教員免許の取り方ってどうするの?
1,はじめに
どうもご無沙汰してます、こまじです。今回は、備忘録的にこのような記事を投稿してみようと思います。というのも、私は教員免許を7枚(小学校一種、中学校社会1種・数学1種、高校1種 公民・数学・情報、特別支援2種 肢体/病弱・知的・視覚)を所持しており、その免許は、様々な教育委員会(4箇所の自治体)から発行されているという、変わった経歴をもっているので、その経験が活かせると思い、noteにまとめてみました。もし、教員免許を取ってみたい方、教員免許ってどんな風にとるの?とお思いの方は参考にして頂ければ幸いです。
2,教員免許は基本的には大卒向けに発行される
1,短大卒は2種、大卒は1種
基本的には、大卒を基準に短大卒でも取得できるようになっています。基本は卒業とともに取得できるような形です。厳密には、教員免許を取るために必要な単位(教職課程で認定された単位)を取得すれば大丈夫です。これは各大学で設定されており、大学ごとに違うのでしっかりと確認してください。分からなかったら、各大学の事務さんに聞けば大体はしっかりと教えてくれるので、確認してみてください。なお、交付条件に「教育委員会が審査」というものが入っていますが、まあ、基本的には単位をしっかり取って、大学、短大を卒業すれば大丈夫です。ハッキリ言えば、教員免許状の交付は、いわゆる事務仕事であり、各単位の成績だったり、大学での出席日数や素行を判断するものではないため、要は大学を卒業した際に、各学校が教員免許状を発行するに当たって認定された単位を取っていれば基本的には発行されます。審査に落ちるということは基本的にはなく、単純に単位があるかないかだけだと思ってください。なお、基本的には大学での一括申請を推奨されます。これは単純に教育委員会の事務仕事が減るからです。大学側がチェックしたものを受け取るので楽と言えば楽だからですね。なので、基本的には大学在学中に取るようにしましょう。
なお、私は全て、大学卒業後に取得しました(笑)
ちなみに、大卒だったら1種、短大卒だったら2種になるという明確な差がつけられているのは、単なる名残です。なお、卒業は免許の取得要件に定められており、教員採用試験では卒業認定が必須であるため、正規教員として働くためには、卒業する必要があります。(卒業できないと、採用試験も失格し、免許も発行されませんので、絶対に卒業しましょう!)
教員は公務員であるため、年功序列であるため、給料にも大きく差があるわけではないはずですが、高校は2種免許がないため、事実上、高校教師になるためには大卒以上となる、ということが言えます。
2,幼稚園と小学校でワンセット、中学と高校でワンセット
これはどういう意味かというと、幼稚園と小学校、中学と高校はほとんど単位が同じであり、教育実習だけが違うみたいな形です。なお、完全に一致という訳ではなく、小中の免許希望者には、介護等体験が義務付けられているなど、若干の違いがありますが、基本的にはこの認識で大丈夫です。つまり、中をとったら、高がおまけについてくる。小と中の免許を取りたい場合は単位が猛烈に膨らむことを知っておいてください。
3,教員免許は試験だけでも取ることは可能っちゃ可能
これがミスリードになることもあるのですが、教員資格認定試験というものがあり、実は試験一発で教員免許を取ることもできます。しかし、これは非常に難しく、交付される免許も一律ではない(一定数需要があるものしか交付されない)ため、あまりお勧めできるものではありません。実は、運転免許も教習所を通わずに取得することも可能ですが、各公安委員会が基本的には許可しないのと同様に、あまりメジャーなルートではないということです。なお、特別支援学校の自立活動の免許はここでしか取れない(大学で養成していないため)のですが、近年は試験を中止している様子です。
4,単位取得後、「学力に関する証明書」を自分で教育委員会に提出しにいく
「学力に関する証明書」とは、簡単に言えば何かというと、教員免許状用に特別フォーマットされた単位取得証明書です。成績証明書とかの場合、各大学ごとにフォーマットが違い、また、微妙に単位名がカスタマイズされているので、文科省が指定した単位証明書に一律に合わせることが必要となります。それが「学力に関する証明書」な訳ですね。なので、教員免許は国家資格ではないのですが、この証明書は全国で統一されており、同じ基準をクリアして教員になっているので、事実上は国家資格と似たようなものとなります。運転免許と似ています。
