AIが何でもやってくれる時代にどんな仕事で生き残れるか
ChatGPTが公開される以前、「単純作業がAIに置き換わり、知識提供型の職業もAIの影響を受ける」との予想が多かったように思います。AIに仕事を奪われないようにAIを使う側に回ろうと、Pythonを勉強し始めましたが、ちょっとやそっと勉強したところで、仕事が得られるはずはありません。そしてChatGPTの登場です。なんとコンピュータ言語を使わずとも日本語でコミュニケーションがとれるではありませんか。かつての語学専攻者としては試さずにはいられません。英語、スペイン語で試してみましたが、回答スピードを除けば、人間とコミュニケーションをとっているとしか考えられない自然な言葉づかいです。外国小説の一節等を日本語に訳してもらうとさすがに、日本では誰にでもわかりますが、「性別や年代による言葉づかい」の違いまでは特別なリクエストをしないと考えて訳してくれないようでした。
AIに仕事を奪われないようにプログラミングで生計を立てようと考えていましたが、なんとChatGPTはプログラミングが得意です。お願いすると瞬時に回答してきてくれる。ただし、完璧ではなく、こちらの意図と違うところはあり、そういったところは検証しては修正依頼の繰り返しで、改善していく必要はあります。
確かに、AI技術は驚くほど進化し、ルーチン業務の効率化も進みました。例えば、経理の入力作業や医療分野での画像診断、法律文書の分析など、膨大なデータを扱う業務はAIが驚くべきスピードでこなします。しかし、注目すべきは「AIですべてが置き換わる」とは限らないという点でしょう。
クリエイティブであると同時に「人間らしさ」が不可欠な仕事は今後も多くの人を必要とするのではないでしょうか。カウンセラーやコーチ、教育者、看護師といった職業は、感情や共感、個々の事情を考慮したコミュニケーションが求められます。人が安心して助けを求めるには「人だからこそ分かってくれる」という感覚が必要であり、これはAIにはなかなか難しそうです。
業務上の翻訳、通訳といった仕事はAIがかなり活躍できる分野ではないかと思いますが、アプリがあれば外国人とコミュニケーションをとれるとわかっていても、今でも英語が喋れるようになりたいと思う人は多いようで、語学系Youtuberのフォロワー数は高いですし、ちょっとくらい高くても、買い物に行くなら対応のいい店員さんのいるところに行きたいと思いますので、人と人とのつながりが今後も重視されるような気がします。
結局、どんな仕事が今後も残るかというよりは、どんな分野にも人は必要で、どんな人がそこに残れるかということのような気がします。「人間らしさ」が不可欠な仕事には当然、人が必要ですが、必要なのは「人間らしさ」を持った人です。
AIの情報量の豊富さ、スピードには人間では太刀打ちできそうにないので、AIと上手く付き合っていくこと、つまりAIを上手に使って業務の効率を上げるスキルを身に着け、周りの人とも上手くコミュニケーションがとれるようになることが目指す姿かなと思うようになりました。