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映画「ONODA」を観た

旧陸軍少尉の小野田寛郎さんの、戦争が終わった後の、フィリピンのルバング島での30年近くにおよぶ戦いを描いた映画「ONODA」を観た。

3時間近い大作だが、観る価値は高い作品といえるだろう。

小野田さんは、二重の意味で異質だった。

一つは、陸軍中野学校で特殊訓練を受けたため、多くの日本軍人と違って死ぬことが許されなかったこと。

もう一つは、戦争が終わった後も30年近くも戦い続けたために、戦後復興期や学生運動、高度成長期を経た1974年の日本に戻った時には、日本社会にまったく適応できなかったし、理解もされなかったこと。

価値観や常識などというものが、いかにいい加減で浅はかなものかを教えてくれる作品と言える。

価値観が大きく変わるという意味では、現在放送中の大河ドラマ「晴天を衝け」に出てくる渋沢栄一や徳川慶喜とも近いものがあるし、極限状態を描いたという意味では、名著「夜と霧」を思い出させる。


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