ちいさな庭だより。2024年4月号。
[intro]
冒頭から正直に言わねばならない。本当に、何から書けばよいのか分からないほどに植物たちの動きがめざましい。連日、庭に出るたびにあたらしい発見がある。何もかもがハイライトのような一か月だ。
[街なかの、裏庭より。]
桜の開花あたりからだろうか、ちいさな庭の植物たちが一斉に活動を開始した感がある。ヤマブキとアジュガの対照色の風景にはじまり、先月号で芽吹いたことにホッとしていたイカリソウはあっという間に花をつけた。わたしが知っているイカリソウとはちょっと違うな、と調べてみると、バイカイカリソウというものらしい。なんとも楚々とした愛らしい花。これはたまらない!もともとは暖かい地方の植物のようだが、この冬が比較的暖かかったから、北陸でも冬を越せた、ということなのだろうか。今後も大切に育てていきたい。
先月芽が出てよろこんでいたチオノドクサは、葉は伸びているものの、花を咲かせる気配がない。今季は球根を育てることにしたのだろうか。一方、能登の庭から移植したシラーにようやく蕾がついた。鉢での管理のせいか若干コンパクトな印象はあるが、ともあれ開花がたのしみだ。
冬の間、室内管理チームになっていたアッツ桜がいつのまにか枯れたようになってしまい、鉢をひっくり返してみたところ、ちいさな球根が多数出てきたのでいくつかに分けて植え直した。これがうんともすんとも。夏日のような気温の日もあったから、弱ってしまったかと思っていたら、芽のようなものが顔を出している。まだ確証はないので、アッツ桜であればいいなと思う。球根類はこのわからなさも含めて、なんだかおもしろい。
そういえば冬越しに自信のなかったサギソウも、無事に芽吹いてきた。交換会の常連メンバーNさんによると、とにかく水を切らさなければ大丈夫だというのでそのようにしているが、今のところは元気そうでなにより。開花にたどりつければラッキー、くらいの気持ちで見守っている。
ブリキの小ぶりのバケツで楽しんでいた睡蓮、株分けはしてあったのだけれどちょうどよい入れものがなく、そろそろなんとかしないとさすがに手狭だな、と思っていたところ、旧宅で漬物用?の器を見つけたので、採用。ちょっとレトロな風合いで、色も模様もちいさな庭に似合う(と思う・笑)。肝心の株も、とりあえず枯れてはいないようで一安心。
今月はとにかくどれもがハイライトなのだが、中でも最大のハイライトが、これ…旧宅のポポーである。睡蓮用の器を取りに行って、ポポーの様子がいつもと違うことに気がついた。もけもけした丸いかたまりがいくらかぶら下がっていたのである。何かよからぬ虫の何かだろうかと一瞬身構えたが、どうも違う。どうやらこれは、花らしい。
数日後にまた見に来ると、上記のような姿になっていた。出来心で種を植えてから、どれくらい経っただろうか。念願の開花である。
ポポーは確か雌雄があるはずで、結実するかどうかはまだわからないが、ひとまず花をつけるところまで育ったということが分かってよかった。頃合いを見て引っ越しを検討中。
今月はとにかく、スミレたちにたのしませてもらった。ニオイスミレとラブラドリカから、ヒラツカスミレ、タチツボスミレ、ニシキスミレにアリアケスミレとよく咲いた。ニシキスミレは春にのみ、葉が斑入りになるとのことだったが、本当だった。先月号に書いた謎の種の正体は、どうもニオイスミレのようだ。ラブラドリカでなかったのは残念だが、どのみちまたツマグロヒョウモンがやってくる時期になればまとまった量の葉が必要になるし、ラブラドリカもよく咲いて種をつけているのでこれからに期待したい。それにしても、スミレもまたさまざまな品種があるものだ。ハマりそうな気がしている。
このほか、ベリー類やハーブに室内管理チームの多肉たちなど、書いておきたいことがまだまだいっぱい。ありすぎてとても選びきれないので、続きは来月号に。
[ロザリアンへの途…ハイシーズン目前!]
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