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習慣化には「仕組み化」

この記事は、昨年に引き続き参加しましたAsanaコミュニティ Advent Calendar2023の投稿です。(昨年投稿した記事はこちら
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「習慣」「習慣化」とは

「人は習慣によって作られる、優れた結果は一時的な行動ではなく、習慣から生まれる(アリストテレス)」
私の好きな言葉です(なぜか山本耕史さんの顔がちらつく…w)。

「習慣」「習慣化」でググると、
「習慣」とは、ある行動を定期的に無意識におこなっている状態のことで、「習慣化」とは、意志の力に頼らず自然と身体が動いて行動できる状態のことだと記されてました。

仕事や人生の理想や目標に到達するためには、ありたい行動を意志の力に頼らず自然と続けられるように「習慣化」することが大切だと思っています。心がけてはいるものの、常に実践できているかといえばまだまだで、モチベーション頼みの取り組みが多いなと反省してます。

浸透や定着の「山」や「壁」?

ASANAというワークマネジメントツールの企業ユーザー会「PLANETS」では、各企業のPMO(Project Management Office:社内のマネジメント業務の支援活動をしている方々)とグループディスカッションを行うのですが(これがまた有意義な時間なのです!)、ASANAの活用の浸透や定着については必ずといっていいほど「山」や「壁」に例える方がいるように、浸透や定着については多くのPMOの方々が苦労されているようです。

かくいう私はものぐさで継続することはどちらかというと苦手なほうです。そんな私ですが昇降機メーカーの IT関連本部(3部門で数十名)のデリバリーマネジメントを統括する立場でして、何とかしたいなと2021年10月にASANAを導入。3ケ月で本部内で取組中の約100ほどあった全てのプロジェクトの管理をASANAに切り替えました。2022年から全部員がASANAを活用してプロジェクトマネジメントを行うようになり、導入1年後には目標の年間2,000時間を超える、年間3,200時間の会議時間を削減できました。
今では皆さん当たり前のように「それってASANAで管理したら?」が口ぐせのようになるまで浸透したことが、何より嬉しい反応でした。

短期間で浸透できた要因は、ASANA導入前からマネジメントの型があった点などいくつかあるのですが、ここでは定着でお困りの組織でも使えそうな環境面の取り組み、また定着させる上で押さえておきたい管理面の取り組みに絞りまして、どのようにしてASANAを活用したPMOを本部内のリーダー・メンバーに浸透させたのかを書き連ねてみます。

今回は「なんでASANAにしたの?どんな点がASANAはいいの?」という問いへの回答は省いてしまいます。ご興味のある方は、以下リンク先のTateyamaさんの投稿内にありますASANAはワークグラフである点や、イベントでASANA長橋さんと対談させていただいたときの記事をご参照いただけたらと思います。

習慣化には「仕組み化」

「習慣化」に関する書籍は様々ありますが、ものぐさな私からしたら「それで習慣化できたら苦労しないよー」と言えるようなコツも多く見受けます。私が以前より習慣化で参考にしているのは、泉正人さん著『「仕組み」仕事術』です。この書籍で挙げているコツはどれも、ものぐさな私でも無理せず実践しやすいコツばかりです。詳細は書籍を読んで頂くとして、3つのポイントと7つの行動を上げておきます。

■仕事を「仕組み化」する3つのポイント
 1.才能(スキル・経験)に頼らない
 2.意志の力(頑張る・モチベーション)に頼らない
 3.記憶力(覚える・思い出す)に頼らない

■「仕組み」で考える人の7つの行動
 1.楽することにこだわる
 2.シンプルに考える
 3.記憶せずに記録する
 4.わからないことは聞く
 5.自分の仕事を時給で判断する
 6.うまくいっている人の真似をする
 7.自分を型にはめる

「PMOの習慣化」環境編

定着させるためには、環境面の手間・不便・面倒をなくすことが重要です。記録しよう・確認しようと意志の力が働かなくても目に飛び込んでくるか、1クリック程度で済むか、最短の導線になることを心掛けました。私たちは環境整備としては次のようなことを行いましたが、ASANAは機能が充実していますので準備はどれも非常に簡単です。

■PCのブラウザで強制的にASANAが開くようにする。

ChromeやEdgeなど所定のブラウザは毎朝必ず開くのではないでしょうか?
私はChromeを開くと勝手にASANAと社用ポータルサイトが開くように設定しています。このように毎朝勝手に目にASANAが飛び込んでくるようにしたことで、毎朝「ASANAのマイタスクを見て今日すべき仕事を確認する」習慣が身に着くようになりました。

■スマホにASANAアプリをインストールする。

外出中とかで「これやらなきゃ」とタスクを思いつくことはありませんか?
私はそんなタスクに限って、後で「あのとき何やろうと思ってたんだろ?」と忘れることが仕事や私用で多々あります。そこで一番身近なデバイスであるスマホにASANAアプリをインストールしています。これで、いつでもどこでもタスクを思いついたときにすぐASANAに記録するようになりました。

■メール・チャットツールとの連携機能を活用する。

メールやチャットで仕事の依頼や指示が届くことは多くありませんか?
依頼を受けた仕事はメール内に埋もれがちです。ASANAにはGMAILやSLACKなどコミュニケーションツールとの連携機能があり、非常に相性がよいので必ず設定しておきましょう。メールから指示や依頼を受けた仕事は「Create a task」ボタンを押して、保管したいプロジェクトや担当を指定すれば、メールが紐ついたASANAタスクを作成することができます。タスクからメール内容を読んだり該当メールを開くこともできますので、仕事依頼をメールから探す手間や周知の漏れを減らすこともできました。

