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#2 山小屋の生活。とは。

周りを見渡しても年上のクセの強い人達ばかり。
標高2000メートルを超えた環境で半年間の生活。
何もかもが刺激的、そのものだった。

山小屋に入山する時はヘリを使う。
人生で一度乗れる乗れないかの乗り物。
小さな鉄の塊に揺られ、外の景色は雪で真っ白にかぶさった山々達が美しい。
その美しさの反面、恐怖も少しだけ感じた。

ヘリが陸に降り立つと山小屋は雪に埋もれてしまっていて屋根だけが顔を出す。
自分達の住まいを確保するところから山小屋の生活は始まる。ぞくぞくしながら雪をもくもくとかいた。

山小屋の生活はとてもシンプルそのもの、
「生きる」そのものをやった。
もちろん山登りにくるお客さんへのおもてなしが主な仕事。あとは自分の生活だ。
水、電気、火、一つ一つ文明に必要不可欠な道具のありがたみを深く感じた瞬間が多々あり、その瞬間が襲ってくるたびに身体が熱くなる。
標高2000mで過ごした半年を僕は忘れない。

半年間山での生活でたくさんの吸収を得た僕は、自転車片手に真夏のオーストリア西部にあるパース行きの飛行機に乗車していた。
これから挑戦する過酷な4000キロ近くある大陸横断の旅がいよいよ始まろうとしていた。

→ # 3 オーストリア自転車大陸横断へ。

#エッセイ #日記 #コラム #旅 #ビジネス