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珈琲、学術、読書

 皆さんの読書の友は何だろうか。人によってはクラシック音楽だったり、ウイスキーだったりするだろう。私の場合は最も多いであろう珈琲である。  冬。何も予定のない休日。斜めに射す午前10時の太陽光が部屋を照らす。そんな中で楽しむ珈琲と読書がお気に入りだった。最もそんな充実した朝など数えるほどしか体験していないのであるが。  こんな書き出しになったのには理由がある。今日私は年上の友人kさんと珈琲を飲みに数駅離れた喫茶店まで行ったのだ。kさんは、研究者の卵で私がkさんの研究を手伝った

    • 読書についての雑考

       晩秋。夜の長さにかまけて読書などしていたら一〇時になってしまった。明日は朝から仕事があるというのに、久々の読書があまりに心地良かったのだろう。今こうして感化されて筆などとっているのも、晩秋のさせる技なのだろうか。  私は昔から読書が好きだった。一番古い記憶では児童書「エルマーの冒険」を母に読み聞かせてもらっているのが出てくる。当時私は3歳か4歳。幼稚園に居たことは確かだが、正確な歳までは思い出せない。どこまでも勇壮に続く冒険談に心奪われ、眠そうな母に続きをいつまでもせがんだ

      • 人生を合法的に立ち止まる方法はないだろうか

        人生を合法的に立ち止まる方法という物はないだろうか。 現世はとかく濁流のように行き過ぎる時の流れに翻弄されている。人は皆うつむきながら速足で、耳に何か聞きながら、電話をしながら、パンを咥えながら、往来を行く。生き急ぎ、健康ブームで時間を大量生産し、大量に消費する。  今の私には休息が必要である。というか、現代人は皆休息を求めてさまよっている。社会人の友人が「生存のための労働ではなくて、労働のための生存なんだ」と言っていたのを思い出す。正にその通りだと思う。  パン食が増えたの

        • 家族について

           父について語りたい。  私の父は今年で54になる会社員だ。大食漢で巨漢。ヘビースモーカーだったが私が生まれてから何度も禁煙している。先祖を篤く敬い、自らも家系を継ぐ人間だ。仕事人間でほとんどの時間を仕事に費やしている。  父は滅多に私と関わらなかった。関われなかったといった方が正しいと思う。私の幼少の記憶の中の父は、寝ている姿か休日にも関わらずパソコンに向かっている姿である。よくある型の家族における休日の過ごし方、つまり行楽地に連れて行ってもらった記憶など片手に収まるくらい