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路線価の上昇率一位は白馬村! ところで、路線価って何?

2024年7月1日、国税庁から全国の路線価(相続税路線価)が公表されました。
昨年比の全国平均は2.3%上昇しています。

路線価が全国で最も高いのは、39年連続で東京 銀座5丁目の『銀座中央通り』です。1平方メートルあたり4,424万円、上昇率は3.6%でした。

上昇率のトップ3は以下の通りです。

【上昇率ランキング】
・1位:長野県白馬村 32.1%
・2位:熊本県菊陽町 24.0%
・3位:大阪市西区  19.3%

第1位はインバウンドで好調な白馬です。外国人向けの高級ホテルの建設ラッシュがおきています。バブル崩壊から早30年。白馬はうまく持ち直しましたね。

第2位はTSMCが工場を建設した熊本菊陽です。元々、地価が安かったのもありますが、専業半導体ファンドリー1社でここまで威力があるのはすごいですね。

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さて、報道では「路線価」と使っていますが、実は路線価は2種類あります。相続税における相続税路線価、固定資産税路線価です。
さらに、混乱しやすいのが似たような価格があることです。
例えば、土地価格には公示地価、基準地価、路線価(相続税路線価、固定資産税路線価)があります。

公示地価とは地価公示法に基づく土地の価格です。
公示地価と基準地価は土地売買の目安として公表されているものなので似ています。路線価は税金を計算するための価格です。
 
ここでは、公示価格と路線価を比較して説明しましょう。
 
土地を例にすると、地価公示による公示価格、相続税における相続税路線価、固定資産税路線価があります。

公示価格とは地価公示の価格(土地売買の目安)です。

次に、相続税路線価と固定資産税路線価は、税金の計算に使う価格です。
具体的には、相続税路線価で求める相続税評価額を使って、相続税や贈与税を計算します。
固定資産税路線価で求める固定資産税評価額を使って、固定資産税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税を計算します。
なお、相続税路線価は公示価格の80%程度、固定資産税路線価は公示価格の70%程度です。
相続税路線価は毎年更新されます。固定資産税路線価は3年に1度しか更新されません。

なお、路線価の対象は土地なので、土地+建物の相続税評価額を計算する際には、『土地の相続税路線価』+『建物の固定資産税評価額』で計算します。

公示価格(地価)と路線価の関係を図示すると図表1のようなイメージです。

【図表1:公示価格と路線価の関係】


なお、相続税路線価と固定資産税路線価は以下のサイトから確認できますから、興味のある人は見て下さい。

・相続税路線価(国税庁)

・全国地価マップ(固定資産税路線価も掲載)

https://www.chikamap.jp/

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今回は路線価について解説しました。不動産の価格について詳しく知りたい人は下記の書籍を参考にして下さい。

【金融マンのための不動産ファイナンス講座】

【金融マンのための実践ファイナンス講座】


【図解 不動産ファイナンスのしくみ】


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