デジタルツインで楽しめる
経営のコツは最大ではなく最適。
「どれだけ大きくなるか」ではなく
「どれだけ楽しめるか」。
これにもAI(人工知能)テクノロジーは活用できる。
たとえば;
これからの建築は建てる前にシュミレーションするようになる。
建築の企画段階で「楽しめる」閾値を設置できるのだ。
これは大きいよ。実際に経てちゃったら「やり直し」は実質不可能だから。
店舗であれ、工場であれ、タワーマンションであれ、ホテルであれ。
「メタバース」というコンセプトがある。
たとえば、店舗を建設するとする。
近隣の人口構成、住民の購買力、周辺の競合しそうな店舗の売上、ネットショッピング普及の深度・頻度などのビッグデータを使って、来店数は建てる前からシュミレーションできる。
店舗内の棚と陳列商品、在庫数などもシュミレーションする。
建設費用だけではなく、「建ててしまった後」に必要な運転資金もこれらのシュミレーションでできる。
まず仮想空間で店舗を建ててみる。
店舗スタッフはすべてロボットだ。
ロボットがロボットを訓練しながら、店舗を運営してみる。
天候、近隣の学校、お祭りなどのイベント・・・
これらのデータも加味し、ちゃちゃちゃっと計算したら、最適な来店客数が出る。
最適な店舗スタッフの配置とタイムシフトも出る。
さまざまに与件を変えてみて、「うん、これなら楽しめる」という店舗になったら、その段階でデータをダウンロードし、最終図面にすればいい。
それから初めて店舗建設に取り掛かる。
そして実際に店舗が開店してからも、仮想現実(デジタルツイン)の店舗はそのまま運営しておく。同じ与件を入れて。
リアルとツインの経営業績の比較で、どこをどう直せばいいのかわかる。
時には経過時間を10倍速に設定してみる。
10年後の店舗がどうなっているかが見える。
タワーマンションとか、建築物で一番気になるのは経年変化だ。
どこに注力してメンテナンス費用を予算化しておけばいいのかが見えてくる。
小売に話を戻す。
小売にとって最大の難問は人員シフトと仕入れだ。
仕入れすぎたら在庫に苦しむし、足りなければ機会損失になる。
こういう部分こそ、ビッグデータが助けになる。
楽しい経営のためにも、AIやロボットは必要なんだと、あらためて思った。
ゲームの世界だけじゃないんだね。仮想現実は。