正直言えば、国家資格にすると、国家公務員(文部科学省)の事務仕事が膨大になるため、各都道府県に振っているのかもしれません。
提出するのは、提出時に住んでいる所の教育委員会事務局、いわゆる都道府県庁です。正直言えば、書類を揃えて窓口に行くだけです。あれこれ聞かれることは無いと思いますが、学力に関する証明書の単位はチェックされます。また、申請前に単位に関して相談することができ、どのように単位を取れば良いのかを丁寧に教えてくれます(場所や担当者にもよると思いますが、基本的には忙しくなければ色々と教えてくれます。大学事務と同じような感じです)。
ちなみに、教員免許の見た目は、都道府県によって、結構、違います。なお、自分は、東京、神奈川、大阪、鹿児島の免許を持っているのですが、
①白無地横向き免許…大阪、鹿児島
②柄付き横向き免許…東京
③縦向き免許…神奈川
でした。なお、何故、こんなに色んな土地の教員免許を持っているかと言えば、単純に引越しが多かったというだけです 笑
3,教員免許取得の法令根拠と取り方の違い。
東京都教育委員会のホームページにわかりやすくまとめてあったので、こちらを参考してもらえば良いです。ただ、この時に大事となるのが「別表」です。別表ってなんやねんと思うかと思います。別表というのは、簡単にいうと、「この免許をとるためには、これこれの単位をこれくらい取ってね」というのが、教育職員免許法という法律の中の別表に書かれている訳です(厳密には教育職員免許法 施行規則)。それを別表といい、要はその別表に従って、単位を取れば良いということです。
ただし、教員も幼小中高、特別支援学校、養護教諭など、様々な職種があり、また、教員経験がある人ない人といるので、それぞれにあったルート(別表)が用意されているのです。基本的には、経験者が優遇されるようになっており、数年の経験を元に、新たに免許が取得できるような仕組みになっています。
1,別表第1、別表第2、別表第2の2による申請
これがスタンダードの申請です。いわゆる、大卒、短卒と同時に取得するパターンもこちらに当たります。実は、ストレートで教員になった人はこのルート以外知らないという人も多いです。なので、大学卒業したら教員免許は取れないというデマを信じてしまっている人もいます。実は、そんなことは全くないので、ご安心ください。大学を卒業した後に取得すると、事務手続きを自分個人でやるという違いだけです。
なお、ある特定の単位だけ取れておらず、それを各大学の科目等履修生という仕組みでとることも可能です。科目等履修生とは簡単にいうと、大学に在籍せずに単位だけ取る仕組みです。基本的には入学試験等はせずに書類選考だけの所がほとんどです。自分は大学でパワハラ(アカハラ)にあって、どうしても単位を出さない教員がいたので、泣く泣く別大学(佛教大学)にこの制度で入って免許を取りました。なお、大学には通信制という制度があり、そちらで教員免許に関する単位は取りやすくなっているので、おすすめです。
なお、自分は通信制大学として、佛教大学、明星大学、放送大学、帝京大学、大正大学を利用しました。
いや〜、振り返れば色々とやっていますね。でも、大学卒業した後も色々と大学に行って勉強できたことはとても良い経験になりました。特に佛教大学はオススメというか、教員免許の通信制大学と言えば、東の明星、西の佛教と言われるほど、この2校は教員免許取得に力を入れています。どちらともキャンパスは綺麗で、佛教大学の隣には金閣寺があるのですが、スクーリングの際にちょっと立ち寄ったのは良い思い出ですね。明星大学は多摩都市モノレールから直結してとても行きやすい大学です。
また、中高の場合、基本的にはこのルートで取った免許を主免許と良い、免許の核になってきます。また、小学校は教科ごとの違いがないため、基本的にはこのルートにでの申請となります(別表8による申請というのもありますが、それは後程)。
2,別表第4による申請
