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不動産投資におけるアセットタイプを理解しよう(その7:ヘルスケア施設)

不動産のアセットタイプに関する解説の第7回です。
 
投資対象となる不動産には様々なタイプがあります。
今回はヘルスケア施設(老人ホームなど)についてです。

なお、ここで説明する対象はプロ投資家や不動産が投資対象とする不動産です。実需で売買される戸建や分譲マンションではありません。
レジデンス、オフィスビル、商業施設、物流施設、事業用不動産などの区分で説明しています。

7.ヘルスケア施設の特徴


 ヘルスケア施設は高齢者が入居する老人ホームのような施設です。
人口減少過程にある日本において、介護ビジネスは数少ない成長産業です。
 
老人ホームはレジデンスと異なり入居者に対する介護サービスの提供が必要になるため、介護事業者が運営しています。
貸したら終わりというものではありません。そういう意味では、ホテルと似ています。
 
入居者は長期間の入居を前提としています。入居時の入居保証金、毎月の入居費が発生します。
 
入居者に対する介護サービスの提供が必要となるヘルスケア施設なので、専門でない不動産所有者では運営できません。
ヘルスケア施設の所有者はオペレータ(介護事業者)に物件を一括賃貸して賃料収入を受領します。ホテルと同じです。
ただし、ホテルと違って入居者の季節変動はありません。賃料は固定賃料です。
 
ヘルスケア施設の一般的なオペレータは介護事業者(ニチイ学館、SOMPOケア、ベネッセスタイルケアなど)です。
 
オペレータは自己資金でヘルスケア施設を取得しなくても介護サービスを提供できるため、物件を借りるニーズが高いのです。
物件所有者は賃貸借契約の期間が長く、賃借人がオペレータ(介護事業者)なので、賃料が長期安定するというメリットがあります。ただし、介護事業者は小規模な企業が多く、オペレータとしての信用力に留意が必要です。
 
ヘルスケア施設投資のメリット・デメリットは以下のようになります。
 

ヘルスケア施設投資のメリット
 
・全国どこでも建設できる
・賃貸借契約の期間が長期
・優良な介護事業者に対して貸し出すことができれば賃料収入が安定する
  

ヘルスケア施設投資のデメリット
 
・介護事業者の人員不足により新規の施設運営が難しい
・信用力の低い介護事業者が多い

<その8に続く>

<前回記事はこちら>


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【金融マンのための不動産ファイナンス講座】

【金融マンのための実践ファイナンス講座】


【図解 不動産ファイナンスのしくみ】

 

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