東女美女烈伝.30 原宿ぽむ

Intelligent Princess

原宿ぽむは美しいんだ。

その上原宿ぽむは賢いんだ。
世の中には何をやっても成功するだろうなという人がいる。それが彼女。
特典会に行けばそれがわかる。
とにかく頭の回転が早い。脳に特殊なベアリングでも新生児の頃に埋め込まれたのではないのだろうか。ファンがどんな大暴投をしても正確にキャッチ。ファンの痛さとキモさに合わせて的確な球種で投げ返してくれる。ダルビッシュも脱帽。
試合は水泳で培った肺活量とスタミナを源泉に力強くしなやか。声がハルクアップするミサイルキック。後ろ受け身がなんと美しいことか。スポーツと格闘技において正しいことはフォームが美しい。フォームが美しいということは正しい。道場で相当な鍛錬を積んでいることは子供でもわかる。一方でワギャンランドを彷彿とさせる超音波砲や会場全体にセロトニンをばら撒くでんでん太鼓というコミカルな技も。緩急自在な考える葦。
2024年1月6日。くいしんぼう仮面戦においてその抜群の空間支配力が発揮された。
プロレスを「闘い」ではなく「作品」と称する武藤敬司やヨシヒコの試合を賞賛するリック・フレアーが見たら涙を流しながらスタンディングオベーションをするはず。
彼女にはセイレーンが如く世界を惑わすチカラがある。

特筆すべきは団体内で突出している圧倒的な美的センス。
ある日、会場入りをする彼女を見かけた。
ハイブランドでコーディネートし、通行人を圧倒する美で街を闊歩する彼女に畏怖した私。
写真週刊誌は芸人ではなく原宿ぽむを追え。
写真集を出せば重版出来間違いなし。
試合だけでなく、ぽむとれーとのプロデュースをはじめ、背広組的なセンスも持ち合わせる。ポスト甲田哲也。
彼女には3年20億円の契約を結ぶ価値がある。
甲田哲也氏は海外団体にポスティング移籍される前に彼女を繋ぎ止める使命がある。

そんな完全無欠な彼女には、自分の商品価値の高さに気づいていないという大きな弱点がある。
就活生で言うとエントリーシートで行き詰まるタイプ。自己分析はだいじ。気づいてほしい。
優れた人間ほど生きづらい今の世の中、彼女は自分に嘘をつかずに生きている。プロレスをしている。

彼女がその類稀な実力に気づく時、それは東京女子プロレスが世界を獲る時だ。
原宿ぽむよ、どうか、どうか野心を。