これが、いわゆる中高の他教科免許と言われるものです。めっちゃ簡単にいうと、教科の勉強10科目前後と、指導法2科目+実技(実技は教科によってあるものと無いものがありますが、実技系科目は必ずあります)で取れます。教科によって違いはありますが、大体はこの目安で大丈夫です。必須なのが、主免許です。主免許にトッピングして取るみたいな感じなので、主免許が無いとこの申請方法ができません。
なお、大学卒業後も科目等履修生でコツコツと単位を取って申請することができます。その際、実技試験はスクーリングになることが多いです。また、単位に関しては一つの大学だけではなく、複数の大学にまたがってもOKです。自分は情報の免許を取った際、帝京大学の単位がとても難しかったので、半分を帝京、残り半分を佛教大学で取りました。
3,別表第3、第6による申請
短卒で取った免許は基本2種免許になるのですが、1種にする努力義務という謎の文面があります。気になる人はこちらの制度を使って、1種に切り替えます。なお、基本的には給料は上がりません。名誉だけです。
あと、専修免許というのもあるのですが、これは大学院卒で取れる免許になります。これも教員になった後、大学院にいけるシステムがあるのですが、大学院で必要な単位を取ると、1種免許を専修免許にすることができます。こちらも名誉のみです。
4,別表第7による申請
特支の免許を取る際に必要なものです。特別支援学校では特支の免許が必要なのですが、基本持っていない人がほとんどなので、こちらの制度を使って取得します。
3年の勤務経験が必要なので、新卒の特支の先生は3年間は無免許で働き(特例で認められています。違反ではありません)、その後、認定講習という講習を各大学で受け、免許を取得するということが多いです。
なお、私は特別支援学校で働く前から特支免許を保持していましたが、普通校3年以上で働いていたので、その経験を活かして取得したというだけです。
なお、大事なことなので、もう一度言いますが、特支の免許を保持していなくても、「当面の間」特別支援学校で働くことは違反ではありません
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1320684.htm)
運転免許と同じ考えでいると、「無免許なのに大丈夫なの!?」と思う方もいるかもしれませんが、このように文部科学省は正式に認めているので、問題ありません。ただ、「特別支援学校で働く教員は特別支援免許無免許が多い!?」という記事がたまに出回ることも多いです。基本的には問題ないので、デマに流されないようにしてください。なお、特別支援免許も1種に切り替えることも可能です。
5,別表第8による申請
隣接校種(小なら、幼、中。中なら、小、高)の2種免許が取れる仕組みです。なお、高校の免許は1種しか無いので、高校の免許をとるには中1種を持っていないと取れません。こちらで人気なのが、中から小をとるというパターンです。なぜかというと、荒れた中学校や部活に疲れた先生が、部活のない小学校に行くというのはチラホラ見かけます。単位もそこまで必要ではなく10単位の座学で良いので、働きながら十分取得できます。
6,特支の領域追加申請
これは特支ローカルな話になりますが、特支は領域が4領域に分かれており、(肢体・病弱、知的、視覚、聴覚)、最初は肢体・病弱、知的しか持っていない時でも領域を追加することができます。自分は視覚領域を追加しました。各大学の認定講習を受けるか、特別支援教育総合研究所の単位認定試験に合格すると取得することができます。なお、特別支援教育総合研究所の単位認定試験は持ち込み禁止なので、できれば認定講習だけで取りたいのですが、認定講習は隔年開催だったりもするので、面倒ですが、単位試験を受けて取った記憶があります。
4、終わりに
ということで、色々と書いていきましたが、振り返ってみてみると、
色々やり過ぎている自分
がいましたね。まあ、でも、色んな大学に行けたし、色々な経験ができて本当によかったです。私は、元々は北海道教育大学函館校出身なのですが、めっちゃボロかったんですね。でも、綺麗な私立大学を色々と見る機会に恵まれて、本当に良かったなあと思いました。さすがに、もうこれ以上の追加は考えていませんが、大学院にいく機会があれば、1種免許を専修免許にしてみようとは思います。
という訳で、免許をこれから取る方はご参考までに!!