【参加レポート】 2020/7/16 BtoCアプリのリサーチから学ぶ!UXリサーチ結果のクリエイティブ制作への活かし方

概要

アジャイルUXリサーチを支援している株式会社ポップインサイト水谷さん、ナショナルクライアントやスタートアップ企業を中心にデジタル戦略立案、DX推進支援, サービス開発、リブランディングの支援を行なっている株式会社GIG三浦の2名で、「BtoCアプリのリサーチから学ぶ!UXリサーチ結果のクリエイティブ制作への活かし方」をテーマにウェビナーを開催致します。
また、ゲストとして貯金アプリ「finbee」を運営する株式会社ネストエッグ マーケティング部部長 富宇賀さまにご登壇いただき、実際にUXリサーチを行った感想や調査の活用方法などについてもお話いただきます。
 具体的には…
 ・UXリサーチ重要性 / 活用事例や実施ポイント
 ・ユーザー視点を活かしたサイト・アプリ開発の方法
 ・UXリサーチを実施してみた感想
 …など、LT形式でお話いただきます。

UXリサーチ結果をどうクリエイティブ制作に活かしていくか、ということにご興味のある方は是非ご参加くださいませ。

LTの題名正確ではないです後で直しますすいません汗

LT1:UXリサーチ

株式会社ポップインサイト 水谷 駿太氏

イントロ
プロダクトや市場やターゲットに対して
一番最初に理解するためには、ウォーターフォール的アプローチが有効
そこで立った仮説に基づいてアジャイル的に走り出す

UXリサーチで重要な観点

プロダクトの改善が求められたとき
色々対象項目はあるが(検索機能、操作性)
視覚的情報が最も改善対象になりやすい

顧客の期待値という観点
例、広告バナーを見る→ランディングページに移動→離脱してしまった
なぜ離脱したのか⇒バナーで与えた期待値に答えられてない
・なぜかを分析する
・どういう期待を持ってなぜ裏切られたと感じたのか

「期待値を作っているもの」の源泉と調査方法

期待を形成するもの
①価値を感じること/期待するジョブ
②過去の体験
③現在の状況
④対面してるインターフェース
⇒何かしらの文脈が期待値を生んでいる
例、「このボタン押したら、(②過去の経験から)こうなると期待する」

質的調査
なぜ問題があるのか
量的調査
どこに、どれくらい問題があるか

期待値の調査
インタビュー調査で検証するのがメイン
- ①価値を感じること期待するジョブ
- ②過去の体験
ユーザーテストで検証するのがメイン(実際にものを見せる)
- ③現在の状況
- ④対面してるインターフェース

ユーザーテスト
①事前質問
ユーザーのサービスに関わる過去の体験について確認する
・このサイトに来るまでに作られた期待値を把握
・その後の調査に入りやすくする(関係が作れる)
②前提設定
サービスに触れる際の前提を説明
・今回のテストの状況をイメージして調査に参加してもらう
・「こういう立場になりきってテストするんだ」ではなく、自分自身が普段感じるように、思ったことを言って欲しいので
③タスクの観察
操作してるときに感じてることを思考発話してもらう
・タスク実行してる様子を観察
④振り返り
サイトに対する印象、説明が十分だったかというテスト自体のフィードバックも

質は問わずやってみる!
モニター集め
・機縁法(関わっていない知り合い)
・モニタ会社に依頼する(ビザスクさん

5人の調査で8割の問題発見可能

調査の活用方法

重要だと思うこと
チームみんなで現場に足を運ぶ
イメージが膨らんで議論が活発になりやすい

分析を挟む
ユーザーの声を聴くべからず
・要望の真意を聞く
・真の問題に対して、ユーザーにとって使いやすいとは何かを考える
例、ボタンを大きくしてほしい(ユーザー談)
⇒ボタンが目立たないので何とかして欲しいというのが真の要望

UXリサーチの価値
再現性と汎用性
・ユーザーニーズの把握は応用が効く
・調査で聞けたニーズは、他のプロダクトに応用がきく


LT2:共通認識の重要性

株式会社GIG 三浦 彩氏

リサーチした内容をどうプロダクトに反映していくか

プロダクトに関わる色んな問題
共通認識が出来ていれば起きなかったかも

プロダクトメンバーとそれぞれの認識

プロジェクトには様々なコンテキストを持った役職・ステークホルダーが存在してる
立ち位置によって視点が違う、バイアスがかかる
それは当たり前のことである、考えるべきはどう共通の認識を持つか
リサーチをしても、メンバーそれぞれの前提が違えば、結果の解釈や結論も違い、下手をすると対立になってしまうかも
メンバー全員の共通認識を作っていく

ユーザーインタビュー
プロトタイプの細かいユーザーへの確認も
調査のコンセプトがなくユーザーに聞くと、混乱を招く
「何を聞きたくて質問しているのか」の共通認識

プロダクトコンセプト
あるべき姿や、巷の基準だけを考えていると、よく分からないモノが出来る
作りたいモノ、想いがあるはず
その想いの共通認識

プロダクトコンセプトだけではなく、フェーズの要所要所で必要になってくる

調査する

リサーチが出来ないときも簡易なリサーチを実施する
・社内でインタビュー
・営業メンバー
・他のどこかでアンケートを実施してたりしないか
・デスクリサーチ→インターネットに転がる調査レポートやSEOリサーチ
・ヒューリスティック調査

