エクセス コンプライアンス リザルト 4-2章
焦燥する心境の中、どうせ自分では何も答えは出せないだろうと思い、
渋々ながら7階にあるという医務室へ行くことを承諾した。
ーー 7階へ向かうエレベーター ーー
私は冷静に、自分が見たであろう「7階」を思い出そうとしていた。
・・・何故か出てこない。異様な雰囲気を醸し出すの社屋だ。記憶に残らないハズがないのだが。
・・・何故異様と思ったのか?・・・そういえば、それすらも思い出せない。・・・私は、今になって酷く後悔していた。なにやらとんでもない組織に介入してしまったようだ。
到着ベルが鳴り響き、7階へのドアが開く。
老人の言及していた通り、向かいに医務室があった。
・・・そもそも、何故「7階」に医務室があるのだろう?患者を運ぶのに大変だから、普通は1階に保健所を構えるのが一般的だと聞くが。
・・・逃げられないようにいする為・・・?私は急に嫌な予感がよぎった。
「ここのベッドに横になって下され」
老人が案内した。とりあえず、私はそのベッドに腰かけた。
「・・・どうですかな、少しは楽になりましたかな」
「・・・混乱している。あなた方は私に何をしたんだ・・・?」
老人、沈黙。仕様が無いのでもう1つ質問を追加した。
「目的は ”未来予測” ・・・"予仮"だったか?それを構築するためだと言っていたが、あのカウンセリングだけで何故ここまで私は混乱している?・・・教えろよ!!」
「落ち着いて下され・・・まず、貴方の認識のズレが何故発生したのか、そこから説明します」
「・・・」
老人が首を指でなぞりながら、ぽつりぽつりと語りだした。
「・・・まず、今居る不破さんは、多分ここの世界線の人では無い・・・いや、正確にいうと「違う世界線で生きてきた設定」の不破さん。」
「・・・・は?」
「まず根っこから説明しましょう。私が複起点要素となるA~Eについて話をした事は覚えてますかな?」
「・・・確か ”私は映画が好き" なのに、切り取りして解釈すると実はそんな事は無い、そんな話だった。」
「・・・映画は好きなんですな?」
「・・・そう言ったよな?」
「・・・分かりました。私の聞き間違いだったのでしょう。その時いった”広義”の意味は覚えていますかな?」
「・・・確か女性に言われた。A~Eだけで私を判別する事は不可能だ、と」
「・・・女性、ですか?私ではなく?」
「・・・それが良く分からない。貴方に言われた気もするし、もっとこう・・・見た目は子供くらい、若い女性に言われた記憶もある・・・。
・・・・!」
「どうしました?何か思い出しましたかな?」
「貴方は確か、休憩中に談笑していた方では・・・?」
「・・・いいえ、私はタバコを吸いませんので、あの休憩室は
使いませんよ」
「・・・・?私もタバコは吸わないが?」
また頭が混乱してきた。どうもさっきまでの経緯に食い違いが起きてる。
「・・・・不破さん、その胸ポケットに入っているモノは?」
「・・・!!」
電子タバコだ・・・使った事も無いハズなのに・・・
・・・・・・私は、誰なんだ・・・?