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キャリアの成長と共に価値が上がる『自分発行の暗号資産』 talent protocolのインセンティブ設計

前回は、Web3の人材領域から、talent protocolを取り上げました。自分の株式会社化とでもいうような、キャリアの成長と共に価値が上がる「自分発行の暗号資産」でサポーターとの関係を構築するサービスです。

今回は、参加者獲得の仕組みとしてのインセンティブ設計と、

将来的にはより大きく得/損する可能性も

トークン・エコノミー面でのお話も少し。
現状、Talent Tokenの価値は固定されています。Talent Protocolのガバナンストークン「TAL」に裏付けられており、TALはステーブルコインのcUSDを裏付け資産として、1TAL=1USドルとされています。将来的に、価値が固定されなくなったら、価格が上がり利益を得られる可能性が出てきます。

ただもちろん損をする可能性もあります。そのため、Talent Protocolのサイトでも、人材のタレント・トークンを購入する時は、「人材のデューデリをしっかりやって、無くなっても良い金額分だけ購入するように」という趣旨の注意書きがあります。自分のサポートした人材が思うように「成長」しなかったので揉める、といったことがあっては、両者にとって悲惨ですので、それを防ぐ仕組みはこのサービスの一つの重要なポイントになりそうです。

なお、TALがcUSDに裏付けられている状態でも、cUSDの価格次第では損する可能性もあるということだと思います。ステーブルコインといえど価格は一定ではありませんので。

初期参加者の獲得とインセンティブ

参加者の中でも人材側の獲得の仕組みとして、クオリティ担保のため、初期の人材は紹介のみで参加できるようになっています。

人材とサポーター双方の獲得の仕組みとしては、初期は価格が固定されているため、短期的な参加インセンティブとして、独自の報酬制度も設けています。報酬はTALで支払われ、タレント・トークンを発行する人材のトークン流通量などに応じた額が、サポーターと人材に提供されます。

この点は、前回も触れましたが、「成長」=「トークン流通量」というのがどうかは、議論の余地があるかもしれません。

今後の可能性や気になるところ

talent protocolはまだまだ深掘る余地の大きいサービスと感じています。

例えば、前述の「成長」の定義もそうですが、サポートする動機も人それぞれだと思うので、人材のタレント・トークンの購入というのがどこまでハマるかは興味深いところです。

また、長期的にこのサービスを使ってもらうには、サポーターと人材とのどんなやり取りを促すかだったり、サポーターが支援したいと思う新たな人を見つけたり、「成長」した人材がサポーターに回ったりする継続的・発展的なサポーターと人材の関係構築の仕掛が肝になりそうと個人的には感じています。

可能性も懸念点も色々思いつきますが、個人的には「個人の成長を長期的にサポートするコミュニティ形成を支える」、そして「サポーター、特に初期のサポーターに長期的に還元していく」というコンセプトには共感しますので、引き続きウォッチしていこうと思います。

この記事は特定のサービスの利用や暗号資産の保有を勧めるものではありません。

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