ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#255
フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。
#255 :赤ちゃんの保育(その4)
どれも私が知っているものばかりですが、子守がこのことを怠ったために赤ちゃんが大変な目にあったという本当の話を、いくつも話すことができます。少しだけ例を挙げておきましょう。
1、離乳期の子供の食事は何度も定期的に与え、1度にあまり多く食べさせないようにする必要があります。
私の知っている母親の子供が、ある日、ひきつけを起こし、とても危険な状態になったことがありました。その子は1歳位でした。母親が教会に行きたかったので、出かける前に3回分の食事を1人だけで子供に食べさせたのです。かわいそうに、その子が引きつけを起こしたのは当たり前です。
また、私が知っている5歳にもならない女の子がいます。その子の母親は、毎日とても遠くへ出かけなければなりません。そこで女の子に1歳にならない弟に食べさせ、世話をするように頼みました。その子はいつもきちんと世話をしました。いつも母親から言いつけられた通りにしたのです。
ある日、小屋に見知らぬ人がやってきて、赤ちゃんを火傷させてしまうよと言うと、その子はそんな事は無いわ。私はいつもまず自分の口を火傷させているのだものと答えました。
(2024年5月8日配信)
フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。