編成側としてはやることはやったという感じでしょう。
あとは選手がどれだけやれるか、首脳陣の手腕次第といったところ
それでは次の更新にて。
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