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欲しい席でなくても、がまんしろ

いつものことだがBE:FIRSTライブチケット申し込みは難しい。

高校受験以来のアタマを使った。

ぼくはSS席一択であり、他の席なら行かない。

・・・ところが。

まず、S席(or S席着席 or A席)抽選にエントリーしなければならない。
その抽選に合格した人のみが、「SS席へのアップグレード」可能。

S席は15,000円。SS席は30,000円。「アップグレードはお持ちのマイルをお使いいただけます」とはならない。

1次抽選に残り、あらためて「アップグレード抽選」のための手続きをし、晴れて「合格」となった暁には差額15,000円がS席申し込み時に情報渡したクレジットカードで引き落とされる。

言い換えれば

もしSS席アップグレードに落ちたとしてもS席(またはA席)は絶対買え

という極めて強気の姿勢なわけである。

BE:FIRSTのライブは明らかにファンクラブイベントであり、全員BE:FIRSTラブだ。だから、「たとえ好みの席でなくても、来るだろう」というチケット設計なわけである。

言い換えれば

「欲しい席でなくても、がまんしろ」

毎日集客している自分としては羨ましい限りだが、ただ、これって、「人気絶頂期の設計」であり、陰りが見えてきたとき真っ先に離れるのが「がまんさせられたファンたち」だろうね。そしてその数は多い。

全行程に手をあげるつもりだったが、このシステムだと全行程を購入しなければならないわけで、まあ、主催者サイドからすれば一次選考で速攻キャッシュの売上が立つわけでありがたいだろうが、なんかなあ。

全行程やめて、ある会場のある日程一択にした。お金は大事に使わなきゃ。にしても、本当に買いたいSS席が買えるかどうかはわからない。

チケット価格といえば、昨日SkyシアターMBSに行ったのだが、能狂言版『鬼滅』、高いね。

12,500円。小学生半額6,250円で、お父さんお母さん小5の長男、小1の妹で行くとなると37,500円。「それならUSJ行くか」、となるかもしれない。

『鬼滅」という鉄板ネタで子どものうちから能狂言に親しんでもらおう、という狙いの演目だと思うが、たとえばVIP席を用意して、小学生はせめて1,500円とかにしてあげないと、ファミリー層はつかめないと思います。能・狂言もビジネスモデルの更新が必要な分野。チケット代金とグッズ販売だけでは満足な売上にならない。

だからいきおい、チケット代だけが上がっていく。

チケット代だけで成立するのはBE:FIRSTや昨日やってた「ラヴィット!ロック」くらいかもしれない。

朝のバラエティ番組「ラヴィット!」の人気を受けて昨年に引き続き今年2回目の開催、なんと、オンライン7万人が視聴した。会場の代々木体育館は1万人。

@tbs_loveit

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♬ オリジナル楽曲 - TBS『ラヴィット!』 - TBS『ラヴィット!』

オンラインチケット代は3,500円だから2億4,500万円の売上。プラス、会場のチケット1万人分。

つまり、「ライブをチケット代とグッズ販売売上だけで利益出す」ビジネスモデルが成立するのは、BE:FIRSTやラヴィット!のように「超人気」でなければならない。

でも、世の中、「超人気」のほうが少ない。ふつうが大半。

どうする?

昨日商店街でやっていた弾き語りの子、たぶんウィークデーはどこかの会社にお勤めなんだろうなあ。でもあのまま弾き語りをいくらやっても「音楽でめしを食う」にはならない。これは音楽やってる子たち全般に言えることだろうね。

じゃ、「SNSで発信し、目立って有名になればいい」というのも答えじゃない。

何度も繰り返し言ってるように、「仕組み」ができていないと、お金の循環が生まれない。納税もできないし、サスティナブルなビジネスにならない。

仕組みは、たとえば、『ビッグ・ウェンズデー』でやったように3種類の価格チケットを用意するとか、これまでの常識を破る何かを用意する。そして答えは一つではない。

その答えをあれこれ実験検証するのが、マーケティングの醍醐味。

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