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["Trainer" or "Athletic Trainer"]

こんにちは、Kiyoです!
閲覧ありがとうございます!

僕のnote、今のとこ体験談しかアップしてないなと思いました。
そんな訳で、今日は少し真面目に”トレーナー”とはっていうテーマで書いていこうと思います。

最近、僕は”アスレティックトレーナー”っていうプライドが無くなってきました。
アメリカにいた時は、ATということにプライドを持っていました。かといって、ATCと自慢したり驕ったりしていたわけではありませんが。

しかし、アメリカ生活後半くらいから僕はアスレティックトレーナーってなんだろうって少し疑問に思うようになりました。ましてや、今パフォーマンスコーチとして活動しています。一応、ATというポジションも貰っていますが。

今日はその辺、書いていこうと思います。
長文になるので、休憩しながら読んでみてください!



1. JSPO-ATとBOC-ATCの違い

日本スポーツ協会ATと全米公認ATの違い、これみなさん、気になりますよね。
民間資格と国家資格とかそういった制度の部分を除いてどこが違うのでしょうか?
おそらくATCの方が凄い、先進的だと感じる人が多いと思います。僕もその一人でした。

「でした。」ということは今は違った印象を持っています。

まずどちらが凄いかですが、僕の答えは「人による」です。
日本でATとして活動して、この人は凄いと思うこともあれば、この人なにしてんだろう?と思うことはあると思います。
アメリカでも全く同じ現象が起きます。


では、なぜATCの方が凄いという風潮があるのですかね?
僕が思うに以下の可能性があると考えています。

i) アメリカ至上主義
ii) 英語至上主義
iii) スポーツビジネスの発展度
iv) 日本人の国民性

他にもありますが、まずはこんなところかなと考えています。


1.i アメリカ至上主義

これは誰もがなんとなく納得すると思います。
世界はアメリカで回っていると言っても過言では無いくらいアメリカの影響力は大きいです。
日本はより一層その思想が強いように思います。(政治とか語るつもりはありません。あくまで僕が日本を飛び出してから感じたことです。)

なので、アメリカと聞くだけで無条件で凄いと感じる一定数がいると思います。

アメリカが世界からどう思われているかは気にせず、アメリカという音だけでアメリカは凄いとなっている現状があります。

なので、アメリカのATであるATCは無条件ですごそうになるのかなと思います。


1.ii. 英語至上主義

これも日本人なら納得できると思います。
英語喋れたらそれだけで凄いとなるのが日本人です。
世界には2ヶ国語以上を話す人達が沢山います。
発展途上国の人でも2ヶ国語(母国語2種類)話す人は当たり前で、英語や中国語、スペイン語も習得しているなんてことはザラです。なぜなら、2種類以上の言語を話せないと死ぬからです。大袈裟な表現ではなく、お金が稼げなくて、本当にご飯が食べれなくて死にます。
日本人は幸運なことに、日本語さえある程度話せれば、豪勢な暮らしはできないかもしれないけど、80歳くらいまで死ぬまでご飯を満足に食べる事ができます。

発展途上国の人の夢は60歳まで健康に過ごすことみたいなことが当たり前にあります。
どういうことか…?
60歳までそもそも生きられないからです。

少し脱線しましたが、生命の危機があるなら言語ぐらいなんとでもなるということです。

外国人を見たらまず英語で話しかけてみるのが日本人です。
そんな感じで、英語が世界共通語となっていますが、アルファベットを使う言語であればスペイン語の方がシェア率は高いです。
世界最大の言語は中国語です。(これは人口に比例しているので国数というわけでは無いですが。)

つまり、スペイン語を話せた方が英語を話すより色んなチャンスがあるかもしれません。

しかし、英語が世界共通語となっています。
なぜですか?
それは簡単だからです。
日本人はアルファベットを使わないので馴染みがないぶん難しいですが、世界から見れば簡単です。

なので、英語話せる=凄いは確実に間違っています。

しかし、日本は英語すごい主義が根付いているので、『ATC=英語=すごい』になっているのかなと感じています。


1.iii. スポーツビジネスの発展度

アメリカは言わずと知れたスポーツビジネス国家です。
NFL, MLB, NBA, NHLのアメリカ4大スポーツは世界のプロスポーツリーグのランキング6位以内に入っています。
ヨーロッパのサッカーリーグとか凄いお金使ってそうですけど、アメリカには敵わないのです。
それほど、スポーツビジネスが盛んです。

