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指す将順位戦6th自戦記 第四局  (vsふぉーるさん)

初めに

棋力や参加クラス、使用ソフト情報などを書いておきます。

棋歴:高校1年生~今までで、さぼった年月を抜いて約6年
棋力:ウォーズ三段、24二段
参加クラス:A3
その他:関西に6年くらい住んでました。色々な例えとダイアンが好き

使用ソフト:水匠3
思考時間:2分
ノード数:10000000
深さ:20


今回はふぉーるさんが先手、雁木側の私(kkkeiya)が後手でした。
評価値は先手を+として書きます。

【結論】

結論オカン「あんた対局中に温泉に浸かるのはホンマにあかんで!!次やったらごはん抜きやから!!」

【対局前の話】

私IT系の仕事をしているのですが、7月末に開発納期というものがありまして。。将棋どころじゃない日々が相変わらず続いていました。。

このような背景があり準備万端とはいきませんでしたが、
前回(https://note.com/kkkeiya244/n/n565c82d5ebae)と同様、できる範囲でじたばたしてみました。

・15分の瞑想(7秒吸って7秒で吐く)
・15分詰将棋(3周くらいしてる7手詰めハンドブック)
・15分筋トレ(腕立て伏せとプランク)

瞑想はその後の脳の活性や日ごろの集中力を高める効果があるようで、おススメの精神統一法です。あと筋トレは、直前にアドレナリンを出してくれるかなという狙いで取り入れました。

前回よりもじたばた度が上がっています!!!

【序盤~中盤】雁木VS早繰り銀

将棋は後手の私が雁木を目指したのに対してふぉーるさんが早繰り銀で対抗する展開になりました(図1-1)。

もう言ってしまいますが、私は相居飛車だと雁木をよく指します。理由は「こちらが望めば組める」ところです。社会人3年目で身に着けた将棋指しとしての生存戦略で、研究が必要な最新戦法を避けて自分の土俵で戦えるようにしたいという狙いです。

とは言え雁木はプロ棋戦にも多く出てきて、Abemaトーナメントでも何局も指されていました。観戦でも楽しめるし、自分の土俵で戦えるし、おすすめですよ、雁木。

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図1-1の局面は棋譜DBで「雁木」で検索すると神々の戦いがたくさん出てきます。この局面は結構経験が多いので指しやすさを感じていました。具体的には、ここから

△7二飛▲3五歩△7五歩▲3四歩△同銀▲7五歩△同飛(図1-2)

と進み、先手の角と玉の位置関係が悪くて後手が指しやすくなったはずだと思いながら指していました。

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【中盤】調子はいいけど実際は少し悪かった

図1-2から先手は角頭をケアして早囲いの様に囲う指し方、こちらは桂馬を跳ねて攻めを見せつつ雁木の形を整える指し方をしました。そして駒がぶつかったのが図2-1の局面。

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後手番ながら早囲いに対して先攻できたので悪くない感触でしたが、実際はこの仕掛けが無理だったみたいで、図2-1の局面では+405で先手が良いとソフト先生が言っていました。ここからアマチュア将棋らしく、双方に疑問手が出ます。

▲同歩△4五歩▲6六銀(疑問手①)△8六歩(疑問手②)▲同歩△8八歩
▲同玉△6四歩▲2四歩(疑問手③ 図2-2)
疑問手①:堂々と▲2四歩から攻めあうのがいいみたい。
疑問手②:△3五歩から銀交換の後△3四飛とする方が良かったみたい。読んでなかった。
疑問手③:後述

と進みました。図2-2の局面は先手がリードを溶かして+107の評価になっています。

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最後の▲2四歩は2枚効いているので入りません。△6五歩と取り込むことができて攻めが切れない形になり、そのあと(本当に)ペースを握ることができました。

▲2四歩では

▲同歩△同飛▲7七角△8五歩(図2-3)

が想定進行で(ソフト先生も大体そんな感じ)、最後の△8五歩が我ながら筋が良いな~~って思ってたのですが、実際は図2-3で▲6八飛や▲7八金と固められて攻めが細いみたいです。評価値は+416と先手有利でした。

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【中盤~終盤】温泉気分でいつの間にか湯冷め

なんやかんや攻めている方が有利というのが(アマチュア)将棋のあるある。3切れやフィッシャールールの超早指しじゃない限りはこの法則はあると思います。実際双方にミスが出つつも、攻めることができていた後手側が有利に進めていきました。

