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アカガエルの産卵ラッシュで沸くビオトープで考える気温と水温の関係
アカガエルの産卵ラッシュに湧くビオトープ
今年は1月からビオトープに通っているため、アカガエルの卵塊を多数見ることができています。1月18、25に行ったときには、大多数がヤマアカガエルの卵塊でした。(記事は以下)
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1月18日に見かけた卵塊は、すでに多数のオタマジャクシが生まれていました。
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しかし、2月2日に行ってみると、今度はニホンアカガエルの卵塊が一気に増えていました。数えてみると、新しいものだけで全部で30個ほど(!)の卵塊を見つけました。ヤマアカガエルらしき卵塊もありましたが2/3以上がニホンアカガエルの卵塊のようでした。
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両者の卵塊の違いは、ヌメリがあるかないか、ゼラチン質が固いか柔らかいか、卵塊の大きさで見分けるようです。
私は今年始めて卵塊を見るので、最初は見分けがつきませんでしたが、今回あらためて新しく発見した卵塊をみると、前回までの糸を引くような粘りのある卵塊は少なく、ほとんどが塊がしっかりとしてバラつかない卵塊が大半でした。(同定に自信はないため、あくまでも目安です)
気温、水温、種類の相関は?
1月はまだ雪が残っていましたが、今日(2月2日)は雪は残っておらず、やや気温も高かったです。
前回まで卵塊が多かったのが、沢水が取り込まれている周辺だったのに対し、卵塊があまり見られなかったのは、取水口から離れているあたりでした。
このビオトープの場合、夏は、取水口付近は水温が低く(20℃前後)、取水口から離れるにつれて水温が高くなります。一方、冬の場合は体感ですが、取水口付近は水温がやや高く、取水口から離れるにつれて水温が低くなっているように感じました。これは沢水が年間通して一定の水温で流れるため、冬は水温の方が気温よりも温かいのではないか?との仮説が浮かびました。
アカガエルたちは、水温がやや高いところで産卵をし、水温があまりに低いところでは産卵が少ないとすると、取水口に近い付近で産卵をするのは理屈が通ります。
一方、今回は、これまで卵塊があまり見られなかった取水口から離れた場所で卵塊を多く見かけました。このことは、2月に入り、気温も水温もあがって、取水口から離れた場所も産卵に適した条件になった、とも考えることができます。
また、ヤマアカガエルは山地に住み、ニホンアカガエルは平地に住むといわれていますので、ヤマアカガエルの方が低温を好むのかもしれません。
今回、ニホンアカガエルの卵塊が増えたということは、気温・水温がニホンアカガエルの産卵に適した状態になったのかもしれません。しかし今週はまた寒気でものすごく寒くなるようです。果たしてどう変わるのでしょう?
水温、気温、卵塊の個数や種類のデータをとってみると、より違いがはっきりするかもしれません。次回以降はこちらのデータも集めてみましょう。
アカガエルの産卵についての情報
日本自然保護協会さんのWebにアカガエルの産卵についての詳しい資料があります。こちらを参考にして皆さんも卵塊を探してみてください。
みつけたアカガエルの卵塊は、カエル探偵団さんの「2025年度 アカガエル産卵前線」で情報を集めています。みつけたら皆さんも是非投稿してみてください(私も投稿しました!)
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