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再びキャプテン・ビーフハートを

今は全然レコードを買わない、いや買わないようにして自宅堀りで我慢している。ただ、それを極端にやり過ぎると精神衛生上良くない。本当に塞ぎ込んでしまう。

そこで、一定の予算を決めて、その範囲内でやりくりし、すでに持っている作品は買わないようにした。そうすると、ちょっと前まではあんなに高いレコードを買っていたのに、現状「欲しいな」と思った1枚に出会っても、意外と我慢できる自分に気がつく。そもそもレコード店でレコードを見る行為自体が好きなのかもしれない。いや、やっぱり我慢しているのだろうか。

「すでに持っている作品は買わない」これあたり前のことではないかと思うかも知れないけれど、オリジナル盤のマト違いから始まり、各国盤やリマスター盤、国内盤の帯あり・帯なし、あと状態の良いものに買い換えとか、好きな人なら理解してもらえると思うが、普通に買っていると同じ作品が「増える」のだ。

少し前にXで流行った、「#違うんだよカーちゃん会場」というタグとともに、レコードに限らず様々なコレクターが同一作品を並べて「全部同じに見えるけど、違うんだカーちゃん」と言い訳しているポストが、まさにそれである。みんな同じなんだなと微笑ましく眺めていた。カーちゃんはたまったもんじゃないだろうけれど。

最近買ったのはキャプテン・ビーフハート『ミラー・マン』US盤の2ndイシュー。一応ギミックカバーで、ジャケ・盤ともに状態も良く安かった。

ビーフハートはすごく好きなのだが、『トラウト・マスク・レプリカ』のUSオリジナル完品以外は、以前の金欠時にほとんど売ってしまった。「どれ聴いても同じか」という酷い理由で。聴きたくなったらまた買えばいいやとも思っていた。

ただ、『セイフ・アズ・ミルク』と『ミラー・マン』は今までCDでしか持っていなかったし、“プレ・ビーフハート”な作品を突然アナログで聴きたくなったのだ。より原初的で時空が歪むような音を、あやふやな状態の自分が欲したのかもしれない。

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