決める
「良かったじゃない。旭化成でもコピーライティングの仕事はできるし、勉強できるはずよ」元カノ。
再点火してホノルルに行く夢の続きを見てる。
そう、夢の続きに行けるのはぼくの特技なのだ。一ヶ月くらい、大河ドラマみたいに見続けたことがある。
同じ夢に舞い戻った理由はほかでもない、イチャイチャしたいからなんだが、なぜか就活の報告し合ってる。
広告代理店、新聞社、テレビ局、およそ20社ことごとく落ち、ようやく合格できたのが旭化成、というのは事実。
彼女は大学生の姿、ポニーテイル。就職せず、別の大学院受験するという。これも事実。
ただ、ホノルルにいる、というのは事実じゃない。一緒に行ったことない。
シェラトンのプールで話してたはずが、いきなり時間飛び、ビジネスで大成功おさめ、地元テレビ局ALOHA-1の取材受けてる。
「私は、トイレという、従来はやむを得ず行く、できれば行きたくない場所を再定義し、子どもからお年寄りまでみんなが行きたくなる目的地、destination placeへと転換したかったのです。その思いは叶いました」
どうやら全米のトイレ王になったようで、大型バスがぼくの経営するトイレに続々横付けされる。
この看板の記憶が強烈なのかもしれない。
「やると決めるのよ」元カノ。
「やると決めたら、そのように転がっていく。コピーライティングで身を立てる、やると決める」
彼女の言う通りやって、コピーライティングで身を立てているかというとトイレ王になってる。人生万事塞翁が馬で、何が幸いし、何が妨げになるかわからない。
決める。
元カノのセリフになってるが、これはぼくの姿勢だ。
興味も何もない旭化成に就職、営業に配属された。
ただ、「書く」ということは大事にしてた。
書き続ける、決めてた。
ノートパソコンが出た。
ネットが出た。時代の風が背中を押してくれた。
おかげで「書く」がやりやすくなった。
メルマガを発行し、それがきっかけで、グロービス講師の副業へとつながり、出版デビュー『パーミション・マーケティング』翻訳へと広がった。バブルで世の中浮かれてるけど、当時の勤務地広島はまるで別世界、同期に遅れを取らないため『TIME』読んだり英検受験したりした。この英語力が翻訳へと。
グロービスのご縁とパソコン通信ニフティサーブ「マーケティング・フォーラム(今でいうコミュニティ)」で目立ったことによって会社以外の人脈が出来た。メルマガ読者の応援も大きい。
『パーミション・マーケティング』ベストセラーになった背景は、この社外人脈に負う。当時アマゾンはまだ日本になかった。リアル書店だけの販売。
やがて会社卒業し、ニューヨークへ渡って起業、独立へとつながる。
決める、は日常生活でもやってる。
コロナやインフルエンザにはかからない、と決めてる。
腹出ない、と決めてる。
そこいらのやつと一緒はイヤと決めてる。
決めると、そういう方へ動く。
とはいえ、思い通りにはならない。
右に行きたいのに、まっすぐしか進めないことがある。
でも、人生万事塞翁が馬。
この時右へ行かず、まっすぐ進んだことが後で効いてくる。
効いたかどうかは「決めたこと」の検証でわかる。逆にいうなら「決めたこと」がないとわからない。
決めましょう。そっちへ転がっていきます。
さて、全米トイレ王。自分も行きたくなって、目が覚めた。またイチャイチャできなかった。