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さよなら、じゃないよ

またひとつ、悲しいニュースが耳に入った。

18歳の男の子が、両親を助けるために、NGOを去る決断をした。

彼は仕事をするらしい。

お金を稼ぐため。

これを聞いた時は、ショックだった。

だけども、どこかで聞いたことのある言葉だった。

「あぁ、最初に戻ったんだな」と。

彼と会った時も、同じことを言っていた。

これが、カンボジアの現状だ、と。

だが。落ち込んでる場合じゃない。

自分がカンボジアにいない今、子供たちに何を言っても響かない。

自分が直ぐに何か出来るわけではない。

たったひとつのことだけは、伝えた。

仕事してても、勉強はできるよ。

また勉強したくなったら、私たちに言ってね!と。

あ、ふたつだ。

自分の気持ちを整理するためでもあるけど

一旦、1歩離れてみることにした。

彼はまだ18歳。

とても若い。

彼にはまだたくさんの可能性があると思う。

学校を辞めても、勉強は出来る。

日本語だって、そこでしか学べないわけではないし

なんなら、YouTubeだって、オンラインレッスンだって、日本語学校だって、数え切れないほどある。

仕事をするとしても24時間365日働く訳では無い。

仕事をしてても、勉強はできる。

お金を稼ぎながら、勉強はできる。

そのたくさんの可能性や選択肢を、我々も知る必要があると思う。

お金を稼ぐ場所も、工場だけじゃないだろうし。

建築だけじゃないだろうし。

もし、彼に能力があれば、日本語の語学力があれば

働く場は広がるだろう。

わたしや私の知ってる人がカンボジアでビジネスをやるなら、雇うことも可能。

本当にそうしたいくらい、大切な人材。

期待の星なんだよなぁ。

なぁ。

人生はいくらでも塗り替えれるんだ。

18歳。

まだまだ若い。

父母は当たり前だけど、いつかは居なくなる。

誰だってそうだ。

そうなった時に、次の世代に父母や自身の借金を回すのか、新たな人生をはじめるのかは大きな違い。

それに、今の君が気づけるかどうか。

わたしはずっと待ってる。

あなたが、また夢を追いかけたくなった時には

スっと現れるから。

だから、まだまだ、さよならじゃないよ。

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