読書備忘(1)Cross Border 海外M&Aの実務_インド
読後理解を深めるために、以下備忘。
あくまでも、本の内容を私なりにかみ砕いたものなので、筆者のニュアンスとは大きく異なる部分があることは容赦願いたい。
【初期的に、正しておくべき認識について】
インドの存在を、正しく認めるべき
日本人の多くは、中印がトップを走る世界観を信じ切れていないはず
心のどこかで、今後も欧米優位の未来が続くと思っている
無意識的にインドを下に見ているのでは
「先進国として先導してあげる」といったマイクロアグレッションが存在
コミュニケーションの癖が強いのは、インドよりも日本
全世界的にみると、インドも相当にハイコンテクストな(共通認識や文化的背景、知識、カルチャーを前提として会話が進む)国の一つではあるが、日本がダントツにハイコンテクスト
【事業環境の背景・ストーリーの理解】
事業環境を細部まで理解する必要はない、背景にあるものが分かっていればストーリー的に理解できる
他国の経済発展とは異なり、一次二次よりも三次産業(主にIT、ヘルスケア)が主導する形で経済発展してきた
が、人口多すぎるので、自国での消費に生産が追い付かず、基本的には貿易赤字国
なので、これ以上自国通貨安が進まないように、自国通貨の買いポジションが続く環境が望ましい
という視点からみれば、外貨獲得は最重要であり、外資を呼び込む各種施策を打っている
面倒に感じる外資規制は、上記背景を理由に、外貨を一定期間国内に滞留させることを主な目的として策定されている
マルチブランドリテールの外資規制は、やや例外的に自国産業保護の色合いが強い
【実務的に重要となる視点】
アドバイザリーは日本人を必ず活用する
自国民にとっての当たり前は、外国人にとっての当たり前ではない。「インド人にとって当たり前のことなので敢えて説明しなかった」は通用しない
社員が誰を向いて仕事をしているのか、観察する
ドライバーズシート問題で悩まないように、プロモータ-あるいは創業オーナーを過度に意識していないか予め見ておくべき
カンパニーセクレタリーの人柄・能力の確認は必須
日本企業にとっては、現場からのレポーティングが生命線
コンパクトに纏められた書籍ではあるものの、いままで読んだインドのビジネス本よりもtake awayが多く、「本の価値はページ数にあらず」と感じさせてくれる一冊でした
以上