そのため、他の国のスポーツチームと比べて、アメリカの各チームは自分のチームにお金をかける事ができます。
他国では医者とPTしか雇えず、CSCSみたいな人材を雇えないとしても、アメリカは医者とPTとATとCSCSとnutritionistとphycologistまでも雇う事ができます。
金ありますから。

これはプロだけに限らず、大学スポーツでも同じです。
自分の大学を応援するのは当たり前で、地元の人たちみんなが、その地域のチームの応援をします。
グッズ販売、チケット収入などでめっちゃ儲かります。

そのため、ATCが活躍出来るチャンスがプロスポーツだけでなく、大学スポーツ界にも沢山あります。
そうなると、活動は活発になり繁栄していきます。

これは日本のATが抱える問題の一つだと思います。
ATになったはいいけど、ATとして働けるスポットが多くないということ。(もちろんスポーツセッティングだけがATの活躍の場ではないですが。)


1.iv. 日本人の国民性

自信満々な日本人って多く無いですよね?
ビッグマウスはたまにいるかもしれないですが、それを実現しようと行動する人ってそんないないと思います。(実現したかはどうでもいいです。)

この点、アメリカ人は違います。出来ないことも出来るって言います。出来るか出来ないかはどうでもよくて、自信満々にある種ハッタリみたいな感じです。
でも、この自信満々や傲慢さみたいなものって世界に出たら重要なんですよね。
何故なら、日本人以外みんなやってるから。
そんな中で、日本人が謙虚に素直にできないと言うとどうなると思いますか?
「頼りない、使えない」でおしまいです。
伝わりやすいよう、極端な言い方をしていますが凄く大袈裟って訳でも無いです。

なので、謙虚で素直な日本人は信用・信頼されやすけど、それだけじゃやってけないよって事です。
勘違いしてほしく無いのは、謙虚で素直な日本のブランドは世界中で称賛・尊敬に値されるので、傲慢になってはいけないということです。
アジア人差別はどこでもありますが、日本人と伝えた途端に態度急変、優しくなるなんてことは当たり前にあります。
それほど、日本人というブランドはリスペクトされていると感じます。


2. ATとATCの明確な違い

色々書きましたが、それでも全体の平均としてはATCの方が優れていると考えています。
なぜなのか?
それは英語が読めて論文が読めるからです。

英語ができたところでそうでもないと書きましたが、それでも英語での情報検索数は日本語と比べるまでもありません。
なので、それに比例した情報量を得ることが出来ます。

また、ATCは基本的にmaster degreeを取得しています。
それはどういうことかというと、少なからずbachelorと比べて数多くの論文を読んでいるということです。
Evidence Based Medicineが絶対かはまた書きますが、EBMであるということは少なくとも世界のgold standardには漏れなく沿っています。ましてや、英語でEBMを学んでいるので情報量は日本のATの比べ物になりません。これは事実です。
日本のATでもmaster degree, PhDを取得されている人もいます。しかし、絶対数が明らかに違うので、どうしても日本のATと比べ教育水準が高くなります。

ATの方でも沢山勉強をして、EBMはあまり調べられなくても、独自の理論を展開して成果を上げている人は沢山います。
僕は、EBMはあくまで、現段階での技術で測れる指標と思っているのでそれを正しい正しく無いとは言いませんが、EBMが無いと評価されづらいと言う現状があるのも事実です。ましてや、誰も知らない日本語だけの展開。

そのためATCの方が優れていると感じています。



3. ATCの実際

ここまで読んで、やっぱATC凄いんだなと感じてるかと思います。

僕はATにもATCより凄い人は沢山いるということを伝えたいです。

僕は論文を読むのが大好きなのですが、masterまで取ってEBMを掲げている大多数のATCはどうかというとほとんどのアメリカ人ATCは論文を頻繁には読みません。
hot topicの論文はなんとなくチェックはしていますが。