■ベストプラクティスをASANAのテンプレートに用意する。

環境面では、この点が一番重要かなと思っています。
どの仕事でも、ベストプラクティスといえる「型」はありませんか?
ASANAを導入するにあたって最初に行ったことは、規定やチェックリストなど体系立てられた最も成果を出せる手順や方法をあらかじめマイルストーンやタスクに組み込んだプロジェクトテンプレートを用意したことです。担当はテンプレート内のマイルストーンやタスクに沿って仕事を進めるだけで、記憶や才能に頼らない高い業務品質で仕事を進めることができるようになりました。また管理者は、マイルストーンの進み具合を俯瞰して見れば開発進捗が追いかけられるようになりました。
用意したプロジェクトテンプレートには、システム開発、基盤導入、SaaS導入、生産設備導入、入社時の受入対応、異動/退社対応、RCAレポート(RCA=根本原因分析のこと。業務で品質問題が起きた際にはテンプレートのカスタムフィールドにある手順に沿って体系的に根本原因分析を行い、サブタスクに応急対策や再発防止策を登録します)といったものがあります。

「PMOの習慣化」管理編

ASANAは便利なマネジメントツールあることは間違いないですが、あくまで手段でありツールです。あるべきマネジメントを定着させるには、日常業務の中に組み込み当たり前のようにASANAを使用する(しかない)管理の仕組みが必要です。私たちは日常業務に次のようなことを組み込みました。

■全てのプロジェクトやタスクをASANAで一元管理する。

管理面では、この点が一番重要かなと思っています。
組織全員の仕事を一元管理できるようにすることで、担当者にとっても管理者にとってもASANAをみれば、抱えている全ての仕事の進捗や遅れ・業務量や負荷・成果がいつどこからでも見えるようになります。これが徹底できてないと「あれってどうなってるの?」という無駄な確認や繰返しの報告が横行して会議時間を削減することができません。管理者は慣れ親しんだ管理手法の課題に目を向けて、自ら率先して「部員の仕事のための仕事を減らす」のが肝要です。

■全員参加の場でASANAのポートフォリオやレポートを見ながら、プロジェクトの進捗や成果や期限超過を共有する。

私たちは、ASANAのポートフォリオ機能やレポート機能を活用して、毎週、本部全体や担当レベルといった大小多角度での進捗確認や問題解決を全員参加で行っています。これはASANAのワークグラフだからこそ簡単に表示できるマネジメントで非常に助かっています。EXCELやTABLEAUで同じレベルの集計・表示を行うとしたら準備の労力を想像しただけでゾッとします。
必ずしも以下に挙げた方法でなくてもよいと思いますが、大切なのは、進捗遅れや品質問題が手遅れになる前に関係者の目に留まり、担当が隠さず声を上げやすい仕組みや場を用意することではないでしょうか。
1)毎週初日に「デリバリー会議」というデリバリーマネジメントのWEB会議を開催、全部員が参加します。
2)ファシリテーター(私)は、本部内の全プロジェクトを登録したポートフォリオを使い、全プロジェクトのステータスやマイルストーンを表示します。
3)プロジェクトリーダーは、先週末に登録したステータスから、①今週の成果、②来週の予定、③問題とリスク、④解決策とマネジメントエスカレーションのうち、特に③④を報告。解決策を全員で議論のうえ決定します。
4)ファシリテーターは、本部全体の期限超過タスクや完了実績が見えるレポート機能を使い、①本部内の期限超過タスクの総数、②個人別に並べた期限超過タスクリストを表示し、各自の自主的な期限超過の是正を促します。

■会議の議題・議事録にASANAを使用する。

会議では通常、解決必要な議題が提示され、結論とアクションアイテムが決定します。これを議事録に書き留める訳ですが、私たちは会議用のASANAプロジェクトを用意して、議題や議事録にはタスクやステータス(、中にはプロジェクトの要旨欄を使用のケースも)で登録しています。
ASANAのタスクは複数のプロジェクトに紐付けて登録することができますので、議題やアクションアイテムはタスク化して関連する会議用/開発用プロジェクト全てに紐付ければ、担当者にとっては報告が二度手間なく一回で済ませられます。管理者にとってはタスクに紐付いた会議プロジェクトの議事録を参照すれば、どのような議論・結論からそのタスクが発生したのか目的を確認することできます。

おわりに

以上、色々挙げ連ねましたが、PMOにとって一番大切なのは、自身が楽しんで面白がって仕事をすることかなと思っています。浸透・定着しないことを責任論や人のせいにするのは健全ではありません。
あくまで「仕組み」に向き合い、コツコツと「仕組み化」で解決していくことが、「習慣化」「浸透・定着」につながる近道だと、私は信じています。
そして、現在や将来の状況や課題は、ポジティブに捉えて楽しく面白く置き換えるようにすることだと思います。
それでも困ったら?私の上司でもある友岡さんが挙げております有効な戦術(↓)を実行するか、

周りを見渡して楽しそうに仕事や結果を出している人に相談してみてはいかがでしょう。もし身近に相談できる人がいない場合はぜひ「PLANETS」に参加して、一緒に組織や社会の課題を解決しましょう!


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