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# 連載コラム 書籍化作家になろう! 第3回 作品の大看板! 読んでもらえるタイトルとは? ○○を意識しろ!
どうも見ての通りの文学少年、野良小説編集の小山です。
この連載も早いもので第3回です。
毎回毎回1万字も書いていると干からびそうなのでそろそろ手を抜いても……ああ、だめですか。
まぁ手抜きはしないにしても、少し文字数は絞ろうかなぁとは思います。
長すぎてみなさんが読みにくいと思っていないか、という心配が消えてくれないのです。
僕は持って回った言い方が癖になっているので、ついつい長文を書いてしまうものでして……。
なので、長すぎて読みづらいわボケ! という方はぜひコメントでその旨お知らせいただけますと幸いです。
また、前回までの記事は以下のマガジンにまとめていますので、こちらもぜひ併せてお読みください!
というわけで本編に入ります。
☆タイトルでやるべきこととは?☆
ここまでの連載を読んでいる方ならもう承知かもしれませんが、この連載コラムはその回のテーマとなるテクニカルターム=専門用語を、誰でも理解できるレベルまで分解して基本のキからお届けしています。
今回はタイトルを扱いますし、次回はあらすじ&キャッチコピーを同じように一から組み立てていきます。
少しまだるっこしいところもあると思いますがお付き合いくださいませ。
さて、今回から具体的なテクニックを語っていく回に入っていきます。
前回までは精神論やマインドセットの話が主でしたからね。
お待たせしました。すごいやつです。
ここで突然ですが、クエスチョン!
小説におけるタイトルの重要性とは何だと思いますか?
タイトルは大事だ、こだわった方がいいと、みなさん耳にタコができるほど聞かされてきたと思いますが、では実際にタイトルにはどんな役割があって、何をするのが効果的に読者を集められるのでしょうか?
小説におけるタイトルというのは、それを読めばなんとなく作品の内容が分かる、世界観が分かる、ノリや雰囲気が分かる、主人公もしくはヒロインのキャラが分かる、ことが一番の役割です。
全部を満たすことは難しいですが、このうちのいくつかを読者に伝えることを目的としてタイトルを作るのが良いでしょう。
それぞれ例を出していけば、
作品の内容 『ようこそ実力至上主義の教室へ』
世界観 『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』
ノリや雰囲気 『りゅうおうのおしごと』
キャラ 『涼宮ハルヒの憂鬱』
あたりが該当するでしょうか。
もちろんここに挙げた作品も、1~4の要素のうちいくつかを兼ねています。
0or1ではなくグラデーションで含まれていると言った方がいいでしょう。
4つのパラメータが0~100であった時に、どんな配合で含まれているか。
『よう実』であれば、「教室」の部分で世界観を補完していますし、『GATE』は「彼の地にて、斯く戦えり」の部分でノリを表しています。
『りゅうおう』は「おしごと」が作品の内容ですし、『ハルヒ』は「憂鬱」なのが作品の内容です。世界観も含んでいてちょっとややこしいですが。
まぁこのレベルの短文でしっかりと4要素を表すのは非常に難しく、商業でトップレベルの作品タイトルを並べても、どれかに偏っていることが分かってもらえたかと思います。
つまり、タイトルとは作品について読者に説明するものであるが、どの部分を推していくかは作品によって調整が必要です。
あなたの作品で一番推したいところはどこですか?
あっと驚く展開やギミック? 重厚で独創的な世界観? それとも軽妙な文体? 主人公のカッコよさやヒロインの可憐さ?
上手いタイトルの作り方とは、どんな言葉を置くか以前に、その作品の面白い部分を主軸に組み立てられているか。
つまり、作中で読者が面白いと思うはずの部分との共鳴がカギになります。
ただの日常シーンやつなぎの展開をタイトルで大々的に推されたとしても、「いや俺はそういうの読みたいわけじゃあないんだ」となってしまいます。
クライマックスがあってカタルシスがあるなら、そこまで読者が読みたいと思えるタイトルにしてあげなくてはなりません。
『りゅうおうのおしごと』って何なんだろう? 『涼宮ハルヒの憂鬱』が作品にとってどんな意味を持つんだ? 『ようこそ実力至上主義の教室へ』されたらどんなことが起こるんだろう?
