長く生きたいと、思うようになった 500 字日記

別に、早く人生を終えたかったわけではないのだけれど。どちらかというと、無頓着だったという表現が正しい。人生を諦めているわけでもなく、ただ単純に、自分の寿命というものにあまり興味がなかった。まあ大体生きていけるのだろうし、まあ死ぬときゃ死ぬ。それくらいの、とてもアバウトな把握の仕方をしていた。

最近、この辺りの意識ががらりと変わった。なるべく長く生きたいと思うようになった。未来を共に過ごすかもしれない人がいて、未来に希望を持てるとき、人は長く生きようと思うらしい。なるほど、まるで知らなかった。

人生を死というゴールへ向けた一本道であるとするなら、その道なりをなるべく楽しく歩いてやろう、ということしか考えていなかった。瞬間が楽しければよく、それを積み重ねた結果、いつかそのうちゴールに辿り着くのだろうと思っていた。道のりの長さを、瞬間をどれだけ積み重ねられるかを、考えたことはなかった。

楽しさを確信できる時間があるのなら、その時間を少しでも長く生きたいと考えるのは普通のことだろうと思う。ぼくはどうやら、未来の楽しい時間を確信してしまっているらしい。言葉にするとむず痒い。しかしまあ、本心なのである。

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