理学療法評価学Ⅲ 脳神経検査②
こんにちは、Kogaぶろぐぅへようこそ!
今回は、自学のための記事という意味合いが強く、
理学療法評価学Ⅲの授業で学んだ脳神経検査に関する内容について
詳しく述べていきます。
特に、第VIII脳神経(前庭蝸牛神経)と第IX脳神経(咽頭神経)
の機能や検査方法について詳しく説明します。
脳神経の基本
脳神経は、脳から直接出ている神経であり、12対存在します。
これらの神経は感覚や運動、内臓機能の調整など、
さまざまな役割を果たしています。
それぞれの脳神経は特定の機能を持ち、
それに応じた検査が行われます。
機能
第VIII脳神経は、蝸牛神経と前庭神経に分かれています。それぞれの機能は以下の通りです:
• 蝸牛神経:聴覚を司ります。音を感じ取り、脳に伝える役割を持っています。
• 前庭神経:平衡感覚を司ります。体のバランスを保つために重要な情報を脳に伝えます。
聴覚の伝導路
聴覚の伝導路には、骨導と気導の2種類があります。
• 骨導:側頭骨から振動が直接内耳に伝わる経路です。
例えば、音叉を頭蓋骨に当てて振動を伝えると、内耳に直接音が伝わります。
• 気導:外耳道、鼓膜、耳小骨を経由して音が伝わる経路です。
鼓膜が音を受け取り、耳小骨がその振動を内耳に増幅して伝えます。
聴覚障害には、以下の2種類があります:
• 伝音性難聴:気導の聴力が低下する。
例えば、外耳や中耳の問題で音がうまく伝わらない場合です。
• 感音性難聴:骨導と気導の両方で聴力が低下する。
内耳や聴神経の問題で音がうまく伝わらない場合です。
聴力検査
聴力検査には、Rinne試験とWeber試験の2つがあります。
• Rinne試験:骨導と気導を比較する検査です。
通常、気導は骨導よりも敏感です。
音叉を振動させて乳様突起に当て、
音が聞こえなくなったら耳のそばに持っていき、
再び聞こえるかを確認します。
この検査により、伝音性難聴と感音性難聴の区別が可能です。
• Weber試験:音叉を振動させて額に当て、
どちらの耳に音が響くかを確認する検査です。
音が中央に響く場合は正常、片側に響く場合は異常がある可能性があります。
平衡感覚の伝導路
平衡感覚の検査には、Romberg試験とMann試験が一般的に用いられます。
神経内科では、Dix-Hallpike頭位試験やカロリックテストも行われます。
• Romberg試験:患者が目を閉じて両足を揃えて立ち、
バランスを保つ能力を評価します。
• Mann試験:患者の体幹と四肢の動きを評価し、
平衡感覚の異常を検出します。
第IX脳神経(咽頭神経)
機能
第IX脳神経は以下の機能を持ちます:
• 感覚:舌の後1/3の味覚、舌の後1/3および咽頭の温痛覚と触覚を司ります。
• 運動:咽頭の挙上を司ります。
• 副交感神経:唾液の分泌を調節します。
検査方法
• 咽頭の診察:口を大きく開けて「アー」と言ってもらい、
片側の麻痺がある場合は、障害側の軟口蓋の挙上が悪く、
口蓋垂が健側に引かれるかどうかを確認します。
第X脳神経(迷走神経)
機能
第X脳神経は以下の機能を持ちます:
• 感覚:咽頭の触覚、胸腹部臓器の内臓感覚を司ります。
• 運動:咽頭・喉頭の運動を司ります。
• 副交感神経:胸腹部臓器の運動および分泌調節を行います。
偽性球麻痺と球麻痺
第IX、X、XII脳神経の運動核は延髄に存在し、
延髄が球状に見えることから、核・核下性障害を球麻痺と呼びます。
両側性の上位運動ニューロン障害によるものを偽性球麻痺と呼びます。
症状
• 嗄声:声がかすれる。
• 嚥下障害:飲み込みが困難。
• 構音障害:言葉をうまく発音できない。
第XI脳神経(副神経)
機能
第XI脳神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋の運動を司ります。
第XII脳神経(舌下神経)
機能
第XII脳神経は舌の運動を司ります。
まとめ
脳神経検査は、理学療法士としての重要なスキルの一つです。
特に、第VIII脳神経と第IX脳神経の機能や検査方法を理解することは、
患者の聴覚や平衡感覚、咽頭の機能を評価し、
適切なリハビリテーション計画を立てる上で非常に重要です。
ご意見やご質問があれば、ぜひコメント欄でお知らせください。
どうぞよろしくお願いいたします。