読者気になります! と言わせなきゃ、手にとってはもらえないのです。
例に挙げた4つの作品は、タイトルで読者が気になった部分がそのままカタルシスで重要な要素になっていますよね?
カタルシスまで読めば、なぜそのタイトルがついているか自ずとわかる。それがその作品にとって最上のタイトルのつけ方です。
☆読まれるタイトルとは何か?☆
ここまでは、タイトルで何をやればいいかを話してきました。
つまり作品のおすすめポイントを読者に説明し、その部分まで案内したうえで、カタルシスの感動を引き上げる。
この3つの役割を意識するということですね。
では、実際にどんな言葉を使って読者の気を惹けばいいのでしょうか?
それはもちろん、口ずさみやすい日本語です。
急に国語の先生みたいなこと言い始めたな、と思った人。
まったくその通りです。
今から国語の授業を始めます。
日本人には古来より魂レベルで好んで来た文章リズムが存在します。
テャマスィーにまで刻まれたそれのことを、僕たちは五七五と呼びます。
ようこそ、実力、至上主義の、教室へ
GATE、自衛隊、彼の地にて、斯く戦えり
りゅうおうの、おしごと
涼宮ハルヒ、の憂鬱
先ほどの4例に読点を追加したものです。
これだけだとまだ何を指しているのかわからない方もいるかもしれません。
ひらがなにしてみましょうか。
ようこそ、じつりょく、しじょうしゅぎの、きょうしつへ (5.5.7.5)
げーと、じえいたい、かのちにて、かくたたかえり (3.5.5.7)
りゅうおうの、おしごと (5.5)
すずみやはるひの、ゆううつ (7.5)
読点を意識して一つ一つを読み上げてみてください。
右にある謎の数字(すっとぼけ)を参考にしてみるのもいいでしょう。
次に適当な小説投稿サイトの新着一覧を見て、タイトルだけいくつか読み上げてみて比べてみてください。
どうですか? 僕の挙げた4例の方は、とても口ずさみやすいタイトルばかりだったと思います。
一体どうしてこんなことが起こるのか。
その秘密こそが、この五七五という文章リズムに隠されています。
隠されているのですが……何故隠されているかまでは僕にもわかりません!
でも和歌の時代から1000年以上も五七五が大好きな日本人ですから、なんか遺伝子とかに刻まれてるんだと思います。
文字媒体の記録のない上代歌謡の時代まで遡ると2000年単位、つまり紀元前からの可能性すらあるので……まぁその辺は日本史の方にお任せしますが。
なんにせよ、五七五のリズムで文章リズムを成型することで日本人の可読性をあげられることは、事実です。
どれくらい事実かというと、僕の書く文章はほぼこの法則に則って書かれています。読みやすいでしょう?
多少の揺らぎはありますが、ほとんど全てが五七五の応用なのです。
口語調で書かれる文章は、この五七五が意識されているかどうかで可読性に天と地ほどの差が生まれます。
まぁ本文まで意識するのは面倒くさいので、そこまでやる必要はないです。
僕は頭の中で音声出力したものを文字起こししているので、発声できない、もしくは発声しづらい文章を自分が書くのが許せなくてこんなことになっているだけです。
みなさんはタイトル、キャッチコピー、決めゼリフくらいに絞った方がいいと思います。
脱線しました。
他の有名作品もこの五七五のリズムに適っているかどうか、確かめてみると面白いですよ。
当てはまっていない例を探す方が難しいので。
実際は他にも、見目麗しいタイポグラフィか、ひらがなカタカナ漢字のバランスはどうか、韻を踏んでいるか、発音記号の繋がり方・清音と濁音・溌音と鼻濁音・母音と子音などのバランス、と考えるべきこと自体は無限にあります。
目読でも音読でも対応できるように、目と耳の両方からタイトルというものは調整されねばなりません。
なりませんが、そんなことを最初からこだわりまくっていても一歩も先には進めません!
そういうのは売れっ子になるための方法論なので、まずは読者に見つけてもらうための最も手軽な方法、五七五をこすっていきましょう!
