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清掃員のクレーム対応。

地方歓楽街、駅から徒歩3分のラブホテルで清掃アルバイトをしている。職場の喫煙所が建物内で唯一極寒の地なので喫煙者は肩身の狭い思いをしている。

接客をしない我々清掃員だが、ごく稀に客と関わる事がある。そしてその大半はフロントが手を離せない時のクレーム対応だ。

まず苦情の原因は精算に関する事が多い。

夜は休憩(時間制限あり)、宿泊(朝の決まった時刻にチェックアウト)のコースが有り入口のパネルで選んでから入室する流れになる。部屋に精算機があるタイプは休憩は後精算、宿泊は先払いを部屋に着いたらまず行って貰う。

しかし、真っ暗な深夜帯で有るが故に休憩で入室した筈が寝てしまって気づけば朝になっていた、なんてことがよくあるのだ。そして急いで精算する客は驚く、「休憩で入った筈なのに高い…」と。
そしてフロントの電話が鳴る。
「金を持っていないから払えない。」
大抵はカードを使うなどするがごく稀に断固として払いたくない客がいるのだ。
更には「風俗の料金と別にホテル代がかかることを知らなかった」場合もある。

男性1人でのチェックインは休憩でも先払いになるのだが言うことは大抵
「風俗店とグルなんだろ!詐欺だ!」である。
そして金を払えない客は最終手段、ありったけの暴言と暴力に走るのであった。

こうなってしまってはもう客ではない、遂に警察が来るまでの事態となってしまった。
掃除していると客の罵声と警察官のやり取りが聞こえてきた。
「俺を殺すんだろ!殺せ!俺を殺せ!」
想像の斜め上を行く大声に彼は4人の警官すごすごと連れていかれたのであった。
きっと酔っ払っていたのだろう。

こういった客は出禁になるが入口のタッチパネルには防犯カメラがついておりばっちり顔が写っている。そのためフロント事務所にはデカデカと印刷された出禁猛者達の顔面が沢山貼ってあるので酔っ払っている時などの利用は充分に気をつけてほしい。

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