それが顕著に出たのが図3-1の局面。すでに-512と後手が有利なのですが、ここで▲5八金など受けの手を指していたらそこそこ難しい様です。本譜は

▲3四銀△7七桂成▲同桂△6六歩▲同金△同角▲同角△同飛(図3-2)

と進み、後手が一気に勝勢になりました。

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以下完全に持論ですが、相当細い攻めじゃない限りは攻め手と受け手だと受け手側にボール(課題解決の責任的な)が回っている状態だと思います。この課題解決方法の1受ける 2攻めるの2択でめちゃくちゃ間違えやすいのでしょうね。。

これは絶対に勝勢になったというのは対局中にも意識していました。正直、攻めが続くかどうかという局面からすると、東北のどこかの山の中のどこかの露天風呂に浸かってさっきまで通ってきた雪景色を見ている気分でした。(ふぉーるさん、気を悪くしてしまったらすみません。)

しかし日頃の鍛錬を怠った者がそう簡単に勝利を享受できるわけもなく、ふぉーるさんの実戦的な粘りの前にどんどんパニックに陥っていきます。

自戒を込めて詳述していきます。。

まず図3-2から▲6七歩と進んだ図3-3では、△8七不成▲同玉△6七飛成で先手玉に△8六歩の連打からの13手の詰めろがかかっていて後手の勝ちでした。

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「いや1分将棋でこの詰み読み切って攻防手読み切って勝てる人A3におらんがな!!」って自分のプライドの番人が言っています。

「局面は絶対に勝勢!▲2三歩からの殺到も、飛車がどいたら先手が詰みやすくなるのでできない!安全に行けるわ。」と思ってた私は△5六飛を選択。なんせこっちは温泉に浸かってて、あわや日本酒まで行こうとしている精神状態なのですから!(ふぉーるさん、例えですからね!手元にはウーロン茶しかないです。すみません本当)

【最終盤】自己否定・許容・そして前進

図3-3(前章)から

▲5八歩△8九角(疑問手)▲6八玉△8七不成▲4四桂△7七と▲同玉△6五桂▲6八玉△3六飛▲3二桂成△5一玉(図4-1)

と進みました。▲3二桂成に対して、露天風呂の中の私は△同玉と指そうしていましたが、その数手前から嫌な予感がしてきたのでちゃんと読むと、「△同玉は▲2三角でやばいのか・・・!!!」と気が付きました。しかも△5一玉▲7二角で詰めろ飛車取りがかかります。私は涙目になりながら露天風呂から飛び出すことになりました。心も体も冷え切りながら必死に自玉の詰みを読むことになるとは。。

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図4-1で、▲7二角には△7七銀▲5一玉△3九飛成で合い駒請求で詰めろを消せると発見できてヒートショックによる心臓麻痺には至りませんでした(本当に生きた心地がしなかった。。。)。またそれ以外にも△7八金からの即詰みもあったみたいで、全体的にまだ残っていました。

ここからは温泉気分だった自分の頬を張り、あとで反省することを固く誓い、そしてそんな自分を受け入れ、今から最善を尽くそうと切り替えました。
↑↑ハチワンダイバーで鬼将会のメンバーに負けそうになった誰かが言ったセリフで「反省は帰って風呂の中でする。今はここから最善を尽くすぞ」的な表現があります。全然うろ覚えですがめっちゃ好きな言葉です。逆転負けされそうになるといつも思い出します。

図4-1から数手進んで図4-2の局面。

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ここから

▲8三歩成△5六銀▲5四馬△6七角成▲投了

と進んで最後はどうにか勝つことができました。

時間に追われて半ば勝負手のつもりで馬の効きに飛車を移動させました。飛車を取られても後手玉に即死はなく、角を持った方が先手玉を詰ましやすいと思っていたのですが、ふぉーるさんも同じ読みだったのか、▲8三歩成と指してこられました。それに対して△5六銀で分かりやすい詰めろをかけることができてようやく本当の勝ちを確信できました。

【最後に】

反省の多い内容で心ののふんどしを締め直して次局に臨みたいと思います。また、このような反省の機会を与えてくださったふぉーるさんの実戦的な粘りと迫り方に感謝申し上げます!対局ありがとうございました。

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