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長い話を短くする
なんで最近の映画はどいつもこいつも長ぇんだ?
3時間とか、2時間半とか。
まとめろよ。
シャキッとキリ良くやってくれ。
・・・と思っていたらエコノミストのライターも同じらしく、記事書いてる。「なんで映画がこんなにバカバカしいほど長くなっちまったんだ?」
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1910年『フランケンシュタイン』は16分、映画のリール一本分だった。キリが良くていいじゃん。
それがいまはこんなありさま。
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1930年代と比較して、倍近く長くなってる。特にヒット作(赤い折れ線)は長い。はっきり50%長い。
チャップリン『モダン・タイムス』が87分。コンパクトだ。いい。
これは他のアートでも言えるのかもしれない。
ビートルズ『イエスタディ』2分06秒。
『ヘルプ!』2分19秒。
『サムシング』3分02秒。
矢沢永吉『時間よ止まれ』4分28秒。
これらの楽曲は短いがポップスの世界を変えた。
書店でやたら分厚い本があって、思わず笑ってしまったのだけど、やっぱりトマ・ピケティくんだった。その前の本『21世紀の資本』が本文608ページ、原注、図表一覧要するに付録が98ページ。
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r > g
の1行で済む話を長く書いてる。ついでに本の価格も高くて、本体5,500円だ。宴会の会費みたいな値段になっちまってる。
新作『資本とイデオロギー』が1,128ページ、価格6,930円で、宴会会費より高い。
短くまとめる力がないんだと思う。あるいは、自己愛が強いか。「ずっとぼくの書いた文章に寄り添って欲しい」
ひと言で言えば済む話を、長々とするのは粋じゃないね。
話の長い商人(あきんど)に腕の立つ人はいない。
披露宴で話長くてみんなを困らせるのはたいてい教師だ。つまり教師ってのは粋じゃないんだよ。
志ん生「火焔太鼓」25分36秒 これでも長いほうだ。
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題材探してて、ふと書棚見ると同じのが2つあるじゃねーか。
コクーン歌舞伎『三人吉三』。JOYWOW由歌利がぼくに借りてたから返す、と返してもらったんだけど、実はぼくも由歌利も自分のを買っていましたとさ、というオチ。
これって、話が長いのか短いのか。お後がよろしいようで。
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