日銀の大規模緩和解除の次はエグジット(EXIT)
日銀の政策決定会合で大規模金融緩和政策の見直しが発表されました。
修正内容は①マイナス金利の解除、②YCCの終了、③資産購入の停止です。
株式市場、債券市場では既に織り込み済みでサプライズはありません。
①マイナス金利は0%にするだけなので、特にインパクトはありません。②のYCCの修正も大して長期金利の上昇はないでしょう。個人的には米国債くらいまで上がってくれれば嬉しいのですが、それはありません。
個人的に気になるのは③資産購入の停止です。
日銀が購入していた資産は主に国債、ETF、J-REITです。このうち、ETFとJ-REITへの影響は気にした方がいいでしょう。
日銀は金融緩和政策で肥大化したバランスシートを縮小する必要があります。いわゆる、日銀エグジットです。
パンデミック前に日銀はエグジットに入ると思われていたところ、パンデミックで更にバランスシートを膨らませました。
そろそろ本格的にエグジットを意識する時期にきたのだと思います。
日銀が保有する資産のうち国債は満期がありますから、満期に償還されます。何もしなくても時間が経てばエグジットできます。他の先進諸国の中央銀行も満期償還によってエグジットしています。
一方、日銀は他の中央銀行とは資産購入のスタンスが異なり、ETFとJ-REITを購入しました。ETFとJ-REITは満期がありません。なので、市場売却によって日銀はエグジットする必要があります。
現在、日銀は東証プライムと上場REITの約5%を保有する大株主です。
日銀エグジットによってETFとJ-REITを売却すれば、株価に大きなインパクトを与えます。
好調な株式市場にどれだけ日銀エグジットが水を差すか……今後注目していきたいと思います。
日銀の大規模金融緩和政策の解除の次は、エグジットが焦点になってくると思います。