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1年前、中学校を中退した子に出会った

今日はカンボジアは前国王妃、つまり今のシハモニ国王の母であるモニコさんのお誕生日。

カンボジアは祝日である。

ちょうど1年前のこと。

この日も、カンボジアは祝日だった。

そして、この日。

私たちのカンボジア生活、インターン生活における分岐点となった日だった。

暑い夏の日。

いつもと変わらずぐうたら過ごす午前中。

代表のマサさんから、ちょうど準備をし始めていた住み込みプロジェクトについて、さやちゃんへメッセージが来た。

休みを利用して、カンボジアの村の方に行くから、住み込みを探しに行かないか、と。

多分こんな流れだったような。

村の方にはまだ行ったことのないわたし。

その話に便乗して、わたしも行きたい!!!

と、駄々こねて(言い方)

連れて行ってもらいました。

行先は、スンダイ高校。

CBBから少し離れた場所にある、高校です。

CBBスタッフのスレイリャなどが通っていました。

そして、そこでの用事が住んだ後、市場でイチタンという名前のはちみつレモンティーみたいな甘い飲み物を買いました。

それから、市場をぬけて目指すはトロップ村。

ここはかつての住み込みスタッフである、リダーが住んでいました。

この村は、学校があるものの、家庭の貧困率が高いそうです。

電気、ガス、水道、どれもほぼ通っていないような村。

そんな村に住んでいたリダーは、今、CBBでの住み込みスタッフを経て、プノンペンのメコン大学にいます。

そんなロールモデルの出身地で、再び住み込みスタッフを探しました。

リダーの家も山の中にあるのですが、その山をまだまだ上り、たどり着いた目下には、自然いっぱいの景色とたくさんの家がありました。

村にたどり着き、聞き込み調査。

「このあたりで、学校を辞めた子はいませんか」

と聞きます。

すると

「そこの家の子が数週間前に辞めてるよ」

という情報が。

こんなに早く?!!!

と、ビビったのを覚えています。

おそるおそる家に入り、得意のあいさつ、チョムリアップスォ。

本人は、ちょうど遊牧に出かけていました。

そして、しばらくして帰ってきた、少年。

それが、のちの住み込みスタッフとなるダエンでした。

この時のダエンは、全く話さず、声も出さず、本当に人見知りでした。

それもそのはず。

自分の知らないところで、学校に復学する話と、日本人と住む話が進んでいるもの。

この国では、親の同意や意見で物事が進むことがあります。

ダエンの両親は、勉強に対してすごく熱心で、彼に復学させてあげたい気持ちを持っていました。

そのため、我々の住み込みプロジェクトにも前向きな姿勢で話を聞いてくださいました。

その日、ダエンの口から出た言葉は

「友達に聞いてみて、友達が行くと言ったら行く」

というものでした。

わたしと、さやちゃんのふたりと微笑みを交わし合い、その日はお別れ。

最後、シャワーをすませたのか、笑顔になったダエンをみれたのが私にとっては嬉しい出来事でした。

第1歩。

帰ってから、さやちゃんとダエンが来てくれたらいいね、とたくさん話しました。

そんな、思い出の1日。

今日という日は

今日という日は、私にとっては忘れられない日です。

私たちのインターンの中心プロジェクトであった住み込みスタッフプロジェクトが始まった日。

住み込みスタッフである、ダエンに出会った日。

ダエンがはじめて日本人と出会った日。

そして、私たちがカンボジアの田舎の、こんなに近い村で、学校を中退した子供に会った日。

改めて、カンボジアの教育問題に触れた日。

そんな日を、わたしはずっと忘れないだろう。

訳:1年前、私たちは出会いました。
CBBに来てくれてありがとう。

この出会いが、将来ダエンのためになることを。

ダエンの幸せための初めの一歩になることを。

ダエンの人生を大きく変えた出来事になることを。

良き方向に働くことを。

遠い日本から、願っています。


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