居心地の悪さ
今まで、あまり褒められることなく育ってきた。
きょうだいの一番上ということもあり、我慢が当たり前だった。親の期待に応えよう、というよりも親に怒られないように生きてきた。家の外より中で、気を遣って生きている。外に出ると安心する。
親も自分も初めてのことばかりだったからだろう。少しでも失敗すると、ひどく怒られた。家の中での比較対象がいないため、他の家の子と比較されて怒られた。今でも怒られている。
自分より上のきょうだいがいたらどれだけよかったか、一番上であることは結構つらい。もちろん、きょうだい間の学力差で差別して怒られるということも考えられるが、明らかに1番上とそれ以外では親の慣れもあり、子供へかかるプレッシャーも違うはずだ。個人的には、一番上が一番損していると感じる。
妹がいるが、妹は課題などで自分の力を借りようとしてくる。分からないから教えてくれ、書けないから書いてくれ、と。
教えるのは好きだ。でもそれとこれとは違う。自分には頼れるきょうだいはいなかった。守るべききょうだいしかいなかった。そんなことは言い訳かもしれない。親は教えてやれと言う。自分は自力で何とかするしかなかったことを、親と妹の前では手伝うしかない。
自分が一番上ということは、家事手伝いができるようになるのも自分が一番先だということだ。
しかし、自分が家事手伝いをするようになると、妹が手伝える年齢になっても、「○○(筆者)がやってるからいいじゃん」と、何もしないままだった。
結局家事手伝いをするのは自分だけで、やらなかったり、間違えていたら怒鳴られる。
怖くなって、家事手伝いとどう向き合えばよいのか分からなくなった。しっかりやらなければ…と怯えている。激怒させたら何をするか分からないからだ。
妹はこんな思いをしたことはない。家事手伝いに時間を取られて、自分の時間は減っていったが、妹の動画視聴時間は増えていった。
一番上の自分がテストで悪い点を取ったら、激しく怒られ、叩かれた。家の外に裸足で出されたこともある。
妹が悪い点を取っても、ほとんど怒られていない。親は自分(筆者)が悪い点を取った経験、それでも志望校に受かった経験から、怒らなくてもいいと思ったのだろう。
自分は家で自慢することを許されなかった。妹に向かって、何か少しでも自慢したらチクチク怒られた。「また〇〇(筆者)の自慢が始まった」「そういうの嫌われるからやめな」と言われた。
妹は自慢ばかりしてきた。親も、自分に対して妹の出来の良さを自慢してきた。親戚には自分の出来の悪さを伝えていた。「〇〇(筆者)は本当に頭がおかしい」など。
親は一番上の自分を嫌いなのだ。嫌いだから、心身ともに痛めつけて、暴言を吐いて、人格を否定して、楽しんでいるのだとしか思えなくなった。何度も自分自身や趣味、言動を否定された。大切にしているものをゴミ袋に入れられた。勝手に部屋の中に入ってあちこちの収納を開けて持ち物を確認された。通販で買ったものも勝手に開けられた。親は親戚に、勝手に自分の趣味や言動、持ち物、買ったもの、部屋の状態などまで話すし、「親戚に話すぞ」と脅してくる。
親に対しては嘘が増えていった。本音でぶつかり合うような反抗期?はなかった。ただ、親と話したくなかった。怒らせないように必死で、悪い態度を取ったこともない。
親自身は理想を押し付けることに夢中で、子である自分のあり方は無視されている。言いたくはないが、毒親なのかもしれない。
最近、無意識のうちに我慢したり、諦めることが増えた。腹が立っても、つらくても、嬉しくても、悲しくても、何があっても冷静でいろと言い聞かせるようになった。これ、自分にとっては助かっていたりするのだが、やばいような気もする。
いつも冷静だと言われる自分。確かに感情が表に出てこない。いつでもどこでも。たまに笑いはするも、泣いたり怒ったりはしないというか、できない。これは感情を失いかけているだけだと感じる。