じゃあどうやって、トリートメント・リハビリしてるのって感じですよね?
教科書に載ってる内容とググって出てきたことで対処しているということがあります。

日本と違い、教科書は全部evidence basedです。経験則とかは書かれていません。なので、習ったことは全てEBMに沿っています。
“何年前の情報かわからないけどね”
新しいからいいという訳ではありませんが、2年毎に教科書が加筆修正されるなんてことはありません。
せいぜい5年毎くらいが早い方です。
今の技術で5年ってだいぶ差が出ますよね。

でも、アメリカ人のATCはそれをひたすらやります。
何でそれやるのと聞いても、だいぶ前の理論だな、なんてことはザラにあります。
ただ、とんでもなく見識が広く頭のキレるATCもいます。それこそ、ATとは比べ物にもならないくらいのレベルで。

話は変わりますが、アメリカは完全分業制なのでスポーツメディシン分野にもヒエラルキーがあります。
ドクター→PT→ATC/CSCSみたいな感じです。
日本もドクターが一番ですよね。

そう、アメリカもATCの立場ってあんまり変わらないんです。
もちろん、PTやドクターに意見することはありますがオペ後とかはドクターとPTの提供してくるメニューを現場でATCが選手に行うといった、ある意味雑用みたいなことをやります。

もちろん、現場で一番密にチームと関わるといった点ではATCですがヒエラルキーは高くないんです。
それを変えるために、ATC界は頑張っていろんな活動していますが。

ここで何を言いたいかというと、ATCもアメリカという国のスポーツメディシンの中では、日本のATの立場とさして変わらないということです。

ただ、活動のチャンスは比べ物になりませんが。



4. “トレーナー”とは

最近、一番考えたのがこれです。
ATなりATCはトレーナーと言われることを嫌う傾向があると思います。
ATCなんかは選手に”Trainer”と呼ばれると、わざわざアスレティックトレーナーと言い直すくらいです。

では、世界はどうなんでしょうか?
日本やアメリカはアスレティックトレーナーという言葉があるため、それに固執しますが、スポーツ/メディカルトレーナーという括りでいったらアスレティックトレーナーなんて名称は世界でほとんど知られていません。

ヨーロッパでも南米でも東南アジアでも”フィジコ”がいわゆるスポーツ/メディカルトレーナーです。
フィジコはPhysiotherapist(理学療法士)のことです。
“フィジオ”と呼ばれることもあります。

地球全体でスポーツ/メディカルトレーナーと括られる人達は、フィジコ・フィジオ・AT・ATC・トレーナー・ストレングスコーチと様々です。

なので、自分はアスレティックトレーナーなんだという自負はほとんど意味をなさないと思います。
そもそもアスレティックトレーナー自体マイノリティなので。



5. ATとは

ATの勉強って、スポーツメディシンを広く浅く学びます。
聞こえは悪いかもしれませんが、これはチャンスになり得ることだと思います。
なぜなら、ベースが広くある分、医者の分野も・PTの分野も・CSCSの分野も全ての分野をなんとなくわかっているからです。
各セクションをどこまで深く学ぶかは個人の好みや思考に依存していきますが、僕みたいに仕事でATCしかやってこなかったとしても、パフォーマンスコーチとして、何とかやっていけるだろうと自信を持って出来るのはこういった背景にあると思います。

僕個人の話ですが、僕はATになってから、ストレングス&コンディショニング・栄養学・心理学・カウンセリング・マーケティング・リーダーシップ学・その他雑学(人類史・政治・etc.)など色々学んでいます。
知っていると知らないでは大きな違いで、何が役に立つかわからない世界だと思っているので、色んな事を勉強しています。

なので、今ATを勉強している人、働いている人はATという小さい枠組みに囚われないで色んな事を勉強してみてください。



まとめ

ここに書いたことはあくまで僕個人の考えで、誰かに賛同してもらおうとか人の考えを変えたいというものではありません。
僕の見てきた世界で僕がどう感じたかです。

読んでくださったみなさんがこれを機に自分の”トレーナー像”を考えてくれればいいなと思います!

珍しく真面目な話を書きましたが、需要があればまたこういう事を書いていこうかなと思いますので、コメントもしくはハートを押していただけると幸いです!


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

BOC-ATC(certified athletic trainer)、柔道整復師、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、英語学習、アメリカ留学、アメリカ就職などなど、僕にお手伝いできることがあれば、どしどしご相談ください。

あと、感想ありましたら、よろしくお願いします。

Everything is going to be fine.

Kiyo

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