☆○○を意識して、圧倒的集客!☆
そして、五七五を意識することを覚えたら、もっと能動的に読者を集められる工夫を凝らしましょう。
五七五は読んだ時に効果的という話で、ちょっと受動的ですからね。減点法での減点を回避する方法論です。
なので、加点法で最強の方法論をお伝えしましょう。
それはズバリ、キラーフレーズを作り出すことです。
キラーフレーズ……いい響きですね。
え? キラーフレーズって何かって?
きみは完璧で究極な~~♪ みたいなやつです。その先に何が続くかはみなさんのご想像にお任せします。
他の例で言えば、トウキョウシャンディランデヴの裏で帝京平成大学が聞こえてくるパートとか。
ALL I Wantとドラえもんでもいいです。
耳に残って離れないフレーズやメロディと理解してもらえれば大丈夫です。
例に挙げた3つは、前者2つがメロディがとても良かったので他のフレーズを入れて伸びた事例。後者1つはフレーズがそうとしか聞こえなくて、耳に残ってしまう空耳系です。
上記は音楽的な解釈ですが、タイトルの話をする場合も相手の心を強く動かしたり、心を捉えて離さない単語やイディオムを表すと思ってもらえれば。
では、どうやって読者のハートをキャッチするか。
難しいことはいりません。パワーワードを連打していくのです!
最強! 無双! チート! 成り上がり! やり直し! 溺愛! ざまぁ!
どれを使っても、伸びがいいです。
大体このワード群の中から1~3個使うとWEBでランキングにのぼるのを大分助けてくれるでしょう。
あとは長文タイトルにするのも効果的ですね。
作品内容を全部説明してしまえば、読者の判断材料が増えますし、要素がいくつかあればどれかに食いついてくれるかもしれないので。
まぁ、この辺の話に関しては僕以外の人も無限回言ってると思うので、もっともらしく語っても馬鹿らしく聞こえるかもしれませんが。
書籍化を目指すだけなら、やらない方が損するくらいの方法論です。
逆に言えば、これらをやらないで書籍化を目指すというのは、ビハインドを自分から背負い込んで戦いをしているということになります。
方法論を使う目的自体は説明しているはずなので、他の方法でそれを補えるのであればそれで構いません。
だから、ビハインドを他の部分で覆すだけの作品を作り上げるか、自分もその方法論を使うか、二つに一つです。
僻む前に自分のできる最大限をやる。書籍化とプライドを秤にかけてプライドに傾くのなら、書籍化を馬鹿にしない。
当たり前のことです。書籍化するとはプロになるということですから。読者のために最善を尽くせる人だけが書籍化できます。
やることやらずに文句を言うのは楽ですが、その間にも他の夢追い人は目標に近づいています。
夢を叶えて笑うか、文句を言うのが趣味のしかめ面になるか。
好きな道を選ぶといいと思います。
僕はあなたの選択を尊重します。
☆終わりに☆
そろそろまとめに入りましょう。
今回の第3回で話したかったのは、タイトルというのは想像以上に気を遣うところで、ここの良し悪しで小説の評価の5割は決まってしまうということでした。
作品の内容がわからない、口に出して読みづらい、読みたいと思わせる判断材料が少ないの三重苦から逃れる方法論を語ってきましたがいかがだったでしょうか?
あなたが読者だとしたら、どんなタイトルを読みたいと思うか、お客さんとしての立場に立ってみるのもいいでしょう。
さて次回の第4回では、
読者を襲う二の矢! あらすじ&キャッチコピーで心を射止めろ! ○○がわからない話は読まれない!
という内容でやっていきます。
タイトルやあらすじ、その他細かい各項目をまとめて雑に一記事で説明してしまうこともできますが、この連載シリーズは全部読んで実践すれば書籍化できることを目標としているので、一つ一つの要素を深掘りしながら進めていこうと思っています。
次の配信は9月24日(日)を予定しています。
3日に1回更新予定です。
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スプリングをダメにしてしまうくらいベッドの上で跳びはねるでしょう。
また、以下に有料記事を載せています。
無料部分では書籍化するための方法論、有料部分ではさらに発展した書籍化し続けるための方法論について書いています。
今回はパワーワードを使うよりも効果の高いキラーフレーズの作り方をしゃべっていきます。
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