3Dプリント時に発生したヒケと対処法
※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。
ヒケとは何か
プラスチックの射出成型品にはヒケと呼ばれる成形不良が見られる時がある。簡単に説明すると、機能上必要な形状を作ったために肉厚が不均等になった箇所の表面を凹ませてしまう現象を指す。これは射出成型後の冷却が均一に進まないために起きる。安価な日用品ではヒケが出たままにする場合もあるし、高価な耐久財であればヒケは成形条件の調整や肉盗み、二次加工を施すなどして対策される。このあたりは商品企画上の売値やコンセプト、製造元の仕上げに対する姿勢などなどで決まるため、ヒケのあるなしが即製品の良しあしを決めるモノではない。
ヒケの対策をした製品としては少し古いが、iPhone 5cの樹脂製カバーが挙げられる。この製品では表面にヒケが出ないよう射出成型し、その後に機械的な形状を切削し研磨までしていたようだ。
※リンク先動画は非公式
3DP時に起きたヒケ
この射出成型時のヒケに似た現象が今回ペンケース制作時に起きた。具体的にはファスナー形状がある箇所の表面に凹みが出てしまった。実際には頒布しなかったが、黒いTPUフィラメントで造形した個体が分かりやすくヒケていた。
原因と対策
これは、先にファスナー部を造形した後に外観部分を造形している事で起きていた。ファスナー部の折り返し地点で僅かに凹みが出来るが、後から吐出した外観部の樹脂がその凹みに入り込んでいるために起きていた。
対策としてはcuraで外壁優先を指定することで造形順序が外側のフラットな面からになり、ヒケの発生は解決した。
今回はこのあたりで。
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