そのフェーズ、チームでやろう

例、大手人材会社の場合
既存では拾いにくい新規向けの人事向けメディア構築

ペルソナ設定
①ユーザー理解とコンセプトメイキングで、ターゲットとなる顧客を設定
・ステークホルダーも混ぜる
・細かいペルソナに落とし込む
②ターゲットに近い人物をSNSやブログで調査しまくる
③こういう遷移をするだろうというユーザーストーリーマップを作る
・間違っていても、後でこの想定が間違っていたと振り返れる
⇒プロダクトのコンセプトの共通認識を作る

ワイヤーフレーム
・突然、ディレクターやデザイナーの作業になってしまう
・一番最初のアウトプットになるので重要
・全員のグループワーク作っていく
※コロナ禍でリモート作業になった
※ホワイトボードでのディスカッション→Figmaの共有でやってる
要素をカードソーティングし、それらをワイヤーフレームに落とし込む
モバイルレイアウトを使う事が多い
・モバイルレイアウトは、縦に並べることになる
・PCと違い、横に並べることが難しい
配置の優先度を強く意識することになる

デザイン
いきなり作業しない
ビジュアルコンセプトから認識合わせしていく
コンセプトシートを起こして、全員で確認した後に制作に入っていく

LT3:プロダクト推進について

株式会社ネストエッグ マーケティング部部長 富宇賀 直也氏

プロダクトの課題

Finbee

登録したけど、貯金開始まで至らないユーザーがそこそこいる
仮説:貯金する時の「どんな仕組みなの?大丈夫?」「お金盗まれたりしない?」といった不安がある?

主要課題1
貯金の仕組みが伝わっていない、操作方法が伝わっていない
⇒説明、チュートリアルを充足させる

主要課題2
セキュリティ面の説明がないことが不安
⇒こちらも説明を充足させる

仮説から課題へ

リサーチの結果、仮説として挙げた課題はどうやらその通りのよう

仮説の補足になり、改善の精度を上げられる
自分達の解釈や、データ分析の結果の課題
リサーチ結果がそれを裏付ける
メンバーの「これを進めて大丈夫なのか?本当にユーザーのためになるのか?」という不安が解消される
そして、プロダクト改善チームの一体感が生まれる

Q&A

Q1
思考発話をなかなかできない人に対して、促すポイントはありますか?
A
自分がやってみせる
調査する対象物でやってみせちゃうとバイアスがかかるので、関係ないヤツで
だんまりして来たら、今考えてることは?と間を置いて聞く、答えを絞る質問(○○だと思って○○しましたか?)ではなくオープンな質問

Q2
経営層へのUXの価値説明
A
利益説明が一番ではある
チームビルディング的な効果があるよ(経営層もそこを気にすると思います)
売上の説明は難しくはある、彼らが気にする価値観に寄りそう
質的分析、全然競合に勝ててないですみたいな方向でまずいと思わせてこちら側に引き込む

Q3
共通認識はどう作られるか
A
ユーザーテストの結果についてみんなで話す、やりたてほやほやの時の方が活発になる
ディスカッションや会話
UX以外のリサーチ(競合、マーケティング)でも、競合と思ってないかも
でもユーザーからしたら競合ならそちらが正しい、ここも大切

Q4
キャスト洗い出し→ペルソナ作成にどれくらい時間をかけますか?
A
洗い出しは1週間
そこからのブラッシュアップ、リサーチ
初期は早めに、そこから回すのが良いかも

Q5
リサーチ結果も、ユーザーのITリテラシーや経験によって変わるが
サンプル数が少ない内容を反映していいか迷うことはありますか?
A
ペルソナを作成して、それにあったユーザーの選別
対象としたいペルソナに影響する属性は気にする
事前アンケートなどで、自分達が対象としたい人達を判別したり(ITへの理解度、業務への理解度など観点はプロダクトによる)
ちいさく検証するというのもあり

Q6
市場やビジネス要件はどこから拾っていますか?
A
検索
検索市場の分析(検索サイトでのキーワードの組み合わせ・数量の分析)
ビジネスとマーケティングと、UXが両立しているか(この市場に参入して大丈夫?ユーザーに寄りそい過ぎて利益がない?)

Q7
制作フローの中で、共通認識にかける時間は?
A
すべてのフェーズで共通認識を持つ
リサーチが一番大事、1か月とか

Q8
Finbeeでのお話
A
類似他社の比較
やりたいこと、ユーザーの声を聴きたいのか、アンケートベースで早く回したいのか
リサーチはキリだし出来るので、フェーズごとや社内で事足りるのか、外注するか

Q
ペルソナの軸はどう選定するか
A
やりながら考えてました、一発で決め切れなかった、何案も作って、フィードバックも受けた上で決まっていった
施策が思いつくときは意味があるペルソナの軸だと思う


時間の関係で、ここで退出しました泣
主催者様、発表者様貴重なお話ありがとうございました!

UXリサーチや前提の調査って、一番最初だからめっちゃ大事!
だからここに時間をかけたい!分析したい!と思っていますが、組織的な特性と「今までやらなかったから、今更やる必要ないでしょ?だってやらなくても大丈夫なんだから」という向かい風にいつもさらされます。
「本当にここでは必要ないことなのかも」「自分が間違っているのか」と流されそうになりますが、効果とか「なぜ」を伝わるように伝える力不足もありますね…
もう少し今のところで頑張りつつ、自分のことも考えなきゃなと思った今日このごろ。

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