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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#195
フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。
#195 :観察する人は感覚で触知できるものを重視しすぎ、患者の状態からどういうことが暗示されるかは考慮しない
次のような2人の患者を知っている。1人は何度も脱臼して、どの外科医からもいつも甘やかされていた。もう1人の患者は、何も悪いところがない、わかるような器質的変化は起こっていないと言われたが、その週のうちに死んだ。
両方の場合とも、看護師が正確に観察したものを、正確に医師に指摘したために、1人の患者は偽りに固執することから救われ、もう1人は瀕死の状態で退院させられるのをまぬかれて助かった。
さらにもうすこし突っ込んで、次のように言うことができよう。器質的変化がなく、何かの機能が虚弱か不全であるために病気がある場合、実際の状態について否定的な考えしか持てないことも、偶然ある。
(2024年2月6日配信)
フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。