描かないアニメ塾(カメラ編
絵を書くのってモチベーションに左右されすぎるから、正直いって絵を書く以外でアニメつくれねえかな?ってよく思っているんですが、
カメラワークなんかは、一枚ずつでも空間演出できるし、描く量少なくてもアニメを作れる手段の一つだと思います。
今回は実写(3D)のカメラ表現を、アニメのカメラ表現で解説してみる。
パン ティルト
位置を固定してあるカメラのアングルを変える技法
パンは、パノラマの略なので、想像の通り。
パース変化があまり起きないため、平面スライドしかカメラがつけられないアニメとの相性は良い。
ただ、大きく角度が変わる時はパース変化が発生する。しかし、これも魚眼気味のパースで描いておくことで、パース変化を表現することができる。
また、縦パース軸にあわせてカメラを回転させる(縦パースの中央が真ん中になるように)ことでさらにレンズ感を表現できます。
付けパンもカメラは固定で、キャラを追うイメージでつけられた名前なんだろうね。実際にはbgがスライドしているだけですが。
ズーム
広角と望遠を変化させるのがズーム。
ズームインは望遠だしズームアウトは広角
大変そうに見えて実はただのトリミングなので
tu.tbを全部につけてあげればよいだけです。
俺は寄りカットも、引きカットのまわりまわズームで良いと思うんだけど
ドリー
カメラそのものが動くのがドリーです。
ドリーとは台の意味なので、台に乗せて被写体と並走するとかに使われてる。
アニメだと、足元が見えなければフォローなんですけど、足元がが見えるならパース引き、もしくは背景動画にする必要がある。
あと、遠近でスライド幅を変える密着マルチも効果的。
平面的なやり方としては、BGスライドなんですけど、こちらはスライド方向やスピードがカットの中で一定なので、スライド分の背景は、美術さんにお任せできます。
ドリーインアウト
カメラ自体を被写体に近づけたり遠ざけたりする技法。
手前奥でスライド幅をかえてあげる必要があります。広角の変化になってくると、角度の見える面積比が変わってしまうため、作画の必要がある。
回り込み
被写体を中心にカメラが回転する技法。
つまりドリーと近い
しかし、被写体をさかいにスライド方向が逆になります。
以上独学によるカメラワークについてでした。
アニメ業界って、べつにカメラ勉強した人ばかりが入ってくるわけでは無くて、ろくにカメラ撮ったことない人とかが入ってくる業界なんですが、このへんのこともべつに誰かが教えてくれるわけでもなく、勝手に学ぶ人ばかりが先をいってる状態。
自分もカメラ意識したの遅いですし。
早い人は純粋に優秀だなと思う。
今スマホ普及率99%なんだからカメラ撮ったことあるでしょ??ってなるんだけど、案外撮らない、撮っても活用方法がわからないって人は多いです。
自分も、blenderのほうがカメラの仕組みを学びやすかったと思うし。。。
でも映像作ってるんだったら、ザックリとは知っててほしいことだと思うし、技法そのものは難しい理屈じゃないと思うのです。
もちろんリアルなスライドにするのは技術だし、演出意図というのが重要です。
でもそれは、理屈を理解して、遊んだり楽しめるようになってからでいいかなーと思います。